ご注文はうさぎですか？ 第６話

　テレビアニメ「ご注文はうさぎですか？」、第６羽「お話をするお話」です。

　あるお休みの日、朝から空は晴れ、チノはすがすがしい気分で目を覚ましています。こんな日は、趣味のボトルシップ作りに没頭して楽しい１日を過ごそう、と彼女は考えていました。
　そこへココアがやって来て、天気がいいから散歩へ行こうと誘います。チノはちょっとためらいますが、結局ココアと一緒に外へ出かけていますね。

　ココアとチノは、２人仲良く並んで歩き、見晴らしの良い坂道や、うさぎのたくさんいる公園など、あちこちへ出かけています。その間には、いろいろな人と出会い、お話をしています（マヤやメグ、シャロや千夜もいました）。
　もしチノが、ココアのお誘いを断ってボトルシップ作りをしていたら、こうはならなかったでしょう。趣味に打ち込むのも過ごし方の一つではありますけれど、それではチノにとってこれまでと代わり映えのしない、よくある１日でしかなかったのでは。

　チノは人見知りが激しく、出会ったばかりの人と親しく話すのは難しいらしいです（第１話に描かれていたココアとの出会いは特別だったのでしょう）。その上部屋に閉じこもりがちだと、人の輪を広げていくのは難しそうです。彼女には、外へ出て行く気持ちがもっと必要で、この日はそのための大きなチャンスだったのではないでしょうか。
　ココアに導かれて、チノはうまい具合に一歩を踏み出せたように思えます。ロゼという初対面（本当は違いますけど）の女性と会話できたのも、彼女の自信につながったのでは。これから少しずつでも人見知りを克服していければ、より多くの人達との楽しい関係を作っていけそうな気がします。

　後半では、チノの同級生のマヤとメグがラビットハウスへ遊びに来ています。リゼとココアの制服を借りて店のお手伝いをしてますね。
　チノは、ラビットハウスではココアやリゼと一緒に仕事をしていて、学校ではマヤやメグと一緒に勉強をしています。それぞれは別のグループでしたが、ここで皆が顔を合わせる事になりました。

　マヤはリゼとミリタリートークで盛り上がっています。またメグは、ココアの優しさと料理上手（限定的ですが）に憧れています。
　２組ともとてもスムーズに仲良くなれたようです。でも、その様子を見るチノは、なぜか複雑な気持ちになっています。

　マヤとメグを抱き寄せたココアは、２人が自分の新しい妹だとリゼに紹介しています。この時、脇で見ていたチノはどう感じたでしょうね。
　ココアが最初にラビットハウスに来た日、彼女はチノを抱きしめ、初対面なのに急に距離を縮めてきました。そしてチノを自分の妹だと言い出しています。チノはちょっと迷惑がる様子を見せていましたが、他の子が同じ事をされると、ちょっと切なくなっているようです。

　ココアって、年下の女の子がいたら誰にでも同じ事しちゃうの？　とか、優しい言葉やふれあいは私にだけしてくれるものじゃなかったの？　みたいに、チノは思っていたりするでしょうか。しかもこの場合、メグはココアに憧れていますから、ココアは自分よりメグを選んでしまうんじゃないかと、胸が締め付けられるような気持ちになっているのではないでしょうか。

　この思いを何と呼んだらいいのか、これまであまり人と深く関わってこなかったらしいチノにはよくわからなかったようです。そこにはっきりと答えを 示してくれたのは、青山ブルーマウンテン先生でした（本当は千夜にいい所を見せてもらいたかったですけれど、ここは演出的に先生に譲った感じでしょうか？ 　千夜の優しさと包容力は、別の機会にでも発揮してもらえるのを期待したいです）。
　「嫉妬」なんてずばり言っちゃってますけど、それぐらいの方がチノにもちゃんと伝わるのかもしれません。たくさんの人とつきあうようになると嫉妬してしまう場面もありますが、それを知った上でうまく対処できるようになれれば、心配はいらないのでしょう。
　それにチノは、思わず焼き餅を焼いてしまうぐらい、ココアやメグ達が大好きなんですよね。彼女にはその愛情を育てていってもらいたいものです。

　またココアの方も、マヤやメグとチノが仲良くしているのを見て、ちょっと焼き餅を焼いています。彼女のチノへの愛情も、他の誰よりも深いのでは。だったらこの際、ココアとチノにはもっと強く結ばれていってもらいたいかもです。

　といった感じで、百合的には進歩があったような気がします。これまではなかなか女の子同士の関係が発展していかない感じでしたけれど、これからはもっと期待できそうでしょうか？

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