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2014年9月25日 (木)

プリパラ 第10話

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 テレビアニメ「プリパラ」、第10話「秋色ラブリーライブ」です。

 朝、らぁらとなおが学校にやって来ると、いつものように小学部の大神田グロリア校長が生徒達のプリチケを没収しようと待ち構えていました。校長の嗅覚は相変わらず鋭く、プリチケを持ってきていたらぁらは狙われてしまいます。
 絶体絶命、と思われた所を、彼女はうまく切り抜ける事ができました。それは、機転を利かせたなおのおかげだったのですね。

 なおは今はプリチケを没収されているのに対して、らぁらはもうプリパラデビューしていてみれぃというパートナーもいます。第8話ではこの事が原因で2人の仲が一時険悪になりました。が、今は元通り、いえ、それ以上に仲良しになっています。
 だからなおは、らぁらが学校にプリチケを持ってきていると知った時、ひがんだりするのではなく、積極的に助けています。「もう、しょうがないなぁ」なんて言いながららぁらに手を差し伸べるのは、らぁらの一番の友達として、なおが自信と誇りを持っているから、なのでしょう。
 なおがいつプリチケを取り戻せるかはわかりません。けれどいつになるとしても、彼女達の強い結びつきは変わらないのではないでしょうか。

 こうして仲の良さがさりげなく描かれるらぁらとなお以外にも、親しい関係を築いている女の子がいます。それは、「らぁらのファン第1号」こと栄子です。
 彼女と仲良くなったのは、同じ中学生の栃乙女愛(とちおとめらぶ)です。愛は、第4話で栄子とテニスの試合をしていた人ですね。
 背が高く、がっちりした体格で精悍な表情、その見た目通りにテニスの腕前は確かで、彼女の放つ「ラブリースマッシュ」は誰にも止められないほど強力です。栄子も試合の時はとても怖がっていました。

 けれど、いったんコートを離れれば、まるで別人。名前通りに「ラブリー」で「乙女」な女の子なのでした。
 それを見た栄子は、いっぺんで愛を大好きになってしまったようです。愛のかわいらしさが気に入ったのでしょう(時々テンパって素振りを始めちゃう所も含めて)。
 学校が違う彼女達ですが、今は一緒にテニスの練習をしたりして、同じ時間を楽しく過ごしているみたいです。こんな風に、らぁらのすぐ近くだけでなく、それ以外の所でも女の子達が仲良くしているというのは素敵ですね。もしかしたら他の場所でも、小さな愛らしいエピソードが積み重ねられているのかもです。

 さてそんな栄子から、らぁらに頼み事が。何かと言えば、やはり愛についてでした。愛はプリチケを持っているそうですが、一度もプリパラに行った事がないのだとか。
 愛は、自分のように背が高くて肩幅も広い女の子には、プリパラのようなかわいらしい場所でアイドルになるなんて無理に決まってる、と考えているようです。でもそう思うという事は、本当はプリパラに行きたい気持ちがあるという事なのではないでしょうか。
 栄子も、そこに気づいていたから、らぁらに手伝ってもらおうとしたのでしょう。それに栄子の目から見ても間違いなく、愛はかわいらしい女の子なのでしょうね。

 栄子とらぁら、みれぃに付き添われて、愛は初めてプリパラへと向かいます。めが姉ぇが見立ててくれたコーデは、「ホリック・トリック」、そふぃも使っているブランドです。
 プリパラチェンジした愛の姿は、、、すらりとしたプロポーションにシックな色合いのドレスが映える、正にクールでラブリーな女の子でした。めが姉ぇは普段、感情を抑えた話し方をしていますが、この時ばかりは愛の麗しい容姿を見て、思わず色めき立っています。
 それだけではありません。プリパラにいた女の子達は、姿を見せた愛にしびれまくっています。女の子をこれだけ熱狂させる女の子というのも、百合的に頼もしいですね。
 こうして「栃乙女クールラブリー」は誕生しました。愛も、自分の内面にある魅力に気づき、これからは自信を持ってかわいらしいものに触れ、自分もその一員になれる、そう思えるようになったのではないでしょうか。
 「女の子は変われる」、この事を改めて感じたらぁらとみれぃは、新しいコーデを思いつきます。ステージに立った2人はそのファッションで、自分達の思いを伝えようとしています。

