悪魔のリドル 第6話
テレビアニメ「悪魔のリドル」、第六問「綺麗な花には□□がある」です。
ミョウジョウ学園の創立祭が始まりました。学生数の多い学校だけあって、人でも多くてにぎやかですし、出し物もたくさん用意されているようです。
その中で、10年黒組の演劇、「ロミオとジュリエット」は前評判が高いですね。美人揃いのクラスが披露する恋物語に、生徒達(特に女生徒?)は注目しているみたいです。
(前回第5話のバトルの影響で黒組の演劇は行われないのかと思ったのですけれど、そうではなかったようです。前にも書きましたように、兎角のような暗殺組織の人間は人前に顔をさらすのを嫌がるのではという気もしますが、特に本人達は気にしていないっぽいですね。)
演劇が行われる前夜、晴に暗殺の予告票を出そうとする者が。それは剣持しえな、、、でしたが、何だか思うようにはいっていません。
しえなはどういう手口を使う人なのでしょうね。第5話では、演劇の指導をしながら、台本に黒組メンバー達の特徴をたくさん書き込んでいました。
特に注目していたのは、生田目千足と、桐ヶ谷柩だったような。この2人について、利き腕や携行武器の予想などが書かれていました。
黒組に集められた暗殺者達のターゲットは晴ですから、とにかく晴と、彼女を守護すると宣言した兎角についてだけ調べられれば良いようにも思います。しえなが千足と柩を探っていたのには、何か別の理由がある?
といっても前半のような展開になってしまうと、彼女の本当の狙いはもう聞けなさそうです。月刊Newtypeに連載中の原作コミックだったら、もしかしたらその部分を詳しく描いていくでしょうか。アニメ版は原作とはまた別の展開になっていますので、しえなの扱い方も違っていたりするのかもです。
さてこの話数では、物語は千足と柩の関係がメインになってきます。最初の場面では、2人の出会いも描かれています。
千足が柩を見かけたのは偶然でしたが、最初からお互いの印象は良かったみたいです。2人とも自然と笑顔になり、柩がミョウジョウ学園へ生きたがっていると知ったら、千足はすぐに彼女を案内しています。しかも手をつないで。
もうこの頃から、彼女達のスキンシップは始まっていたんですね。第4話でも手をつないでお手洗いから出てきていましたし。何をするにも2人は一緒で、どちらかが1人でいると周りは珍しがるほどです。
創立祭の演劇で、千足がロミオ、柩がジュリエットの役になったのも、彼女達がお似合いの組み合わせだったからなのかもです。しえなは千足に男役を徹底させようとしますが、柩だけは彼女を「かわいい」と言っていて、そういう部分からも、彼女達2人の特別な関係が感じられます。
普通のクラスだったら、彼女達は特別仲の良いクラスメイトという間柄で、日々を過ごしていけたでしょう。ですが彼女達がいるのは、黒組。暗殺者とターゲットが同居する異常な空間です。
だから千足は最初、不思議に思ったのではないでしょうか。一緒にミョウジョウ学園に来た柩が、他の一般のクラスではなく、自分と同じ黒組に入った事を。背も低く非力な、暗殺者とはほど遠い彼女は黒組にはふさわしくない、という事を、千足は以前から言っていますね。
実は柩も、千足と似た考えを抱いていたのではないでしょうか。誠実で裏表がなく、深い思いやりを持つ千足が、暗殺者だなどとはとても思えなかったのでは。
そうやって日々を過ごす中、やがて柩は、千足が黒組に来た本当の理由を知ります。この時の彼女は普通に受け答えしているように見えますが、たぶん胸の中では、とても強い衝撃を受けたのだろうという気がします。
柩がどういういきさつで、暗殺者のひしめくこのクラスに来たのか、またその前はどういう考え方をして生活していたのか、詳しくは描かれていません。けれど、彼女が限りなく行ってきた仕業の中の取るに足りない一つが、千足の人生をねじ曲げ、千足に無用な苦しみを背負わせてしまったんだと、彼女は思い知らされたのでしょう。
千足の口から「エンジェル・トランペット」の言葉を聞いた後、場面としては描かれていませんけれど、柩は深く考えたのではないでしょうか。その結果が最後の場面に表れているのかもです。
それと、柩が鳰に言付けた「報酬」にも意味がありそうです(彼女が千足の身の上を聞く前と聞いた後、どちらのタイミングで決めたのかも含めて)。あの報酬には、過去をすべて洗い流そうとする気持ちと、千足への愛、その2つが込められているように思えます。
もう一方の千足はというと、まっすぐに自分の目的を果たそうとしています。たった一度会っただけの、別に義理を感じる必要のない女性のために、自分の人生をかけて彼女は復讐しようとしています。
黒組の生徒に対して毒が使われたと聞いた千足は、自分が追い求めていたターゲットがここにいると確信しました。誰が「エンジェル・トランペット」なのか、千足は考えを巡らせます。
が、その人物が柩だとは決して思わないのでよね。黒組に似つかわしくないと考えていた晴の事さえ疑っているのに、柩については全面的に信頼しています。ここに千足の柩への思いが表れている気がします。
これまでのエピソードでは、1話の中で、黒組の暗殺者の誰かが晴に予告票を出し、兎角との戦いが繰り広げられ、その後黒組のルールに従ってステージアウトさせられて、エンディングではそのキャラの歌う曲が流れる、という展開が続いていました。ですがここではそれがかなりひっくり返されている感じです。1クールの折り返しに近いこの話数でこういうストーリーになると、この後どうなっていくのかさらに気になってきますね。
百合的には、柩と千足の関係がやはり大きいのではないでしょうか。常に一緒にいるのに本当の自分をさらしていない、けれど胸の奥ではお互いに強く結びついている、というのが印象的です。場面的にはもっといちゃついてもらいたいかもですけれど、これぐらいの間柄の方が良いのかな。
それから、兎角と晴の関係も何かちょっと変化しているように感じます。晴に向かって絶対に「守る」と言い切る兎角の言葉を聞いて、晴は頬を染めて少し嬉しそうにしています。彼女達の距離は近づいてきている?
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