コミック百合姫２０１４年９月号

　発行一迅社、コミック百合姫の２０１４年９月号を見てみました。

　表紙イラストは、武梨えりさんが描かれています。場所は学校のプールの中でしょうか、一面に青い風景の中、水着を着た女生徒達が思い思いに泳いでいます。自由時間か何かなのでしょう。皆水面から頭を出しているため、水中では体しか見えていません。が、２人だけ、水中に潜っている女の子達がいます。水の中を漂いながら向き合った彼女達は、手を合わせ、指を絡めて、見つめ合ったまま顔を近づけていきます。周りの誰かが水の中に顔をつければすぐに見つかってしまいそうですが、２人はどうしても自分達の高ぶる気持ちを抑えきれなかったのかもです。

　巻頭カラーの特集では、テレビアニメ「犬神さんと猫山さん」が取り上げられています。前号では第１話から第５話までのダイジェストが載せられていましたので、今度は第６話からが掲載されています。またテレビ放送第１２話までの他に、ブルーレイ＆DVD映像特典の第１３話も、場面カット付きで紹介されています。第１３話は「猫山さんと温泉旅行」、という事で、温泉回になっているようです。百合度の方はどうなっているでしょうか。

　ちなみに今号は全体で４２０ページほどとなっています。前号７月号は６７０ページほどありましたから、ページ数が一挙に３分の２未満になった事になります。といっても４００ページ以上あるのはかなりのボリュームではありますけれど、次号以降もこの厚さになっていくのでしょうか。そこがちょっと気になります。

　では掲載作品を部分的にご紹介、、、。

（・作品名（作者名（敬称略）））

・ゆるゆり（なもり）
　８９．冒険の代償
　ごらく部の部室に来た結衣は、ゲーム雑誌に気をとられて足の小指をぶつけてしまいます。周りから見ると大した事がないようでも、本人にとってはかなりの痛みですよね。思わず涙をにじませている所へ現れたのは、綾乃でした。そして最後にやって来たあかりとちなつが目撃した光景は、という事で、２人にはさっぱりわからない状況だったでしょうね。

・犬神さんと猫山さん（くずしろ）
　２話に分けて掲載されていて、前半は虎生真梨と龍崎乙姫のエピソードがメインになっています。２人とも美人なので女の子達からモテモテなのですが、２人ともそれがわかっていても、相手が誰かといい雰囲気になっていると落ち着いていられなくなっちゃうのですね。相談される猫山珠喜（鈴の姉です）も、呆れ気味になりつつ、アドバイスはしているようで。真梨と乙姫の恋路は順調、でしょうか。
　後半では、同じ頃の鈴と珠喜のエピソードが描かれています。珠喜と話している間に、鈴は何かに気づいたみたいです。何だか自分と他人との関わりから見つめ直さなきゃならないほど考え込んでしまっているようですけれど、そこで自分なりの答えをつかんだ上で、犬神八千代との愛を育てていってもらいたいものです。
　ところで本作では毎回話数が「２９んす、３０～す」のように書かれていましたけれど、今号ではそれがないような。というか作品のタイトルロゴも書かれていませんね。入れ忘れたとか、それともこれからはこのスタイルになる、のかな？

・きみの恋とわたしの恋 後編（べにしゃけ）
　学校で、何となく目が合う事が多く、そこから知り合っていった千早と斉藤。少しずつ仲良くなっていった彼女達でしたが、斉藤が慕っている先輩に告白してから、２人の関係は変わっていってしまいました。そのまま離ればなれになっていくのでしょうか、という所が描かれていきます。どんな時が一番楽しいのか、自分の気持ちに素直になれれば、答えは見つけられるのでしょう。

・sister*sister（仲原椿）
　さちは、美人で大人っぽい家庭教師の絵里先生が大好き。自分にこんなお姉さんがいたら、といつも思っていたのですが、絵里はさちのお願いを受け入れて、姉として振る舞ってくれるようになります。そうしてさちの夢のような日々が始まっていきます。
　さちは少しずつ大人の事情を知っていく事になります。気がかりなのは、絵里が本当にさちに対してだけ特別な気持ちを持っているのかどうか、ですね。その点について作中では解決されていませんし、このままではどこか中途半端な感じもします。実は続き物だったりする？

・月と世界とエトワール op.11（高上優里子）
　夏休みが明けて、よぞら達の学園生活が再開します。世界は何だか大人びて、歌姫であるよぞらの騎士（シュヴァリエ）役が板についてきている様子です。とはいっても２人とも女の子ですから、女の子同士らしい関係も見せていってもらえると良いかもですね。
　一方で海百合は、よぞらに本格的に関わってくるようです。彼女や永遠の狙いが何なのか、という部分も少しずつ明らかになってくるのかもです。

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