2014年1月から放送中のアニメ作品の百合ポイントなど
この頃放送されているアニメ作品について、ここでは幾つかレビューを書いています。例えば、「桜Trick」、「咲-Saki- 全国編」、「ハピネスチャージプリキュア!」といった所です。
実はそれ以外でも、百合テイストがあるかなと思って見ているものもあったりします。けれどなかなか単体で記事にできなかったりしています。ここではそういったものについて少しまとめて書いてみたいと思います。
・「未確認で進行形」
(今まで第1話と、第3話から第9話までを見ています。)
原作は、一迅社発行の「まんが4コマぱれっと」に連載中の、荒井チェリーさん作のコミックで
す。高校生の夜ノ森小紅(よのもりこべに)は、姉で同じ高校の生徒会長を務める紅緒(べにお)と、母親の茜(あかね)と、女性3人で暮らしています。そこ
へある日、三峰白夜(みつみねはくや)という同い年の男子と、妹の真白(ましろ)が現れます。真白によると、白夜と小紅は許嫁の関係で、これから一緒に暮
らすと言うのです。こうして、小姑に当たる真白も加えた5人の生活が始まるのでした。
百合目線で見ているからなのかもですけれど、小紅と白夜の関係はちょっとあやふやな感じもします。夜ノ森の家で絶対的な力を持っていた小紅の祖父の一声で、小紅の婚約は決められました。それに、小紅は小さい頃白夜に命を救われた事があるのだそうです。
でも、命を助けられたから結婚を承知しなきゃいけない、というのはちょっと理不尽にも思えてしまいます、、、。それに白夜も、自分が結婚したいと申し出
ている相手に対して、隠し事が多すぎるような。最初の頃は、自分達が人間ではない事を小紅達には言いませんでしたし、第9話の時点でもまだ何か打ち明けて
いない事があるっぽいです。それに、自分が変化した姿(もしくは本当の姿?)を、小紅には決して見せようとしていません。これでは信用したくてもできない
気もします。
とはいっても、小紅自身がそれでもいいというなら別に問題はないのかもです。一緒に暮らしている内に彼女は(人間の姿の)白夜が気になってきているみたいですし。
誰も逆らえない祖父が決めた許嫁で、自分の命の恩人で、相手も是非自分と結婚したいと言っているのだから、もうどうしようもない、という流れで結婚する
のは、自分には何の責任も発生しない状況でもあり、楽な選択ではあるのでしょう。でも、姉や母親のような高いスキルを持っていなくて、体も弱いし運動も苦
手、できるのは料理ぐらいだし、このままお嫁さんになるのが自分には一番なのかも、というのは消極的すぎるような。そういった物事を全部取り払った上で、
それでも結ばれたいと願えるぐらいの気持ちが、必要になってくるようにも思えます。
それに、白夜自身の気持ちもあまりはっきりしていない気がします。白夜は、小さい頃から小紅と結婚するつもりでずっと育ってきたそうですが、それが恋愛
的な意味でなのかどうかが描かれていない感じです。ある場面で小紅は、自分に対する白夜の行動を見て、飼い主になつく犬のような印象を抱いているみたいで
した。もしそれが本当なら、小紅が思うような気持ちで白夜は彼女を思ってくれていないのかも、と考えられそうです。
百合な部分としては、紅緒の存在がやはり大きいですね。紅緒は美貌と才能の持ち主で人望も厚く、生徒会の仕事をきちんとこなし、学校では男女問わ
ずたくさんの生徒(特に女子)から慕われています。(また番組的にも、サブタイトルに紅緒のせりふが割と多く使われているのはポイントかも。彼女が印象的
なせりふを言うから、ではありますが、それが採用されるという事は、作品の中での彼女の存在の大きさを示しているのでは。)
一方で、家へ帰れば妹の小紅を溺愛し、真白達が一緒に暮らし始めると、今度は真白もこよなく愛でるようになります。そのやり方はちょっと行き過ぎとも思
えるもので、真白は身の危険を感じちゃう事もあり、そのため紅緒を避けようとするほどです。(でも、紅緒からお茶会への招待状をもらってちょっと嬉しく
なったり、紅緒が買ってきた下着を気に入って早速身につけていたりもしますね。)
といっても紅緒がこういう反応をするのは、小紅と真白に対してだけみたいです。それに、生まれた時から紅緒と一緒にいる小紅が、立派に(?)高校
生として成長しているのを考えると、妹を育てる範囲では、妙な事はしないで普通にできているのでは、という気がします。紅緒って、ちゃんとすべき場面をわ
きまえて行動できる人なのかもしれません。
学校で誠実に生徒会長の役割をこなす紅緒も、彼女の本当の姿の一つなのでしょう。たとえ頭の中が妹の事でいっぱいでも、彼女は生徒会の仕事を放り出した
りはしません(たまに副会長の鹿島撫子(かしまなでしこ)にたしなめられたりするみたいですけれど)。彼女が小紅や真白を愛でるのは、やるべき事をやった
上で、らしいです。
そんな紅緒に憧れる女の子達は多いですけれど、紅緒は彼女達に手を出したりはしていないようです。書記の末続このは(すえつぎこのは)と最初に会った時も、別に下心などなくこのはを助けています。
