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2014年6月20日 (金)

悪魔のリドル 第11話

 テレビアニメ「悪魔のリドル」、第十一問「『祝(ことほぎ)』と『呪(のろい)』の見わけ方」です。

 黒組に残っている生徒は、兎角、晴、鳰の3人だけ。溝呂木先生は授業を続けていますが、その声は、がらんとした教室にむなしく響くだけです。

 晴は、「黒組のゲーム」に勝った、という事なのでしょう。彼女に立ち向かってくる暗殺者達を、彼女は退ける事ができました(鳰はまだ予告票を持っていますけれど)。その結果が、この静かな教室と、机の上に飾られた花瓶の花なのですね。
(ところでこの花でちょっと気になっているのは、誰が持ってきているのか、だったりします。第9話で は、倒れた伊介と真昼/真夜に、純恋子が花を手向けていました。なので彼女が他の皆にもそうしていたのかと思ったのですけれど、ここでは彼女自身の机の上にも花が置いてあります(しかも百合の花、、、。彼女は公式サイトのビジュアルでも百合の花を持っています)。まあ実際にはそこにはあまり深い意味はないのかもですね。それよりも、飾られている花の種類が人によって違っていますので、それぞれの花言葉とか調べて比べてみると面白いでしょうか。)

 この後いったい何が起きるのかと身構えていると、「裁定者」の鳰から、「真オリエンテーション」の案内が告知されます。以前の「裏オリエンテーション」では参加者から外されていた晴も、今度は招待されています。
 真夜中、集まった彼女達の前にスクリーン越しに姿を現したのは、ミョウジョウ学園の理事長、百合目一(ゆりめいち)でした。彼女も晴と同じ「一族」の人間で、昔「ゲーム」に参加した事があるそうです(彼女は6日でゲームをクリアしたらしいです)。

 理事長の口から、黒組にまつわる謎が次々に説明されていきます。このクラスに暗殺者が集められたのは、晴を倒すためではなく、試すためだったのですね。彼女の「一族」に伝えられている「女王蜂」や「プライマー」といった能力と彼女自身との関係も明かされています。

 が、この場にいる人間でそれらについて知らなかったのは、兎角だけです。理事長も鳰も、当然晴も、黒組で毎日行われていた行為が何だったのか、何を目標にしていたのか、わかっていてそこに関わっていたのです。(17学園のカイバ先生でさえも事情は知っているようです。)
 自分だけが事実を知らなかった、また晴が事実を隠していた、というのは、兎角には少しショックだったでしょう。けれどそれ以上に、彼女を悩ませるものがあります。

 「なぜ自分は、暗殺を放棄して晴の『守護者』になったのか」、、、その理由が、晴の能力の影響だとしたら。そう考えると、兎角はなぜかつらい気持ちになってしまうようです。

 この辺りがもう百合的に良い感じですね。第1話で兎角は、夕暮れの教室で初めて晴に出会った瞬間、何かを感じました。その時の気持ちが強かったから、彼女は自分に与えられた任務をうち捨てて、暗殺者から守護者へと寝返りました。
 今の兎角は、自分が晴の守護者になったのが、晴の「プライマー」としての能力だったのかどうかが気になっている段階と言えそうです。でも重要なのはその先なのではないかと思えます。

 もし、兎角を動かしたのが晴の能力でないのだとしたら。彼女はなぜ、晴を暗殺者の魔の手から救おうとしたのでしょう?
 そこにはやはり、兎角が晴を慕う気持ちがあるのではないでしょうか。この女性を失いたくない、いつもそばにいたい、兎角はそう感じたから、晴を暗殺するのをやめたし、(特に第2話より後は)晴といつも一緒に行動するようにしたのでは。

 今の時点で兎角がそこに気づいていないらしい、というのもポイントのような気がします。暗殺者としての教育をたたき込まれてきた彼女には恋をする余裕なんてなかったという事なのかもしれません。その分恋愛に対してはうぶだったりしそう? しかも女の子同士でもありますので、彼女がこの感情に気づいた時、どう反応するのかが気になります。

 それから、晴の方の気持ちも気がかりです。表面的には、彼女は兎角ほど相手に入れ込んでいる様子でもなさそうなんですよね。彼女にとって兎角は単なるクラスメイトの1人なのか、それともかけがえのない人なのか、はっきりするのはこれからなのでしょう。

 晴には自分の素直な愛情を兎角に伝えてもらいたい所ですけれど、ここではそれを妨げるような要素も現れています。ミョウジョウ学園の地下深くにある「墓所」で、彼女は自分の立場を思い知らされています。
 プライマーの候補になったがために、彼女の周りではたくさんの人達が消えていきました。黒組の生徒達も例外ではありません。晴自身が望んでいてもいなくても、彼女の肩にはその人達の命や願いが重くのしかかっています。
 それでも彼女は自分のわがままとも言える気持ちを貫けるのでしょうか。彼女も決断を迫られているようです。

 そして、2人はもう一度出会うのですね。兎角は晴にとって思いがけない行動に出ていますが、兎角の中では、こうする事がお互いの関係をはっきりさせられる唯一の方法だったのでしょう。結果がどうなるのか、とても気になる所です。

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