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2014年8月 5日 (火)

攻殻機動隊ARISE border:less project

 原作士郎正宗さん、監督押井守さんによるアニメ映画「攻殻機動隊」は、続編に当たる「イノセンス」やテレビシリーズ「STAND ALONE COMPLEX」などが制作されています。また今は、4部作の劇場版「攻殻機動隊ARISE」が制作されています。この作品では、「公安9課」が設立される前の、主人公の草薙素子の物語が描かれています。

 そして制作元のProduction I.Gでは、「~ARISE」の公開に合わせて、5人の監督によるショートフィルムを配信する企画を行っています。タイトルは、「攻殻機動隊ARISE border:less project」です。

 それでですね、その5本のショートフィルムの中に百合的な作品があったので記事を書いてみたというわけです。その作品は、山岡大祐監督の「島村ユキは田中ケンジを忘れない」です。

 高校生の女子、遠藤アオイには、同じ学校に通う女子の島村ユキという仲良しの友達がいます。いえ、アオイはユキを愛しているのですね。でもユキは田中ケンジという男子とつきあっていて、アオイは自分の気持ちを告白していません。

 ある日、ユキの前からケンジが一方的に離れて行ってしまいます。何とかよりを戻したいユキは、復縁のおまじないに頼ります。それは、相手との思い出、記憶を文字で全身に書き込み、3日間そのままにしておく、というものです。それを実行するために、ユキはアオイに手伝ってくれるようにお願いします。

 途中の場面で、ユキの代わりにアオイが、自分の体にユキとケンジの記憶を書き始める所が一つのポイントのように思えます。彼女達はいつも一緒にいるので、ユキにとっての記憶は、同時にアオイにとっての記憶でもあります。その意味では、2人の存在は1つに重なり合っている、とも言えるのでしょう。

 アオイの行動を見て、ユキは気づいたのではないでしょうか。アオイが自分に対して、単なる友達以上の気持ちを抱いている、という事に。
 その後の、学校帰りらしい場面で、ユキはアオイに、自分達の事を話しています。この言い方だと、ユキはアオイの気持ちを知った上で、自分が望む関係をアオイに求めているようです。
 女同士の恋愛関係と聞いただけで引いてしまう女の子もいるでしょうけれど、少なくともユキはそういうタイプではなさそうです。それに、彼女はアオイをどうしても嫌いになれないみたいです。
 ユキは相変わらず男子にばかり目が行っています。けれどアオイの存在にも安らぎを覚えているのでは、と思えます。もしかしたら何かのきっかけで、彼女達の間にある思いが発展していく可能性もあるのかもしれません。

 全体的には、ちょっと切ないテイストの作品と言えそうでしょうか。でも最後にアオイがしていた事も含めて、百合的な関係への意志が感じられる内容になっている気がします。

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