「思春期ごっこ」 スピンオフ作品「水色の楽園」
劇場用実写映画「思春期ごっこ」では、スピンオフ作品に当たる「水色の楽園」がDVDで先行して発売されています。この作品を見てみました。
「思春期ごっこ」の方のストーリーは、絵が得意な中学生の蓮見鷹音(はすみたかね)と、仲良しの同級生で本好きな辻沢三佳(つじさわみか)がメインの物語です。この「水色の楽園」は、映画本編の前日譚として、彼女達の姿を描いていく映像になっています。
夏休み前のある日曜日、鷹音は三佳を誘って学校へ行きます。普段とは違って誰もいない校内を、彼女達はあちこち巡っていきます。
「水色の楽園」の方は、登場人物は鷹音と三佳の2人だけです。また特にストーリー仕立てになっているわけではなく、音楽が流れていく中で2人の姿が描かれていく、イメージビデオのような雰囲気となっています。
映像の方もちょっと特徴的で、2人の姿を撮影する普通のフレーミングの他に、顔を写さず体の一部だけを撮影するようなカットもあります。これは、青山裕企さんの写真集などに通じるものがある気がします。青山さんは、本作ではメインビジュアル写真を撮影されたり、「思春期ごっこ」の写真集を発行されています。映像では、監督の倉本雷太さんがそのテイストを取り入れているのかもしれません。
(ちなみに別作品になりますけれど、青山さんの写真集「スクールガール・コンプレックス」を題材にした映画も制作されています。タイトルは「スクールガール・コンプレックス~放送部篇~」で、こちらも百合テイストのある作品になっています。
もう一つ、DVDの冒頭にCM映像が入っているのですが、こちらは金子修介さんが監督されている「ジェリー・フィッシュ」という作品です(この作品は年齢に制限があります)。こちらも女性同士の恋愛について描いているもので、それがCMとして収録されているのは、やはり制作側も百合テイストが本作のメインになっていると考えている、という事でしょうか?)
さて「水色の楽園」はというと、鷹音と三佳が、教室でバレエの真似をしたり、一緒にプールに入ったり、体育館の舞台袖にあるピアノを弾いたり、といった様子が描かれていきます。とにかく2人は仲が良くて、他に誰もいない広々とした場所にいても何かとくっついています。
どちらかというと鷹音の方が、積極的に三佳に寄り添っている感じですね。三佳の方も別にそれは嫌じゃないみたいで、触れてくる鷹音をくすぐったそうに受け入れたりしています。
そういう彼女達の関係が、映画本編では様々に語られていくのですね。この映像では、激動の展開が起きる前の、鷹音と三佳、2人の女の子の穏やかな甘いふれあいが見られるのではないでしょうか。
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