コミック百合姫２０１４年５月号

　発行一迅社、コミック百合姫の２０１４年５月号を見てみました。

　表紙イラストは武梨えりさんが描かれています。天井の高い温室のような場所で、制服を着た高校生ぐらいの女の子２人が隣り合ってしゃがんでいます。苺狩りをしている最中、という感じでしょうか。
　でも右側の、栗毛をゆるやかにまとめた子が、何やら怪しげな行動に出てます。自分の口に苺を一つくわえ、左側の子の方にそっと差し出しています。真剣なのか、それともふざけているのか、口がふさがっているために表情はちょっとわからない感じです。
　驚いてしまったのは左側の黒髪ロングの子です。顔を真っ赤にしてあわててますね。緊張して、手に持った練乳のチューブを握ったらしく、中身があふれ出しています。
　さてこの後彼女達はどうするのでしょう。練乳なんて使わなくてもとびきり甘い苺とキスを味わえると良いですね。

　巻頭企画は、本誌に連載中のくずしろさん作「犬神さんと猫山さん」のアニメ版についての記事になっています。犬神八千代役の上坂すみれさんや、猫山鈴役の東山奈央さん、柊木秋役の大坪由佳さんなど、キャストの方達の写真やインタビュー記事などがたくさん載せられていますね。写真では、キャストの方達はキャラのモチーフになっている動物の手真似をしたり、百合な雰囲気のポーズを決めたりしていらっしゃいます。（それにしてもこの写真の撮影場所ってどこなんでしょう、、、？）

　もう一つの記事では、なもりさん作の「ゆるゆり」のアニメ版について紹介されています。タイトルは「ゆるゆり なちゅやちゅみ！」、形態はOVAで、劇場上映の予定もあります。百合度の高い素敵な作品になっているのを期待したいです。

　では掲載作品を部分的にご紹介、、、。

（・作品名（作者名（敬称略）））

・犬神さんと猫山さん ２７んす、２８す（くずしろ）
　暴走しがちな八千代をおとなしくさせる役回りになっている秋、ひばりの命をかけた(?)ボケに鋭いツッコミで応える空。立場が似ているとも言える彼女達は、同じ苦労をしているだけあって気が合うみたいです。今度の事で、２人とも、相手が八千代やひばりに対して感じている愛情に気づく事ができたのでは、と思えます。自分に似た立場の人間が近くにいるとわかったら、その結束は強まりそうですが、その分、八千代は立場が弱くなる？

・ゆるゆり（なもり）
８２．花見しようぜ
８３．花見でPON
８４．ありがとう
８５．夢で逢い、、、たくないかも
８６．かまってよ！
　一挙５話６０ページ掲載、という事でかなりの分量になっています。これまでにもあかり達は、ごらく部の４人で温泉へ行ったり、生徒会メンバーと一緒に８人で海やプールへ行ったりしました。今度は８人でお花見をしています。京子が見つけた穴場だけあって他に誰もいないため、彼女達だけの親密な世界が繰り広げられる、とも思われましたがコミカルなエピソードも多いようです。
　「夢で逢い、、、たくないかも」では、櫻子が向日葵にやけに優しくされたり慕われたり、、、という夢を見ました。こんな夢を見たら相手を意識しないわけがない、ですよね。このままくっついちゃっても良いのではとも思いますが、なかなかそうもいかないようです。それと、櫻子の夢の内容を本人から聞いた向日葵の反応もなかなかですね。直接夢を見ていなくても、それが何を意味するのか向日葵はわかったみたいです。櫻子が自分を意識している、と、向日葵は意識したのではないでしょうか。これまでにもこういう経験は何度かあったでしょうし、少なくとも向日葵の中では、櫻子に対するラブな気持ちが高まっているのでは、という気がします。

・きものなでしこ（八色）
　かの子達は進級し、普通科のかの子と紗綾は同じクラスになります。撫子衆はクラスから１人ずつ選ばれるため２人の内どちらかは役目から外れるのですが、恋人同士になった彼女達は、誰が何と言おうと離れるつもりはないようです。これからは２人とももっと積極的にキスしまくるかもですね。なお、この作品の連載はこの回までとなります。

・Dear、、、（慎結）
　優の幼なじみの湊沙紀は有名な新人女優であり、優の恋人でもあります。恋人がいるけど超有名人だから内緒にしなきゃ、というのはやや王道な流れではありますけれど、女の子同士の関係なのもあって、秘密を共有する彼女達の距離感は近いのでは。「有言実行」な沙紀が、最後の場面で優と一緒にした事もとても麗しいですね。

・月と世界とエトワール op.9 サマーホリデー（高上優里子）
　月光館学院も夏休みに入り、生徒達は次々に帰省していきます。歌姫の海百合と騎士の永遠が夏を一緒に過ごすと聞いて、よぞらは自分の騎士である世界が何をするつもりなのか気になってしまいます。
　いろいろあって世界はよぞらの実家へついて行く事になりますが、これが新しい物語の動きを生み出すようです。夏休みを一緒に過ごすエピソードというと、３月号に掲載された「op 6.5 アーリーサマーティータイム」や「op 8.5 ひみつのライブラリ」に近い、小休止的なものかなとも思ったのですけれど、（「.5」が付いていないだけあって？）何だか物語の核心に触れる出来事が起きていきそうな予感ですね。

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