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2014年7月 7日 (月)

ラブライブ! 第2期 第13話

 テレビアニメ「ラブライブ! School idol project」第2期、第13話「叶え! みんなの夢――」です。

 卒業式の日、穂乃果は生徒会長として読み上げる送辞の内容を決めました。これはとても彼女らしいやり方ですね。実行するには、海未やことりをはじめ在校生の皆に手伝ってもらわなければなりませんが、皆は穂乃果の提案に賛成し、力を合わせられているようです。
 この様子を見て、理事長(ことりの母親です)も嬉しかったのではないでしょうか。国立音ノ木坂学院は、去年は入学希望者数が減少して廃校の危機に陥っていました。理事長もこの事は心配していて、精一杯手は打ってきたのでしょうけれど、あまりうまくいかなかったようです。
  あきらめかけていた時、穂乃果達が、学校を救うためにスクールアイドルの活動を始めました。最初はあまり見向きされなかったものの、彼女達のひたむきさはやがて生徒達を巻き込み、学院の外からも注目を集めるようになります。μ’sを中心に広がっていった渦は人々の気持ちを動かし、ついには廃校の可能性までひっくり返してしまいました。
 だから理事長は、目の前で生徒達が大合唱するのを見て、確信したのではないでしょうか。この子達の行く先にどんな苦難が立ちふさがろうとも、彼女達なら必ず乗り越えていけるだろう、と。

 3年生達は、この日で学院を離れなければならないと思うと、感慨深くなっているようです。穂乃果の前の代の生徒会長だった絵里は、やはり生徒会室に思い入れがあるのですね。
 彼女も、生徒の代表として廃校を撤回させようと人知れず努力していました。でも自分や希の力だけではうまくいかず、あきらめかけていた所で穂乃果達が立ち上がったのでした。
 そのため絵里は、自分は何も役に立つ事ができなかったと考えていたみたいです。でもそんな事はないですよね。穂乃果の偽りのない言葉を聞いて、彼女の心残りは消えていったのではないでしょうか。

 この場面では、描き方がかなり細やかですね。窓から差し込んだ陽の光で、部屋の中に舞う細かい埃が輝いている様子まで見えています。3月の、暖かくなりかけた世界の空気感もうまく表されている気がします。そんな中で穂乃果と絵里が抱き合っちゃったりしてるのも麗しいかもです。

 希も、絵里と同じように生徒会には思い出がたくさんあるのでしょう。会長ではないため先頭に立つ事は少なかったかもしれませんが、絵里を陰から支えながら、2人で同じ3年間を過ごしてきたわけですから、考えはだいたい同じのようです。あの後彼女達は、生徒会室で2人きりで特別な思い出を作ったりした?

 にこは、式の最中は表情を固くしていました。絵里や希とは違って自分は感傷に浸りたくない、と思っていたのかも。でもこの日は、メンバーの知らない表情を見せてますね。いつもは(アイドルのアピールをする時以外は)きりっとしていてメンバーに厳しい口調で話す彼女も、母親の前では甘えん坊になってしまうみたいです。
 これにはメンバーも驚いてしまい、まじまじとにこを見ています。が、真姫だけは、横を向いて目を伏せがちにしていて。
 彼女のこの反応がちょっと気になります。もしかしたら真姫は、にこが母親に甘えるのを知っていた? そうなるぐらい、彼女達の距離は、メンバーも知らない内に近づいていたのかもですね。

 その真姫は、アイドル研究部の役職を花陽から指名されています。今までの彼女は何かにとらわれたりせずに割と自由な発言をしてきた感じでしたけれど、今度はちょっと責任が出てきているのでは。というか花陽の方も責任のある役目に大抜擢されてます。今の2年生のメンバー全員が生徒会役員だという事や、アイドルに詳しい人が誰かを考えれば、彼女が一番適任のように思えます。凛は特に役職はありませんが、以前のように代理でリーダーをつとめる場合ももしかしたらあるでしょう。その内本当にリーダーになったりするかもしれません。

 最近の第11話第12話では、彼女達は時間を惜しむように一緒にいろいろな事をして、笑ったり泣いたり、とても密度の高い時間を過ごしました。これだけできればもう思い残す事もない、という気持ちをメンバーの誰もが持っているようです。
 穂乃果は、海未とことりと自分が始めたスクールアイドルの1年間を思い返しています。最初は不安しかなかったでしょうけれど、この活動をやりきるという目標を達成する事ができました。でもそれだけではありません。彼女達は自分達の学院を廃校の危機から救えましたし、ラブライブに優勝する事もできました。また何より、かけがえのない9人のメンバーで、この1年を一緒に過ごせました。こんなに嬉しい事は他にないでしょう。穂乃果はその喜びを改めてかみしめています。

 が、何だかこれきりじゃない雰囲気ですね。第1話の時と同じように、花陽の所にニュースが舞い込んでいます。
 いったいこれから何が起きるのでしょう? それは、「完全新作劇場版」で描かれていくのでしょうね。

 さて百合的な部分では、この作品の場合、やはり9人が力を合わせて困難を乗り越えていく姿が中心になるためでしょうか、2人だけが特別に親しくなる流れはそんなに多くない感じがします。その点では、穂乃果の妹の雪穂と、絵里の妹の亜里沙がこれからどうなっていくのか気になる所です(といってもまだこの2人は学院に入っていませんけれど)。

 この話数だと、その姉達、穂乃果と絵里が2人きりで抱き合う場面とかがちょっと珍しい(?)でしょうか。(物語とは別に、)本作のファン投票などでは彼女達の人気は高いみたいですので、その辺りが取り入れられた、とかなのかな。
 陽の光が降り注ぐ芝生の上で9人が手をつないで横になっている場面では、穂乃果と海未とことり、花陽と凛、絵里と希、というように、同級生で、一緒にいる時間が長かった人達が隣り合っている構図になっています。μ’sを始める前のつながりの強さがここでは表れているのかもです。
 残るにこと真姫はというと、ちゃんと(?)寄り添っていますね。しかも他の人達よりも距離感が近いような。彼女達の場合は、学年も違いますし、1年前までは存在さえ知らない関係だったと言えそうです。それが今はこんなにお互いをわかり合える間柄になれたのですから、これからもっと親密になれそうに思います。

 といった感じで、穂乃果達のストーリーはさらに続いていくようです。本作はアニメ版以外でも、キャストの方達によるユニットが精力的にライブを行ったり、ソーシャルゲーム「~School idol festival」が300万ダウンロードを突破したり、PS Vita用ゲーム「~School idol paradise」が8月に発売されるなど、様々に展開しています。それと併せて、アニメ版の方ももっと発展していってもらえると良いですね。

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