悪魔のリドル 第5話
テレビアニメ「悪魔のリドル」、第五問「籠の鳥を外に出すには?」です。
ミョウジョウ学園では創立記念祭が近づいています。黒組では、溝呂木先生の提案で「ロミオとジュリエット」の演劇をする事になりました。
暗殺者として組織に属している兎角や、報酬をもらって仕事をこなしている寒河江春紀(さがえはるき)などにとっては、人前でおおっぴらに顔をさらすのには不都合がある気もします。が、黒組の生徒達は別に反対していない様子です。実際の上演ではどうなってしまうのか、と思っていたのですが、結局どうなったかというと、、、最後の場面での溝呂木先生の反応がすべてを物語っているかも?
この話数では、春紀が、暗殺の予告票を晴に突きつけています。机に忍ばせるとかじゃなく本人に直接見せているのは、晴と直接対決して、早く決着をつけたいと考えていたから、なのでしょうか。
その場合、邪魔になるのは兎角です。春紀は彼女に相談を持ちかけますが、といった辺りからだんだんバトルへと向かっていくのですね。
春紀は、「晴を解放する」といった事を言っています。この「解放」という言葉が、ここでは重い意味を持っているようです。それは晴にとってだけでなく、春紀自身、それに兎角にも関係してきています。
冒頭の場面では、兎角の子供の頃の回想が描かれています。彼女はには親がなく、祖母に育てられていたそうです。とはいっても、「東の東(ひがしのあずま)」と呼ばれ恐れられるほどの暗殺者の家系です。人並みの生活などはできなかったでしょう。
春紀の家にも事情がありました。たくさんの弟や妹達を養っていかなければならなかった春紀は、その貧しさ故に、暗殺という非道に踏み込んでいったようです。年下の家族におなかいっぱい食べさせるために、血で汚してしまった自分の手は、いくらきれいなマニキュアで飾っても、二度ときれいになる事はありません。家族が笑顔になるたびに重く沈んでいく自分を、彼女はどうにかしたいと悩んでいたのでしょう。
その気持ちが強まって、彼女は一つの決断をします。その結果は、、、偶然なのか、無意識の内に仕組んでいたのか、春紀が頭で考えていたのとは違った状況になったようです。
これは、彼女にとって救いになったのでしょうか? 何も変わらないようにも見えますが、どう感じるかは彼女次第なのでは、と思えます。
最後の場面で、晴は兎角にそっと触れています。これは親愛の表れ、ともとれそうですが、それ以外の意味もありそうです。
途中の大浴場の場面で、晴は、「どんな事があっても笑っていたい」と言っています。それに対する春紀の問いかけは、兎角にとっては重苦しいものだったのではないでしょうか。でも、晴はその場では反論していないんですよね。つまり、春紀の言った事が当たっていると無言で認めたようなものです。
第2話で鳰が言っていた、「最新版人間の盾」という言葉は本当だったのでしょうか。このタイミングだと、晴が兎角に優しくすればするだけ、兎角が盾にされているように見えてきてしまいます。晴の本当の思いはどんなものなのでしょうね。
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