ハナヤマタ 第5話
テレビアニメ「ハナヤマタ」、5組目「ファースト・ステップ」です。
前回第4話で、 多美は自分を縛り付けていた鎖を解き放てたようです。これで彼女は、父親よりなる達の方と、より親しくなっていけそうです。実際、よさこい部の部活には張り切って参加していますし、皆で帰りに寄り道、という初めての経験にも積極的です。今はとにかく何をするのも嬉しくて、何だか前よりテンションが上がっているっぽいですね。
前と変わったという点では、この話数でのなるもさらに新しい表情を見せている気がします。彼女は多美よりも先によさこいの世界に触れ、今までの自分から一歩踏み出していました。が、これまではまだちょっとおどおどしていて、自分の意見をはっきり言えていない場面が多かったように思います。
でも、平塚で開かれるよさこいのお祭りに出かけて、パフォーマンスを見るだけでなくイベント全体の雰囲気の中に立った時、彼女は何か感じるものがあったようです。とても饒舌になり、よさこいの起源まで解き明かすような言葉を興奮気味に語っています。彼女も、よさこいの中に熱中できるものを見つけられたのかもです。
それに、この頃なるはよく笑うようになりましたね。この話数でも、声を上げて屈託なく笑う彼女が描かれています。彼女は、よさこいやハナとの出会いなどをきっかけに、もともと持っていた明るさを取り戻せた、とも言えそうです。
そのなるの笑顔には、サリー先生も影響されているようです。よさこいについて楽しそうに話すなるから、彼女はいつの間にか目が離せなくなっているみたいです。
サリー先生は、よさこい部の顧問になる事にあまり乗り気ではありませんでした。お祭りの当日も、なる達生徒を渋々引率している、という様子でした。
なので彼女がよさこいに興味を持つとしたらどんな理由があるのかなと思っていました。会場になっている街で彼女は偶然、よさこいショップの店長の勝に会いましたので、そういう男女関係の方面からになってしまうのかも、という雰囲気もありました。
けれど(今の所)彼女は勝にはあまり興味はなさそうです。それどころか彼女は、ハナと同じようになるの笑顔に魅了されているっぽいですよね。サリー先生も女の子同士の関係の中に加わっていったりするでしょうか。
それから、ヤヤですね。彼女は前からバンドをやっていた事もあり、よさこいにはあまり乗り気ではありませんでした。でもなるからお願いされると断り切れず、名前だけを貸す事に。ところがハナ達は勢いづいていて、このままだとヤヤも本格的によさこいをさせられそうです。
興味がないのに離れられない、そんな矛盾した振る舞いをしてしまうのは、よさこいのそばになるがいるから、なのでしょう。自分が手を貸す事でなるが笑顔を見せてくれるなら何だってやっちゃう、みたいな気持ちが、ヤヤの中にはあるのでは。
ヤヤがよさこいそのものに興味を持つかどうかは何とも言えません。ここはいっその事、なるへの気持ちだけでよさこいを続けていくのもありかも、とも思えます。それぐらいヤヤはなるが大好きなんだという事を体で示していってもらえると良さそうです。
それと、ヤヤはなるの周りの女の子達への嫉妬心がまだまだ強いようです。自分が話しかけてなるが笑うと嬉しいのに、ハナや多美のおかげでなるが明るい表情を見せるのは何だか気にくわない様子です。
たぶんヤヤ本人も、自分がハナ達にみっともない嫉妬をしている事はわかっているでしょう(第2話でも彼女は気づいていました)。それでもどうしてもその気持ちはおさまらないようです。
でもそれでもかまわないのではないかな、という気もします。それほどまでにヤヤはなるを愛しているのでしょうから、無理にその気持ちをなかった事にはしなくても良いのではないでしょうか。ヤヤには、かっこ悪くてもいいからなるにアタックし続けてもらいたいです。なるはちょっと天然で自分を卑下する所がありますけれど、そういった殻を打ち破って、ヤヤがなるを思っている事をきちんと伝えられれば、2人の思いは本当の意味で通じ合えるのでは、と思えます。そうして彼女達にはラブラブになってもらいたいものです。
(ところでイベントでは、たくさんのチームが参加している中、中学生の女の子達のチームもパフォーマンスしていました。なる達はそれを見て憧れを抱き、自分達もステージを踏めるようになりたいと感じたようです。
でも何というか、少ない人数から始めた中学生の女の子達が、メンバーを集め、衣装を用意して練習に励み晴れの舞台に立つ、という流れは、今のなる達の位置づけとぴったり重なっている気がします。あまりにも共通点が多いと、なる達はつい彼女達の真似をしてしまって、自分達らしさを見失ってしまわないかとちょっと心配になったりします。そこまではいかないとしても、アニメのビジュアル的には、「よさこいに青春をかける女子中学生達」の姿がここで既に描かれてしまった事になるようにも思えます。なる達が主人公として輝いていくにはもっと何かをしなければならない気もしますけれど、まあその部分については演出的に何か考えられているのでしょう。)
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