生徒達の中には、「ちっちゃい」とか「妹」みたいな属性を持った女の子はたくさんいるでしょう。ファンの女の子なら、紅緒と深い関係になってもいいと考
えている人も少なくなさそうです。それでもそちらへ行かずに小紅や真白を愛でる紅緒は、本当に彼女達を愛していると言えるのではないでしょうか。
途中の話数で、紅緒が、小紅を白夜と結婚させるのを「やっぱり嫌!」と言って号泣する場面があります。許嫁について小さい頃から知らされていた紅
緒は、祖父の言いつけには逆らえず、ここまで黙って従ってきたのでしょう。白夜達が実際に現れた時も相手方を受け入れる雰囲気でした。けれど、結婚がだん
だん現実的になってくると、やはり自分の気持ちに嘘がつけなくなったのでは、と思われます。
本当の意味でどこの誰ともわからない相手に、愛する妹を差し出さなければならないという決め事を、彼女には打ち砕いてもらいたいものです。そして小紅にも是非、周りからの圧力で動くのではなく、自分の意志で未来を選んでもらいたいですね。
・「中二病でも恋がしたい! 戀」
(今まで第1話から第9話までを見ています。)
昔、自分には「邪眼」系の能力があると信じて「中二病」に染まっていた富樫勇太(とがしゆうた)は、高校入学とともにその妄想からすっかり卒業し、普通
の学校生活を送るはず、でした。が、そこに現れた小鳥遊六花(たかなしりっか)は正に「中二病」のまっただ中。でも勇太は六花を放っておけず、やがて彼女
に惹かれていくのでした。第1期では勇太と六花が結ばれるまでが描かれていたようで、この第2期ではその後のストーリーが語られていきます。
いろいろあって、勇太は自分のマンションの部屋で六花と一緒に暮らす事になります。お目付役(?)として勇太の妹、樟葉(くずは)も同居していま
す。学校では、2人は「極東魔術昼寝結社」という同好会に所属しています。そこには六花の「サーバント」として仕える凸守早苗(でこもりさなえ)や、昼寝
が大好きな先輩の五月七日くみん(つゆりくみん)がいますし、同じく昔「中二病」をわずらっていた「モリサマー」こと丹生谷森夏(みぶたにしんか)も頻繁
に顔を出します。さらには、昔の勇太の仲間、「魔法魔王少女ソフィアリング・SP・サターン7世」こと七宮智音(しちみやさとね)も物語に関わってきま
す。
そんな感じで勇太の周りにはなぜか美少女がいっぱいいるのですが、別にハーレム状態になるわけではなく、基本的に勇太のお相手は六花だけらしいです(智音はやや怪しいですけれど)。この第2期でも、2人のいちゃつきが折に触れて描かれています。
百合的なポイントになるのは、森夏と早苗の関係ですね。早苗はモリサマーを崇拝し憧れているのですが、森夏は既にその名前を捨て過去を封印しています。それでも自分がモリサマーだったと言う森夏を、早苗は「にせサマー」と呼び、学校では常にけんかをふっかけています。
それでは2人は完全にすれ違っていてわかり合えないのかというと、そうでもない感じです。第4話では、森夏が封印していた腕飾りを早苗が見て、彼
女が本当のモリサマーだと気づきます。そこから早苗は森夏に従順になり、ありったけの思いで相手に尽くそうとしています。が、森夏があまりにも過去を隠そ
うとするので、結局はにせものだと思い直してしまうようですね。
他に第8話では、本当のにせサマー(ややこしい)が登場し、早苗を誘惑しています。最初森夏は、自分には関係ないと言って関わろうとしませんでしたが、危うい様子の早苗を放っておく事ができず、彼女を救おうとしています。
森夏は、第4話で早苗のピュアさに胸を打たれています。早苗も、本当は(モリサマーではなく)森夏の事が気になっているのではないでしょうか。に せものが嫌いなら相手にしなければいいのに、毎回わざわざ森夏につっかかっていくのは、本当は自分を見てほしいから、なのかも。
第8話の事件の後、結果的に2人はまた元の関係に戻ったようです。一つだけ違っているのは、2人とも、自分は相手に嫌われていないんだとわかった、という事だと言えそうです。
でもこうなってしまうと、いくら表向きはけんかをしていても、本当は嫌われていないんだよね、と、2人とも妙に安心してしまいそうな気もします。そうなったら、彼女達はいつも「仲良くけんか」する関係で、それ以上に発展する可能性は低くなるようにも感じられます。
それが彼女達にとって良い事なのかどうか、が気になります。ここでお互いの気持ちをはっきりさせなかったばかりに、後で悔やむ結果にはならないでもらいたいものです。
後になって本当のにせサマーが逆襲してきたりすると、森夏と早苗の結びつきが強くなりそうにも思えますね。本当のにせサマー本人ははっきりと早苗 への愛情を自覚しているみたいですし(そのために「マビノギオン」を読破できちゃうほどです)、彼女を相手にしていく中で、森夏と早苗がお互いへの気持ち を通じ合えるようになると良いかもです。
といっても、この後はたぶん勇太と六花(と智音も?)の関係がクローズアップされていくのでしょう。この2人が主人公になっている作品の中で、こ こまで森夏と早苗が取り上げられるのは、エピソードとしては多い方とも考えられますし、もう彼女達の関係を進展させるエピソードはない?
