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2014年8月 5日 (火)

ガールズ&パンツァー OVA「これが本当のアンツィオ戦です!」

 アニメ「ガールズ&パンツァー」、OVAこれが本当のアンツィオ戦です!」を見てみました。

 物語は、テレビアニメ版の第7話の中で一瞬だけ出てきたアンツィオ高校との戦車道全国大会2回戦の試合を中心に描かれています。この時期だと、みほ達大洗女子学園は、1回戦で強豪のサンダース大付属高校を倒した事もあって、皆少しずつ自信が持てるようになり、試合にも前向きになれている感じでしょうか。1回戦の直後には麻子のおばあが倒れてしまう出来事がありましたが、その後の容態は安定しているらしく、あんこうチームの動揺も少なかったようです。

 さて本作では、対戦相手のアンツィオ高校の様子が描かれています。アンツィオはイタリア人が創設した学校なのだそうで、広い校内のあちこちに、イタリア風の建築物がたくさん建っています。
 この学校に通う生徒達は、明るく陽気でノリが良いというか、けんかっ早いような、熱しやすく冷めやすいような、それでいてどこか憎めない女の子達がたくさんそろっているようです。そしてそんな彼女達を束ねるのが、隊長のアンチョビなのですね。
 アンチョビは部員達からは「統帥(ドゥーチェ)」と呼ばれ慕われています。アンツィオの生徒達の中でもとびきりノリが良く、皆をどんどん引っ張っていく所が、人気の秘密なのでしょう。
 といっても隊長というポジションにいると、あまり好き勝手はできないみたいです。チームを勝たせるためにはどうするのが良いか、頭を悩ませる事も多いのでは。

 この2回戦では、アンチョビは渾身の策を考えました。ハイライトは、大金をはたいて買ったP40重戦車の投入です。この戦車を手に入れるために、彼女達は、言葉では語れない苦労をしてきたようです。他の人には大した事ない節約にしか見えないかもですが、「食」へのこだわりが半端なく強い彼女達にしてみれば、かなり大変だったのではと思われます。
 もう一つ、アンチョビは大洗女子学園への対策を考えています。それは「マカロニ作戦」と彼女達が呼ぶ作戦です。
 アンツィオは、「ノリと勢いだけはある」チームとして知られています。実は本人達もそこは理解していて、それを欠点としてではなく長所として生かそうとしています。自分達の勢いに、ちょっと気の利いた作戦を付け加えれば怖いものはない、と考えたようです。

 その結果はどうなったかというと、、、どうしても第7話で既に描かれている通りになってしまうのですね。まあ仕方のない所ではありますけれど、でもアンチョビやカルパッチョ、ペパロニ達の戦いぶりは本編でたっぷりと描かれています。
 それにしてもP40を使うまでは、アンツィオはセモヴェンテやCV33といった、武装が軽く装甲も薄い戦車で戦ってきたのですよね。全国大会の出場経験があり、また今年の大会ではこのラインアップで1回戦を突破しています。意外に彼女達は、手持ちの戦力をうまく使って戦い抜くスキルを持っているのかもしれません。

 実際にみほ達との試合でも、一時は相手のペースを乱す事にかなり成功しています。セモヴェンテやCV33は、装甲が薄い代わりにフットワークが軽く、車体が小さいため相手の弾が当たりづらいという利点があります。また近くに着弾してひっくり返されても、重量が軽いため、人間の力で簡単に元に戻せちゃうんですね。何度吹き飛ばしてもそのたびに復活してくるため、大洗としては無数の相手と戦っているような気分だったのでは。
(ちなみにアンチョビは、P40をフラッグ車にしていましたけれど、それ以外の1台をフラッグ車にしていたらもう少し有利に試合ができていたかも、とも思えます。どれが本当のフラッグ車かわからないように攪乱しつつ、要所でP40の砲撃で相手に打撃を与える、とか。車体の大きいP40がターゲットにされてもフラッグ車が別の戦車なら、試合を長く続ける事ができるかもですね。)

 といってもさすがにみほは、落ち着いてアンツィオに対処しています。状況に応じて的確な指示を出し、仲間をフォローしています。他のメンバーも、1回戦を突破した事が自信につながっているのでしょうか、あまり慌てずに、自分の役割を精一杯こなしています。この団結が、この後の試合でも生かされているのでしょう。
(なお、この試合でのみほの作戦については、劇場版のパンフレットに詳しく書いてあります。)

