桜Trick 第５話

　テレビアニメ「桜Trick」、第５話「Trick5-A お姉ちゃんとお茶しよう！」、「Trick5-B 魔女とリンゴとお姉ちゃんと」です。

　サブタイトルにもあるように、優の姉で生徒会長の美月がどちらのエピソードにも登場しています。何か第３話、第４話から続いて美月が大きく取り上げられている感じですね。このテレビシリーズでは、春香と優と美月、３人の関係をテーマにしているのかもです。

　美月は、１年生達にけっこう親しまれているような気がします。優や春香はともかくとしても、ゆずや楓達は美月に気さくに話しかけ、放課後にカフェに誘ったりもしています。
　２学年上の先輩でしかも生徒会長といったらちょっと緊張しちゃいそうにも思えます。もしかしたらそういう差を感じさせない柔らかさが、美月の周りにはど ことなく漂っているのかもしれません。１年生の前で取り乱す事が多いのも、ゆず達にはかわいらしく見えているんでしょうね（取り乱すのはそばに春香がいる 時だけ、なのかもですけど）。
　それに、生徒会の役員達からもかなり慕われているんですよね。頼りがいも、かわいらしさもある美月は、周りの人達には魅力的に見えるのでしょう。

　美月を呼び出した春香、ゆず、楓の要件は、文化祭で自分達が上演する「白雪姫」に一緒に出てもらいたい、というものでした。クラスどころか学年も違う人をクラスの出し物に参加させるなんて突拍子もない事のような気もします。
　彼女達がそうしようと思ったのは、実は優のためだったんですね。姉と一緒に迎える最初で最後の文化祭、同じ出し物を姉とやりたい、と優は皆の前で言っていたようです。

　その願い自体はやや無謀な事ですし、別に聞き入れられなくてもかまわないように思えます。でも楓達は、優の願いを実現してあげようと立ち上がっています。
　彼女達の胸の中にあるのは、優への優しさと、学校生活へのセンチメンタルな気持ちなのかな、と考えたりします。お子様っぽいけれどかわいらしくて放って おけない優の、小さな願いを聞き届けてあげよう、という思いと、３年後には廃校になる母校、美里西高校で、少しでも多くの思い出を残しておきたい、という 気持ちがあるのかな、と。物語の主題ではないとしても、こういう優しい気持ちが背景にあると、どこか穏やかな感覚で作品を見られる気がします。

　作中ではコミカルなエピソードもちりばめつつ、結局美月は春香達の劇に参加する事になるでしょうか。次回第６話は文化祭回になるみたいですから、そこでまたいろいろ事件が起きるのでしょう。

　ところでこの第５話では、最後に「今日のしずくちゃん」というコーナーが突然流れていました。内容は、しずくのサービスシーン？　尺が余ったから入れてみた、というわけでもない？
　このアニメ版って、最初からそうでしたけれどけっこうお色気分が多い感じがしますね。原作コミックではここまでではない雰囲気ですので、アニメ版で意識してそうしているのでしょう。百合テイスト以外にもアピールポイントを用意している、という事でしょうか。

　さて百合としては、、、優の気持ちの動きがなかなかですね。優は、春香が黙って先に学校を出た事にショックを受けています。春香はそんな事絶対に するはずがないのに、とか、春香の興味が自分以外のものに移っちゃったんじゃないかとか、いろいろ考えてしまったんでしょうね。
　結局、春香が優へのサプライズをするつもりで内緒にしていた、という事は優には伝わらなかったみたいに見えます。なので優は一生懸命春香の気を引こうとします。
　彼女がどうしたかというと、、、餌付け？　春香は手の内をお見通しだったようですが、わざと優に乗せられています。
　そうして物陰に入った２人は、という感じですね。優は、春香を気持ちよくさせて彼女の気を引きたい、と思うのと同時に、自分も春香と気持ちよくなりたい、と思ったのでしょう。

　後半のエピソードでは、教室の中で。男子も女子もいる中でする、というのも刺激的なのでは。クラスメイト達の他愛のない話し声も、この瞬間の彼女達にとっては心地よい行為のBGMになっているのでしょう。

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