この他には、割と女の子同士がふれあうカットが多めに描かれている感じがします。寝ている時に早苗が森夏にしがみついていたり、2人きりの時に智音が六花をハグしたり、という場面があります。
といってもそこにはあまり恋愛感情的なものはないみたいです。サービスショットだったり?
(そういえば、森夏と早苗はクリスマスの時にキスをした、と言われていますね(第1期での出来事でしょうか)。その辺りの描かれ方もどんななのか気になります。)
思い出してみれば、本作のバナー画像の一つ(今の公式サイトトップで、ページの一番下の中央ぐらいにあります)にも、六花と智音が、くっつきそうなぐら
い顔を近づけているイラストが描かれています。こういうのがあると百合を期待したくなってしまいますけど、実際にはどうなるでしょうか。
・「Wake up, girls!」
(今まで第1話から第10話までを見ています。)
仙台にある弱小芸能事務所、グリーンリーヴズエンターテインメントは、新しくアイドルユニットをプロデュースします。ユニット名は「Wake up,
girls!」で、メンバーは7人。様々な個性や事情を抱えた彼女達の中には、国民的人気アイドルグループ「I-1
Club」でかつてセンターをつとめていたものの事情があって脱退していた島田真夢(しまだまゆ)もいました。
テレビ版の放送開始と同時に劇場版も公開されています。時間軸としては劇場版の方が先で、Wake up, girls! (略して「WUG!」、または「ワグ」とも呼ばれています)が結成され初めてのライブが行われるまでが描かれています。
前に別の記事にも書きましたように、彼女達は様々な形で周囲から干渉されています。自分達の居場所を保ち続けるために、彼女達が団結して立ち上がるエピソードが、最初の方では割と中心になっていました。
この状況だと、ユニットの中でお互いの関係をじっくり見つめるチャンスが少なくなって、百合な展開も期待しづらくなるかなという感じもありました。でも話数が進むにつれて、メンバー同士がぶつかり合い、新しい関係を築く展開も出てきていますね。
例えば第7話では、皆についていく自信をなくした林田藍里(はやしだあいり)が、ワグをやめさせられそうになり悩む場面があります。真夢とリー
ダーの七瀬佳乃(ななせよしの)が藍里の家へ行き、話し合う内に、皆の思いが一つだとわかり、藍里と佳乃が泣きながら抱き合いお互いの存在の大切さを実感
しています。こんな風にして、彼女達はより強い絆で結ばれていくようです。
といっても百合な恋愛的な雰囲気までは行っていないっぽいですね。今の彼女達は、「アイドルの祭典2014」に出場して上位に入り、I-1
Clubと競ってクイーンレコードからメジャーデビューして、というように、かなえたい夢がたくさんあるみたいです。7人とも、恋愛をしている暇さえないのかもです。
第7話の後の次回予告では、真夢と佳乃がよく一緒にいる、と周りから指摘されています。アイドルの世界を知っている真夢と、皆のまとめ役の佳乃が、ユニットの事で相談し合う場面は多いでしょうから、そこを見ていた他のメンバーがちょっと不思議に思ったのかも。一緒にいる時間が長くなる分、より親しくなっていけそうな気もしますけれど、番組中ではそういう流れはなさそうでしょうか。
少し気になるのは、ワグに楽曲を提供している2人組のユニットのアンナとカリーナの関係とか。彼女達は、ワグのメンバーが言いたい事をもっと言い合える
ように、「ちゃんとけんかしてる?」とアドバイスしてくれています。自分達の間でも、けんかしながら仲良くなっていった経験があるから、そう言っているよ
うです。彼女達は、登場する時は常に一緒にいますので、仕事でもプライベートでも仲良しなのかもしれません。
後は、I-1 Clubとの関わりが強くなってくるとしたら、真夢と、2代目センターの岩崎志保(いわさきしほ)との関係や、I-1時代に真夢が仲良くしていた同期の吉川愛(よしかわめぐみ)とのつながりなども描かれる可能性もあるでしょうか。そこで何か女の子同士のふれあいがあると盛り上がっていくかもです。
といった感じで、たぶん他にも、百合エピソードがあったり百合キャラが登場する作品はけっこう多くなってきているのでは、と思われます。これからも百合テイストのある作品が、さらにできれば百合メインの作品が増えていくと良いですね。
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