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2014年6月 7日 (土)

悪魔のリドル 第9話

 テレビアニメ「悪魔のリドル」、第九問「胸の中にいるのは? (追試)」です。

 晴に暗殺の予告票を出したのは、伊介と真夜(真昼)の2人でした。晴の安全を確保するために、彼女を部屋に隠して外へ飛び出した兎角でしたが、このやり方は裏目に出てしまったようですね。
 これまでだと、第6話でしえなと柩が同時に予告票を出した事がありました。あの時は偶然だったようですけれど、今度はどうも伊介と真夜で相談して同じタイミングで出したっぽいですね。これは伊介が考えた作戦でしょうか。

 伊介は真夜に晴を襲わせ、自分は兎角と戦っています。この場合、真夜が晴を倒したらそれで真夜の勝ちが決まってしまいますから、伊介には損のような気がします。彼女がわざわざそうしたのは、真夜が簡単に晴を倒せないと確信していたから、なのかもしれません。
 伊介は、「裏オリエンテーション」が始まる前に、一度晴に仕掛けています。その時の経験から、晴がしぶとい女だと悟った、とも考えられそうです。
 それに対して、「東の東(ひがしのあずま)」と恐れられる暗殺者一族の娘、兎角が、実は今まで一度も人の命を奪った経験がないらしい、という事も伊介はわかっています。それなら、兎角を始末した後でもゆっくりと自分が晴を倒せる、と思ったのでは。
 以前、兎角に派手に殴られて、伊介は痛い思いをしています。その仕返しをした上で、晴も倒そう、と考えて、彼女はこの作戦を立てたのかもです。

 真昼/真夜は、とにかく晴を倒す事だけが望みのようです。暗殺が成功した時の報酬もいらないと言っているらしいですから、彼女の狙いは晴の命だけなのでしょう。
 そう考えるようになったのには、彼女の過去が関係しているみたいです。詳しくは描かれていませんけれど、小さい頃に彼女は、どこかに閉じ込められ、ひどい事をされ続けていたらしいです。
 非力で逃げ出す事もできなかった彼女が選んだのは、自分を「無」にする事、だったようです。自分がそこにいなければ、目の前の恐ろしい出来事も、感じているつらさも、何もない事にできる、、、。実際にはそんなはずはないのですが、そう思い込まなければ生きていけなかったのでしょう。
 その後彼女はその場所から抜け出せたようです。たぶんその時に、おとなしい真昼に暴力的な真夜という人格が宿ったのではないでしょうか。
 自由になれても、一度「無」になってしまった自分は簡単には満たせない。自分を補う方法として彼女が考え出したのが、「聖遺物」だったのかもです。
 これまで彼女がどれだけ殺戮を繰り返してきたのか、それとも晴が最初のターゲットなのかはよくわかりません。けれどとにかく、一刻も早く空っぽの自分を埋めなければ、と彼女は考えたのでしょう。彼女を満たすのにぴったりなのは、同じ年頃の少女である晴以外にない、と思ったのでは。それに、前回大浴場で見た晴の傷も、真夜の目を引いたのかも。彼女は、他の生徒達も傷を持っているかもしれない、みたいに言っていましたけれど、暗殺のターゲットである晴の傷の方が、彼女には価値が高かった、とも言えそうでしょうか。

 さて晴から引き離され、伊介と戦っていた兎角に大きなピンチが。その時、彼女の頭の中で、過去の記憶がよみがえっていますね。暗殺者になるために育てられていた彼女の身に何が起きたのか、「胸の中にいるのは」誰なのか、謎が明らかになっていきます。
(なお、この話数で兎角は「呪い」から解放されたみたいですが、それは物語にどう影響してくるでしょう。解放される事は暗殺者として成長した、とも考えられそうです。そのまま彼女は暗殺者の道を進んでいくのでしょうか、それとも他の生き方を手に入れられるのでしょうか。)

 一方で晴は、伊介から衝撃的な事を聞かされています。その後の彼女の反応が、彼女の中でその事がどれだけ重大かを物語っているように思えます。
 これまでは、第3話でもしたたかにサバイバルする姿を見せ、第5話ではどんな事があっても笑っていたい、とまで言っていた晴ですが、この時の彼女には笑顔などかけらもありません。立ち上がって反撃する事もできず、喪失感と悲しみにうちひしがれています。

 こういう反応をするのは、彼女の中で、兎角という女の子が他の誰とも違うとても大切な存在だから、なのでしょう。昔だったら、いえ、黒組に来てからもしばらくの間は、晴は自分の望みを一番大切にしていたように思います。彼女の望みは、黒組を無事に卒業する事、できれば他のクラスメイト達と一緒に、というものでした。そこでは兎角はたくさんいるクラスメイトの1人だったかもしれません。
 でも今は、兎角を失いたくない気持ちが、晴の中では大きくなっていると言えそうです。いつの間にそうなったのか、決定的な瞬間は、あまりはっきり描かれていない気もします。それでも少なくとも、晴にとっての兎角は、「人間の盾」などではないと思いたいです。

 最後の方で、兎角と晴が腕を組んで歩いている場面が描かれています。少し上目遣いで兎角を見上げる晴の表情が何というか、恋する女の子、って感じがします。こんな時、兎角には、何か気の利いたせりふでも言ってもらいたい所ですけれど、そうはなっていませんね。兎角は恋愛にはまだ疎いのかも?
 とにかく今は、彼女達は、一緒に寄り添っていられる事、一緒に生きている事が何よりの喜びなのでしょう。前回晴は、兎角をちょっと突き放すような言い方をしていたように思えます。が、実際にはそんな事はなくて、彼女達が結ばれると良いですね。

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