美少女戦士セーラームーンCrystal 第２話

　ニコ動で月２回配信中のアニメ「美少女戦士セーラームーンCrystal」の第２話を見てみました。サブタイトルは「亜美 -SAILOR MERCURY-」です。

　十番中学の２年生、月野うさぎは、明るく元気な女の子ですけれど、ドジっ娘で泣き虫な所もあります。ある日彼女は、言葉をしゃべる黒猫、ルナに出会い、セーラー戦士の１人、セーラームーンとして目覚めます。彼女に与えられた使命は、女王クインベリル率いる闇の勢力、ダークキングダムの魔の手から人々を救い出し、「幻の銀水晶」と「プリンセス」を探し出す事でした。

　第１話ではセーラームーンの変身と戦いまでが描かれていました。この第２話では、第２のセーラー戦士、セーラーマーキュリーのエピソードが語られていきます。
　うさぎと同じ学年で別のクラスの水野亜美は、IQ300とも噂される天才少女で、全国模試でも学年１番どころか全国で１番になるほどです。でもいつも勉強ばかりしていて話しかけづらい所があり、友達はいないようです。

　そんな時に、うさぎと亜美は知り合うのですね。亜美は学校ではいつも感情を表に出さずおとなしくしていますが、ふと彼女が見せた笑顔に、うさぎは惹かれていきます。この子と友達になりたい、そう思ったらすぐ、うさぎはまっしぐらに亜美にアタックしています。

　亜美の方も、うさぎの明るい笑顔に何かを感じているようです。学校帰りに寄り道してゲーセンに、なんて完全にうさぎのペースに引っ張られていますが、亜美はうさぎと一緒に遊べる事に喜びを感じているみたいです。それは、ゲームをしている時の彼女の表情からもわかるのでは。
　ダークキングダムに捕らえられてしまった時に、妖魔の術を破るきっかけになったのも、うさぎとの思い出のアイテムでした。２人は出会ってから少ししかたっていませんが、お互いをとても身近に思えているようです。

　でもちょっと気になるのは、２人が共通して見ているビジョンですね。白い大きな宮殿のような場所が、２人の頭をよぎっています。それに、ルナは亜美がどんな戦士かあらかじめわかっていたみたいです。それはまるで、昔から彼女を知っていたかのようでもあります。
　例えば過去（または彼女達が生まれる前の別の世界）にうさぎや亜美、ルナの間に何かつながりがあるのだとしたら、うさぎと亜美が惹かれ合うのもそれが理由なのかもしれません。もしそうなら、２人がお互いに感じた親近感は、今ここで出会ったから生まれたのではなく、ずっと前から決められていた、と言えそうです。
　様々な時間や世界を乗り越えて再会する、というシチュもロマンティックではありますけれど、やはり彼女達には、中学生の女の子、月野うさぎと水野亜美だからお互いを気に入ったんだと言ってもらいたい気もします。亜美が妖魔の呪縛を打ち破ろうとする時、そばにうさぎがいて、彼女を胸の底から求める仕草や言葉が描かれていればそういう感じになったかも？　でもあの時は、うだぎはセーラームーンに変身していましたから、どうもセーラー戦士としての過去からの意識が強調されてしまっているような。これは仕方ない所なのでしょうか。

　という彼女達の関係がいろいろ描かれていても、うさぎはタキシード仮面や地場衛にときめいちゃっているんですよね。作品全体としてもそちらの方向へ進んでいくようですし、百合な雰囲気があったとしても、結局は結ばれない関係になるのかもです。

　ももクロが歌う本作のオープニング曲「MOON PRIDE」には、「王子様に運命投げず　自らたたかう意志」や、「ただ護られるだけの　か弱い存在じゃないわ」といった歌詞があります。誰かに身をゆだねて任せきりにするのではなく、女の子達が独立して未来を勝ち取ろうとする姿が、この作品では描かれていくのでしょう。お互いを認め合い慕い合う彼女達の間に友情を超えたつながりが生まれ、百合な関係が芽生えると良いのですけれど、どうなるでしょうか。