 このメッセージに力をもらった女の子が、もう1人いました。それは、そふぃです。
 彼女は人気アイドルとして、プリパラでは素晴らしいパフォーマンスを見せ、学校ではクールな振る舞いで女性ファンを魅了しています。が、それは「レッドフラッシュ」こと梅干しのおかげであって、その助けがなければ体力が続かず、「ファンシーモード」になってしまって歌を歌うのもままならないほどです。定子やちゃん子といった親衛隊がいつも目を光らせ、もしもの時はあらゆる手段を使ってフォローしてもらいながら、彼女はステージをこなしています。

 「変わりたい」というそふぃの願いには、この状況から抜け出したいと思う気持ちが込められているのでしょう。レッドフラッシュや他の人に頼らず、自分の力だけでステージに立ちたい。そしてできれば、自分の本当の姿を皆に受け入れてもらいたい。彼女は胸の中でそう思っていたのではないでしょうか。

 ついにそふぃは、自分の足で、外へ踏み出します。手には、第9話のゲームで使ったハンマー(これで彼女は初めて、ファンシーモードになっている時の自分の力だけで番組に参加しました)を、握りしめています。らぁら&みれぃの歌と、このちっぽけなおもちゃのハンマーだけを勇気の源として、彼女は1人でプリパラへ向かいます。

 たぶんこれまでそふぃは、姉のコスモに送ってもらったり、親衛隊に付き添ってもらってプリパラへ行っていたのでしょう。初めて自分だけで歩く道は、知らないものばかり。レーダーを頼りにはしていますが、方向を間違えて同じ場所に戻ったりもしてしまいます。
 レッドフラッシュを使っていないため、走れないどころか歩く速度だってとてもゆっくりです。でもあきらめずに、彼女は自分の足で一歩一歩進んでいきます。
 途中で、横断歩道をわたれずにいたおばあさんの手を引いて一緒にわたったり、道ばたの風景に気をとられて道草したりなどしています。が、最後にはプリパラに向かって前進を再開します。

 それでも、プリパラにはまだ到着しませんでした。やがて、、、もともと少ない体力を使い果たしたそふぃは、草むらに倒れ込んでしまいます。
 うまい具合に親衛隊がそふぃを見つけて保護したため、大事には至りませんでした。その後もまるで何もなかったようにそふぃはアイドル活動を続けています。

 けれど、そふぃの胸の中は深い絶望でいっぱいになっていたのではないでしょうか。普段から口数が少ないため見た目にはわかりづらいですが、彼女はとても悲しい気持ちになっていたように思えます。
 自分も変われる、自分の力でできる、そう信じ込んだ結果が、これ。姉に心配をかけ、親衛隊に迷惑をかけたあげく、1人でプリパラに行く事もできない。そふぃは自分の無力さを見せつけられた気分になってしまったのでは。

 らぁらは、レッドフラッシュを使った自分も、本当の自分も、どちらも「好き」だと言ってくれたけれど、他の人はそう思っていない。今度の事で、らぁらも自分を嫌いになってしまうだろう。そふぃはそんな風に考えるようになってしまったのかもしれません。その後のそふぃの行動が、最後の場面で描かれていきます。
 こうなってしまっては、そふぃの気持ちはもう固く閉ざされてしまいそうです。レッドフラッシュを使う事だけが、自分を認めてもらえる方法だと思い込もうとするのではないでしょうか。もしそうなったら、らぁらには是非とも、彼女の気持ちをいやしてあげてより仲良くなっていってもらいたいものです。

・「プリパラ」レビューリスト

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