コミック百合姫2014年7月号
発行一迅社、コミック百合姫の2014年7月号を見てみました。
表紙イラストは武梨えりさんが担当されています。バトントワラーらしい2人の女の子が、コスチュームをぴしっと着込んで練習している姿が描かれています。手前にいる黒髪ショートで小柄な子を、後ろ側にいるふわふわ茶髪ロングの子が指導している、みたいな感じでしょうか。
後ろの子が前の子に体を密着させていて、手取り足取りで教えています。手を触れているだけでなく、前の子の腰にも手を当てています。
前の子は、目つきがきりっとしたりりしい顔立ちの女の子ですが、ここでは照れて顔を真っ赤にしています。後ろの子は柔らかい表情でおっとりした雰囲気を持っているのですが、ここでは積極的に攻めているみたいです。
2人にとっては、実は本番よりもこの練習の時間の方が大切だったりするのかもですね。彼女達は、言葉には出さなくても、お互いに相手とできる限りくっついていたいと思っているのではないでしょうか。
巻頭企画では、テレビアニメ版が制作された、くずしろさん作の「犬神さんと猫山さん」の第5話までのストーリーを、場面カットとともに振り返っています。番組は5分枠で放送時間は長くはないのですけれど、八千代達のテンションの高い様子がカットからもうかがえるのではないでしょうか。
もう一つの企画では、なもりさん作の「ゆるゆり」について、11月にイベント上映予定の新作OVA「なちゅやちゅみ!」のスタッフ、監督の畑博之さんと脚本の横手美智子さんへのインタビュー記事が掲載されています。これまでのテレビアニメ版第1期と第2期からスタッフが交代しています(キャストは変わらないようです)ので、新しく本作に取り組む意気込みなどが語られています。
ちょっと気になったのは、横手さんの言葉で「女の子が二人いたら百合なんです、私の中では」というものだったりします。これは、女の子達が集まったらとにかく百合エピソード全開になる、とも受け取れますが、聞きようによっては、何も起きなくても女の子が2人いるんだからその場面は百合、とも受け取れてしまいそうです。単に女の子達が2人以上いて物語が進む、というだけではなく、女の子同士の恋愛感情をあちこちで描いていってもらいたいですね。(作品自体の百合度がそれほど高くないためどうなるのかは少し気がかりかも?)
それから、カラーの広告で、PARTICLEがリリースしている百合ドラマCD「りりくるEXシリーズ」の宣伝が入っています。このブランドからは、通算4枚目となる「夏休み編-smile with sun-」が7月に発売されています。これからもラブラブな百合作品がリリースされていきそうですね。
では掲載作品を部分的にご紹介、、、。
(・作品名(作者名(敬称略)))
・犬神さんと猫山さん 29んす、30~す(くずしろ)
前半のエピソードでは、朝の校門で八千代が真梨や乙姫に叱られています。以前彼女が鈴のアブナいせりふを録音したプレイヤーを、学校に持ってきてしまったかららしいです。学校では聞かない、と、鈴と約束したはずなのに、いくらうっかりしていたとはいってもこれは良くないですね。鈴もかなり怒っているようです。が、八千代に手を上げるのはちょっと考え物かも。彼女達にはお互いを見失わず愛を育んでいってもらいたいかもです。
後半のエピソードでは、この頃八千代と雪路の距離が近すぎるみたい、と美希音が心配しています。(4月発売の単行本の第3巻で
は2人のふれあいが描かれていますので、時期的にはその後なのかも。)実際に雪路は八千代をどう思っているのかというと、何だか怪しげな雰囲気ですね。雪路は3年生で一番年上ですから、美希音達に比べたら1枚も2枚も上手なのでしょう。でもそれを悪用して美希音達をうまく丸め込んでいるのだとしたら、そこは改めてもらいたいようにも思います。雪路と美希音にもうまくいってもらいたいものですね。
・キスからはじまるコイゴコロ(仲原椿)
葉澄は、友達の凛々子に告白されおつきあいをする事に。といっても今までの友達づきあいとどう違っているのかよくわかりません。でもそうしていたある日、葉澄は凛々子から突然キスをされてしまいます。これはかなり大きな出来事でしたけれど、おかげで彼女は、凛々子との恋人関係について真面目に考えられるようになったのかもです。キスした瞬間の感覚が嫌じゃない、もっと先が知りたい、と思えるのであれば、彼女の気持ちははっきりしていると言えそうです。
・ゆるゆり(なもり)
87.華麗なる櫻子
88.アン・ナッポゥ!
櫻子は、綾乃が自分に親切にしてくれている事に、(今更ながらかもですが)気づいています。一度気がつくといろいろ思い当たる節があるようで、綾乃に恩返しがしたい気持ちが彼女の中で急に高まっているようです。その誠意が相手に伝わるかどうか、という所が前半のポイントですが、その後の展開は綾乃にとってはあまり嬉しくない? 櫻子のこういう部分は、やはり向日葵に引き締めてもらわなきゃかもですね。
後半では、京子がごらく部に何かを持ち込んでいます。でもそれは「トメイトゥ」ではなくて「アン・ナッポゥ」だったようです。京子って意外と英語に興味があるのでしょうか?
(ちなみにこのエピソードが収録されている単行本第12巻のアンケートはがきには、これと関係するアンケートが書かれています。作中で結衣が京子にツッコむ場面があるのですが、結衣本人はその切り返しがあまり気に入っていない様子。どうすれば良かったかを、アンケートの中で、イラスト付きの選択肢で読者に尋ねています。この巻のアンケートの設問がこれ1つだけ、というのもなかなかですね。)
・ハニースイッチ(ちさこ)
会社員の六花は化粧品にはうるさく、特にその香りにはこだわりがあります。自分がかいで気持ちいい香りは、やはり他の女子社員にも受けがいいようですね。でも彼女の同僚のマイコは、そういう身だしなみには疎いらしく、六花のこだわりにも気づいているのかどうかわかりません。そこから物語が展開していくのですね。香りってけっこう感覚に強く訴えるものみたいで、本当の所は、マイコも六花を気にしているのかもしれません。彼女達が、香りをきっかけにお互いに対してめろめろになっていくエピソードとか見てみたいかもです。
・ストレンジ・フレーバー(慎結)
ユメカは、仲の良い友達の明奈、琴美、さや、歩と一緒に文化祭の出し物の準備をしています。ある時、自分に向けた愛の告白のような声を聞くのですが、その時周りにいたのは明奈達だけ。この中に声の主がいるのか、それとも幽霊のしわざ? といった感じでちょっとファンタジックな印象もありつつ、ユメカ達の学生らしい振る舞いが青春な雰囲気で良いですね。また、女の子同士の恋愛に直接関わっていない友達も、皆でその恋心を応援している所がまた素敵です。皆に温かく見守られて、ユメカ達はゆっくりと、でも確かに愛を育んでいけるのでしょう。
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