普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。 第９話

　テレビアニメ「普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。」、第９話「ワガママ言ってみた。」です。

　以前第１話の記事に書きましたように、奈々子と縁が最初に会った時の縁の振る舞いが個人的に気になっていました。あの時どうして縁は奈々子を抱きしめたのか、その辺りのいきさつが、この話数で描かれています。

　やはり縁は、あの場面より前に、奈々子と出会っていたのですね。奈々子が気づかなかったのは、縁がバイト中で着ぐるみをかぶっていたからなのでした。
　その頃の縁は、何かをしたい気持ちはあっても、あれこれ考えてしまって、結局うまく立ち回れずにいました。バイトも順調とは言えませんでした。
　そんな時に目の前に現れた奈々子は、颯爽としてかっこいい、、、わけではなかったみたいです。縁よりもさらに要領がつかめず、大きな失敗をしたりもしています。

　でも奈々子は、そういう良くない自分を認めた上で、何とか立ち直り先へ進もうとしています。一度決めた事はあきらめたくない、という強い意志が、彼女の中にはあるようです。この辺りは、第１話でも見せていた姿勢ですね。

　奈々子の考え方や行動に触れた縁は、今までとは違った気持ちを感じています。たとえ自分がつまずいたとしても、何かに一生懸命になり、誰かを笑顔にできるなら、それは素晴らしい事なんだ、と、彼女は思えるようになったみたいです。他の人に評価されなくても、自分が誰かの役に立てるのは意味のある事だとも感じたのではないでしょうか。

　こうして、縁にとっての奈々子は、大切な存在になっていったのですね。この時の経験からすると、縁の中では奈々子は人生のお手本、みたいな位置づけになった、と言えるのかもしれません。

　もしそうなら、久しぶりにまた会う時には縁は奈々子を尊敬しまくる、みたいな行動に出ちゃう事も予想できそうです。縁なら、年下の女の子にだってきちんと礼儀正しく感謝の気持ちを伝えたりできそうですよね。

　、、、けれど、実際には、第１話ではそんな展開にはなりませんでした。縁は奈々子を見るなり何も言わずに思いっきり抱きついています。
　その後も、彼女は何かにつけて奈々子と親密になりたがっています。この話数でも、駅でイベントの出番待ちをしている時、縁が奈々子のそばにいるのを見て、ゆいが「これだけ近くにいたら、抱きついたり胸に顔を埋めたりふにふにする」と、いつもの彼女の行動を言い表しています。
（ちなみにアニメ本編では「抱きついたり胸に顔を埋めたりふにふにする」場面って、そんなに描かれていないですよね。でもゆいが（たぶんみらいも）憶えてしまうぐらいなのですから、普段の彼女達のふれあいはかなり激しいのでしょう。本編でもそういう場面をたくさん描いてもらいたいものです。）

　そう、縁が奈々子に感じている気持ちは、尊敬よりも愛情の方が強いのではないでしょうか。奈々子の生き方に感銘を受けたのは間違いないのでしょうけれど、今はもうそこは超えていて、奈々子ラブな気持ちがあふれてしまっているのでは。
　奈々子が縁の部屋へ行く場面でも、熱のせいもあってちょっと甘えん坊になっている縁は、奈々子に抱きついたり、奈々子とのお誕生会やお泊まり会をやりたがったりしています。縁にとっては、自分がどんな状態にあっても、奈々子が一番なのでしょう。

　またこの話数では、演出的にも彼女達の親密さがアピールされている気がします。アイキャッチとかも、CM入りの前と後のイラストを並べると、ちょうど奈々子と縁の小指と小指が赤い糸で結ばれている（しかも糸がハートマークを作っています）構図になるみたいです（ブルーレイやDVDの特典でアイキャッチイラストのカードとか付いてきたら、思わず並べちゃうかも？）。
　それにエンディング曲「未来少女たち」の歌い出しの部分、「進め、『恋する』乙女」も、この話数では縁の気持ちを代弁しているように聞こえてきます。「進め」という言葉も、彼女を応援している感じがします。

　さらに次回予告では、もっと自分を頼ってほしいと言う奈々子に、縁は「ぎゅっとさせて」とお願いしています。でもそれは１回きりじゃなくて、朝から晩までずっと、なのですね。許されるならいつでも奈々子と愛し合っていたい、というのが、縁の素直な気持ちなのでしょう。

　奈々子には、縁のこの愛情を、正面から受け止めてほしいです。遠慮せず周りの目も気にしないでいちゃついてもらいたいですね。

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