 ストーリー全体で見ると、みほ達が大ピンチに陥って、いったいどうなってしまうの、とはらはらする、みたいな所までの展開はあまりないっぽいでしょうか。でも劇場の大きなスクリーンと迫力のサウンドで、みほ達の新しいエピソードを見られるチャンスがあるのはなかなかですね。
(そういえば個人的には、この作品の劇場公開初日に上映劇場をのぞいてみたのでした。けれどとてもたくさん人がいたため、実際に映画を見るのは別の日にしました、、、。)

 劇場で、作品のオープニング曲「DreamRizer」が流れてくるのはちょっと感動的ですね。エンディング曲の「Enter Enter MISSION!」と合わせて久しぶりに聞くと懐かしく感じるのではないでしょうか。(私は直前に第1話から第7話まで連続で見たので懐かしさの感覚はありませんでしたけれど、それでも新作映像を見られるのはやはり良いですね。)

 作中では、1回戦の勝利の後で、皆気力がみなぎっている感じです。また、この時にはまだ試合に参加していない、自動車部チームのナカジマ達、ネットゲームチームのねこにゃー、風紀委員チームのそど子達も、少しずつではありますが顔を出しています。彼女達のエピソードも、テレビアニメ版とのつながりを感じさせます。

 みほ達あんこうチームも、それぞれらしい時間を過ごしています。優花里はまたしても相手校に潜入して偵察をしてきています。あのコンビニの制服を着ているのも同じですね。沙織も手料理をチームメイトと一緒に作っています。
 こういう辺りは、テレビアニメ版の雰囲気を思い出させますけれど、している事がぴったり同じというのもちょっともったいない感じもします。彼女達らしくて、でももう少し違った表情も見てみたいように思います、けどそれは求めすぎでしょうか?
(沙織が料理を作る場面では、彼女は華に野菜の盛りつけをお願いしています。包丁を使わずにできる作業をお願いしたのは、前の時に包丁を使い慣れなかった華が指をけがしたのを憶えていたからなのでしょう。それに華道の家元の娘の華ならば、盛りつけもきれいにしてくれそうです。沙織はそういう所もちゃんと考える事ができているのかもですね。)
 優花里と沙織のエピソードがあるなら、華と麻子のもちょっと見てみたい気もしたり、、、。でも本作では他の女の子達の関係がクローズアップされているためにここでは少し控えられたのかも(華と麻子については、今度の劇場版新作での活躍に期待、でしょうか)。

 本作では、歴女チームのカエサルと、アンツィオ高校の選手、カルパッチョの関係も見所でしょう。彼女達は幼なじみで、今は直接会う事はなくても、連絡を取り合っているようです。
 カルパッチョは小さい頃から戦車道を続けていました。昔のカエサルが彼女をどう思っていたかはわかりませんけれど、今はカエサルも戦車道を始めています。この2回戦では2人は対戦相手になっていますから、仲良しでありライバルでもある、という所でしょう。

 彼女達は試合でも全力でぶつかり合っています。お互いにどの戦車に乗り組んでいるのか最初は知らなかったみたいですが、手合わせをしている間にわかっていったようです。

 彼女達の乗る戦車、III突とセモヴェンテの一騎打ちは見物ですね。2台とも接近して全速力で動き回り、相手に狙いを定めようとしています。
 それぞれの砲身をたたきつけからませる様子は、まるで剣術の試合のようです。戦車でここまでアクティブな戦いが描かれるのも面白いかもです。

 試合の後のカエサルとカルパッチョの様子も爽やかです。仲良しな彼女達だから、お互い正々堂々と全力を尽くして戦う事ができたのでしょうね。

 といった感じで、迫力の戦車戦や親密な人間関係などが描かれる仕上がりになっているのではないでしょうか。百合的な部分はあまりないかも、、、。その部分は次の劇場版新作で描いていってもらいたいものです。

・「ガールズ&パンツァー」レビューリストレビューセンター

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コメント

観てみましたが大洗のカエサルとアンツィオのカルパッチョ
に微かに感じさせるくらいでしたね。
やはり、この作品に百合を求めるのは無理かな。
BLならLOVE STAGE!!みたいなストレートな作品なるんですが、
何故百合では?と思ってしまいます。
やはり需要が少ないのかな?

投稿: ジョーンズ卿 | 2014年8月 6日 (水) 20時20分

劇場上映もされるとなると、深夜枠の時ほどいろいろ
チャレンジできなかったりするのかもですね、、、。
でも百合な雰囲気は大切にしてもらいたいです。
次の劇場版新作では是非、と思っちゃいます。
「LOVE STAGE!!」って、百合作品も描いていらっしゃる
影木栄貴さんと蔵王大志さんの作品なんですね。
以前ちらっとテレビCMを見た記憶があります。
これぐらい正面から描く百合作品をもっと見てみたい
ですね、、、。

投稿: ギンガム | 2014年8月 7日 (木) 23時22分

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