桜Trick 第１０話

　テレビアニメ「桜Trick」、第１０話「Trick 10-A 雪の日と思い出と衝撃」、「Trick 10-B 体育倉庫でお約束」です。

　前半では、雪の日のエピソードが描かれています。午前中に雪が降り始め、お昼になる頃には校庭も一面に白くなっています。
　こうなると一番子供のようにはしゃいじゃうのは優、と皆思ったのですが、本人はあまり機嫌が良くありません。理由は、外で体育ができないから、、、。やはり彼女はお子様なのかも？

　雪を見てときめいているのは、春香、それにしずくですね。外でお昼ご飯を食べようなんて無謀な事を言い出しています。
　ゆず達は反対しますが、春香としずくはかまわず出て行ってしまいます。すると優とコトネが、という反応が、彼女達らしい感じです。

　案の定、外は寒くて震えが止まらないほど。これでは食べるどころじゃなくなってしまいます。
　けれど、これも一つの大切な思い出になるのでしょう。美里西高校は３年後に廃校される予定になっていて、春香達は最後に残る学年です。彼女達の経験は、この後もう後輩に引き継がれる事はありません。そう考えると、寒さに震えたこの時間も、大切なものに思えてくるのではないでしょうか。

　また、しずくには特に、高校生活にこだわる気持ちがあるようです。今一緒に暮らしているコトネは、高校を卒業したら結婚させられるのだとか。今のしずくにとっては、学生でいられる今だけが、コトネを近くに感じていられる瞬間なのでしょう。

　どんな事でも一つ一つ胸に刻んでおきたい、そんなしずくの願いを、コトネは知っているのでしょうか、、、という所で、しずくの前に、思っている人が現れます。コトネだって、思いはしずくと同じ。お互いに通じ合えているとわかった２人は、自然に唇を寄せていくのですね。
（校庭であんな事をしていたら誰かに見られちゃうのでは、と思ってしまうのですが、たぶん大丈夫なのでしょう。）

　その後、雪で遊ぶしずく達の姿は、青春、って感じです。しずくとコトネは、一緒にいられる今を精一杯生きようとしているのかもしれません。彼女達には、これから先学校を卒業してもずっと寄り添っていられるようになってもらいたいものです。

（ところで、美里西の場合、春香達の下の学年がないため留年すると退学になるのではないかと言われています。仮にコトネが留年とか退学になったらどうなるのでしょう。即結婚させられてしまうのでしょうか。それとも、相手方から「留年するような娘とは結婚できない」と言われて婚約が破棄される、とか。そうなるとしずく達には嬉しい出来事かもですけれど、これはまああまり良い方向性ではなさそうですね。）

　というエピソードが描かれていく中、楓は１人寂しく(?)委員会の仕事をしています。その時彼女は、優の姉で生徒会長の美月に、春香と優の関係について尋ねるのですが、、、これは美月にとっては「衝撃」だったようです。この話数の中ではその後彼女がどうしたかはほとんど描かれていませんけれど、このシリーズの中で、彼女の気持ちを描くストーリーが語られていくのでしょう。そこで彼女がどう振る舞うか、という所に百合テイストが表されてくるのかもです。

　後半のエピソードは、「体育倉庫」が舞台になっています。体育倉庫といえば閉じ込められて「２人きり」というパターンが「お約束」のようにも思えますけれど、ここでは春香だけが１人にされてしまいました。
　優は何とかして彼女を助けようとしています。楓とゆずに手伝ってもらって、窓から倉庫の中に身を乗り出し、春香の無事を確かめます。、、、が、春香が急におねだりをし始めてます。
　こんな状況なのに、というかこんな状況だから何か火がついてしまったのかも？　１人きりで取り残されていた所に、一番会いたい人が颯爽と助けに来てくれたら、どうしてもときめいちゃいますよね。
　優も、無事な春香の姿を見られて嬉しかったのでしょう。皆にばれちゃうかも、という危険性よりも、春香とのふれあいの心地よさを選んだようです。

　そしておまけエピソードは、「笑って♡理奈ちゃん」というタイトルで、生徒会副会長の理奈がフィーチャーされています。いつも穏やかな笑顔を見せている彼女の、別の一面があらわになっている？

・「桜Trick」レビューリスト