ハナヤマタ 第７話

　テレビアニメ「ハナヤマタ」、７組目「ガール・アイデンティティー」です。

　ガールズバンド「Need Cool Quality」のドラマー、ヤヤ。彼女は自分でも自覚できているぐらい、中学２年生の青春を謳歌しています。気の置けない仲間達と一緒にクールなロックナンバーを奏でたり、音楽について語り合えるのが、ヤヤにはかっこいいと感じられていたのでしょう。
　けれどそんな日々が突然崩れてしまいます。きっかけは、オーディションの結果でした。
　１回のオーディションに受からなかったぐらいの出来事では、彼女達も悲観的になったりはしないのでしょう。でもそこから、メンバーの関係が少しずつ離れ始めていきます。バンドに対する思い入れの違いが、この温度差を生み出してしまったようです。
　ヤヤはバンドを続けたかったのですが、他の皆は、、、。皆の気持ちを聞かされたヤヤは落ち込んでしまいます。

　そんな時に目に入るのは、なる達が生き生きと楽しそうによさこいに取り組む姿でした。幼なじみでクラスも一緒、名前だけとはいえよさこい部の部員にもなっているヤヤには、どうしてもなるの姿が見えてしまいます。
　いえ、ヤヤがなるばかり見てしまうのは、単に相手の近くにいるからではなくて、彼女が気になる存在だからなのでは、と思えます。なるは引っ込み思案で、以前はほとんどヤヤか多美ぐらいとしか話さなかったようです。が、実はヤヤの方も、なると話す時だけは、他の友達とは全く違う気持ちで相手に接していたのかもしれません。

　その頃のままなら、多少ゆがんだ関係とも言えそうですが、彼女達は仲違いする事もなく、平穏に過ごせていた事でしょう。でも皆の前にハナが現れてから、ヤヤもなるも穏やかではいられなくなってしまったようです。

　そしてこの話数ではついに、彼女達はけんかをしてしまいます。どう加減したらいいのかわからなかったからでしょうか、ヤヤとなるはお互いを強く責めてしまいます。２人とも、自分が傷ついた苦しみと、相手を傷つけた後悔を同時に感じています。それから、相手に嫌われてしまったのではないかという悲しみも。

　もう２人は離ればなれになってしまうのか、という所で、手を差し伸べるのがハナや多美なのですね。彼女達はなるとヤヤの近くにいますから、２人が同じ思いを持っていて、本当はお互いをとても必要としている事をわかっています。だから、何があっても２人は一緒にいるべきだという信念を抱いて行動できたのかもです。

　今度の経験を通して、なるとヤヤの関係は、昔とは違うものになったのでは、という気がします。今まで少しずつわだかまってきていた気持ちをすべてぶつけ合い、新しい絆を結べたのではないかと。そこで期待したいのは、今まで以上にもっと親密になり、誰が見ていてもいちゃついちゃうような関係だったりします。彼女達のそんな姿が描かれるエピソードなどあったりするでしょうか。

　それからちょっと気になったのは、よさこいの事ですね。ヤヤは、よさこいにはあまり興味がなく、どちらかというとなるがそこにいるから一緒について行くようになった、みたいな感じがします。
　そのヤヤに対して、この話数では、何だかなる達が羽織や鳴子を押しつけているような場面が目立っていた気がします。バンドを続けられなくなって寂しがっているヤヤになぐさめの言葉をかける、というならまだ良さそうですけれど、バンドができないならよさこいをやろうよ、みたいに誘うのは少し強引な印象もあるような。ヤヤとなるを結びつける手っ取り早い方法がよさこいなのかもしれませんけれど、ストーリー上あまりにも当然のようによさこいをさせようとするのは考え物かも、とも思えます。でもまあ、ヤヤ本人も、なると一緒にいられるのならよさこいだって何だってやっちゃう、といった気持ちになっているのでしょう。

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