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2014年12月30日 (火)

プリパラ 第24話

 テレビアニメ「プリパラ」、第24話「さよなら、プリパラ」です。

 パプリカ学園の「プリパラ禁止令」を解いてほしくて、らぁらはできる限りの手を試すのですが、なかなかうまくいきません。大神田グロリア校長はどうしてそこまでプリパラを嫌うのか。らぁら達は、校長先生が小学生の頃プリパラへ行っていた事、大好きだったその場所をある時突然大嫌いになった事を知ります。でもなぜそうなったのかがわからず、彼女達は本人に直接理由を尋ねるのでした。そうして、グロリアの過去のエピソードが語られていきます。

 20年前、グロリア(プリパラでの名前はシュガーです)が初めてプリパラに行ったのは、らぁらと同じぐらいの年頃の事でした。施設は今ほど大きくなく、中に入るためには、入り口の受付で、プリチケに印刷されたバーコードを読み取ってもらう必要があります(窓口にいためが姉ぇは今と全く同じ姿ですね。改めて彼女が何者なのか気になります。それと、この回想場面で使われているBGMって、これまでの作中で使われてきた音楽とは雰囲気がちょっと違っているような。これも20年前らしさ、なのでしょうか)。プリチケには顔写真のプリントはなく、トモチケを交換するにははさみで切り取らなければなりません。

 それでも、プリパラは、お年頃の女の子達にとって夢の場所である事に変わりありませんでした。きれいな石畳の街並み、お店に並ぶかわいらしい小物達、おしゃれなコーデを決めて写真撮影したり、楽しいゲームに挑戦したり、何もかもがきらきらと輝いていた事でしょう。
 そしてもう一つ、もっとずっと大切なものがあります。それは、友達との出会いです。

 ある日シュガーは、ひめかに出会いました。きっかけはほんのちょっとした事でしたけれど、その瞬間から彼女達は大の仲良しになっていました。
 2人はとても気が合うようで、一緒にいるといつも笑顔があふれてきます。お互いに相手を喜ばせ、相手の笑顔を見て自分も嬉しくなっちゃう、そんな関係のようです。
 また、相手が悲しんでいる時は、優しく励ましたりもしています。2人とも、どんな時でも相手に寄り添ってあげたいと思っているのでしょうね。

 ある時は、つらい事があって涙を流していたひめかに、シュガーがそっとキャンディを差し出しています。それは、2人が出会った時の思い出のアイテムでもあります。あの時からずっと変わらずそばにいた自分達を思い出して、2人はお互いに抱きしめあい、、、。この場面は特に百合な雰囲気が出てますね。

 そうして、シュガーとひめかは、プリパラではずっと一緒に過ごしていました。彼女達のチーム、「ラブリー・ツイスター」は、ライブでは息の合ったパフォーマンスを見せ、人気を獲得していきます。他のプリパラアイドルの女の子達から、一緒にチームを組もう、というお誘いも多かったようです。が、2人はそれらをすべて断っています。シュガーもひめかも、2人でいられれば十分、と感じていたのではないでしょうか。

 それなのに、、、2人のつながりは突然断ち切られてしまいます。シュガーは、気が遠くなるほど長い間ひめかを待ち続けましたが、結局2人が再会する事はありませんでした。
 プリパラなんてまやかし、そこで生まれた友情がずっと続くはずがない、そういう思いが、シュガーの中に渦巻いていきます。これが、グロリアを、プリパラ禁止へと駆り立てる原動力になっていったようです。

 けれど、らぁら達にこの事を話した後、グロリアは何か感じなかったでしょうか。大人になった今、昔の自分を客観的に振り返ると、その頃感じていた気持ちは単なる逆恨みだったのではないか、と。それどころか、ひめかと離ればなれになった悲しさを受け入れたくなくて、何かに怒りを向けずにはいられなかったのだ、と。
 そういう風に考えられれば、もう少し冷静になれそうな気もします。思い出を話している時、ひめかの事を「一生に1人、出会えるか出会えないかのソウルフレンド」と言い切った彼女の口調はとても穏やかなものでした。彼女の中では、ひめかはずっと、美しくて優しい女の子で、「友達」なんて簡単な言葉じゃ片付けられないぐらい強い愛情を感じる相手なのでは。

 それでもグロリアは、生徒達からプリチケを没収しようとしています。これはもう、憎しみの気持ちに飲み込まれてしまって抜け出せなくなっているのかもです。

 らぁらは、グロリアに、自分達のライブを見るよう彼女にお願いします。ライブを通して、プリパラのすばらしさをもう一度彼女に知ってもらおうと考えたみたいです。
 ですが同じ事は前回ドレッシングパフェがやっていて、しかも失敗しています。うまくいく可能性は低そうです。

 その結果は、という所がその後の場面で描かれていきます。こういう結果になったのは、フォラミスマイルの3人が高い実力を持っていたからでしょうか? それともらぁらのプリズムボイスがグロリアの胸に届いたからでしょうか?
 どちらも当たっているかもしれません。けどもう一つ、らぁらが、ひめかの面影を宿していたから、という事は考えられないでしょうか。

 思い出してみれば、グロリアは最初の頃から、らぁらに目をつけて、何かと言うと追いかけ回していました。プリチケを隠し持っている小学部の女の子は他にもたくさんいるのに、グロリアはらぁらが気になって仕方がないように見えます。
 それから、この話数の冒頭で、らぁらが校長室に「パパのパスタ」のピザを持ってきてグロリアと話すチャンスを作ろうとしていました。このピザはグロリアの大好物のはずなのですが、結局この作戦は効果がありませんでした。もしかしたら、グロリアはピザが好みなのではなく、お店にひめかがいたから、何度も通っていたのかも、なんて思えてしまいます。

 グロリアがひめかをどう思っているのか、その答えは次回、わかるのかもしれません。20年越しの大人の百合、みたいなエピソードになっているのを期待したいです。

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