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2014年1月 8日 (水)

コミック百合姫2013年11月号

 発行一迅社コミック百合姫の2013年11月号を見てみました。

 表紙イラストを担当されるのは、浜弓場双さんです、、、が、それもこの号までとなりました。その分、華やかな仕上がりになっているかもですね。

 場面は、文化祭の後夜祭か何かでしょうか、宵闇の中、遠くに組まれたやぐらでキャンプファイヤーの光が揺らめいているのが見えます。手前には、制服姿の女の子が2人、並んでたたずんでいます。彼女達はお互いに向き合い、相手の瞳をじっと見つめています。髪をゆるく結んだ右側の子が、ポニーテールにしている左側の子の頬に手を添えています。右の子の薄く開いた唇が、もの言いたげでもあり、何かをしようとしている一瞬を切り出している感じが出ています。また、これまでの表紙イラストに出てきた女の子達と同じように、2人がハートマークの髪留めをつけているのがポイントですね。
 イラストは横置きになっていますが、これは今号の「仕掛け」と関係があるようです。表紙は折り込まれていて、広げると縦置きのイラストになっています。2人の頭上に、大きな打ち上げ花火が幾つも開いている様子が見られます。なかなか迫力があります。

 でもこれだけではないのですね。表紙を裏返すと、その直後の2人の様子が見られます。ベンチに座って見つめ合っていた彼女達は、熱いキスを交わしています。さらにその上には、校舎の2階も描かれています。そこにはたくさんの女の子達がいて、2人のキスを目撃しちゃってます。
 女の子達の反応は様々です。大喜びで祝福している子、恥ずかしくて真っ赤になっている子、うらやましそうに(?)じっと見つめている子、、、。皆それぞれに、2人の女の子同士の恋路をきちんと受け止めているようです。ドラマティックで感動的な流れですね。

 この他、巻中のカラー企画では、百合な雰囲気のあるアニメ作品が紹介されています。「ANIME SUMMER FES.2013」というタイトルで、音楽雑誌の特集記事っぽい文面とともに、作品のカットがいろいろ掲載されています。取り上げられているのは次の作品です。

ラブライブ! School idol project
AKB0048 second stage
戦姫絶唱シンフォギアG

(この頃の作品だと、他にも「アイカツ!」や「ドキドキ! プリキュア」(キュアソードこと剣崎真琴はアイドル活動をしています)といった所もありそうです。けれどここでは取り上げられていないようです。)

 たくさんの女の子達が集まり、切磋琢磨しながら同じ目標に向かって進んでいく中で、夢を分かち合った女の子同士が特別な関係になる、という辺りに百合テイストがありそうです。「恋愛禁止」という決めごとがあったりするのも、女の子同士の恋愛のカラーを強めていくスパイス(?)になったりするのかもしれません。
 考えてみると、アイドルの世界を舞台にした百合コミック作品も、この頃多くなってきている気がします。他誌でもけっこう見かけるような。そして本誌でも、この流れからなのでしょうか、アイドル百合を扱った作品が幾つか収録されていますね。

 では掲載作品を部分的にご紹介、、、。

(・作品名(作者名(敬称略)))

・プリズムエモーショナル(黒霧操)
 自分で認めるほど売れていないアイドルユニット、「ピンク・トルマリン」に所属するももは、それでもメンバーのべにお、ましろと一緒に懸命に活動しています。彼女の憧れは、人気アーティストのシエル。同じ芸能人でも手の届かない人だとももは思っていたのですが、ある日、シエルの新曲のミュージックビデオで、彼女と共演できる事になります。
 アイドルが、というか女の子が周りからどういう風に見られているかを何度も思い知らされて、ももは元気や自信を失いそうになっています。でも実はシエル(本名はアルカというそうです)も、境遇はあまり変わらないらしいです。ところがシエルは、その境遇を認めた上で、自分の希望も実現しています。そんなシエルのかっこよさや、アルカに戻った時のオフモードな姿を知って、ももはますます憧れて、自分も努力しようと決心しています。そしてももの一生懸命さも、シエルに影響を与えているのですね。

・ユリップChu(森島明子)
 ステージ上でキス(の真似)をするパフォーマンスが受けているアイドルグループ、YU-LIPSで、青空マリアはボーカルを務めています。そこへ新加入のメンバー、キッカが現れるのですが、実は彼女はギタリスト志望で、アイドルに対しては偏見があったようです。
 出会いの瞬間、マリアもキッカもときめいて何かを予感していました。2人が他のメンバーとともに突っ走っていく間に、その予感が現実のものに変わっていく流れが良いですね。気持ちが重なり合った彼女達なら、どんな夢でも実現できちゃいそうに思えます。
 ところでマリア達のマネージャーとして芥菜香と亜麻井蜜姫が登場しています。この2人って、本誌Vol.16Vol.20に掲載されている「ハニー&マスタード」の主人公、ですよね。彼女達はイベントプランナーやウェディングプランナーなどいろいろ転職していますけれど、今は芸能事務所のマネージャーをやってるんですね。

・百合男子 第17話 遭遇(倉田嘘)
 前号では、本作は本誌内のあちこちに何本かエピソードがちりばめられる形で掲載されていました。今度は巻頭カラーで登場しています。何だかだんだん前面にプッシュされてきているような?
 話題としては、別の出版社になりますが太田出版発行のマンガエロティクスエフに連載されていた、志村貴子さん作の「青い花」が取り上げられています。単行本の完結巻となる第8巻が発行されたり、アニメ版のBD-BOXが発売されたり、角川書店の雑誌「横浜ウォーカー」のコーナー「アニ散歩」に掲載されたりといったタイミングに合っているかもですね。
 本編中、涼が、百合男子同盟の1人、豊と話している場面があります(この2人が親戚関係というのはちょっと驚きの事実かもですね)。そこで涼は、自分が沙織に百合な恋愛感情を抱いていると啓介に誤解された、みたいに言っています。本当に涼は沙織を思っていないのかどうか気になるのですけれど、実際はどうなんでしょうか。

・犬神さんと猫山さん 21すと、22んど(くずしろ)
 八千代、鈴、秋、美希音、雪路は一緒に夏祭りに来ています。八千代が秋の私服にそそられたり、雪路に誘惑されたり(?)など、学校を離れても彼女達のふれあいは続いているようです。が、2本目のエピソードでは八千代と鈴が急に2人きりに。いつもと違うシチュエーションにうろたえてしまう八千代に、鈴は彼女の新しい一面を見たようです。
こうやって、彼女達は少しずつ近づいていくのでしょうね。 このエピソードがあったのと同じ時間帯に、ひばりと空が何をしていたのかについては、ニコニコ百合姫の2013年12月号に掲載のストーリーで描かれています。こんな風につながりがあるのも面白いかもです。

・game(竹宮ジン)
 守山莉子(モリコ)のクラスに転入してきたハーフの女の子、菊池レベッカは、莉子を見たとたん、思いっきり抱きついてきました。大好きなゲームのキャラにそっくりだから、というのが理由なのだそうですが、それだけではない何かもあるようです。ストーリー的には続いていきそうでもありますけれど、この後があるとしたらどうなっていくのでしょうね。
 ところでレベッカのキャラって、金髪にツインテール、人の頭に載せられるぐらい大きな胸の持ち主で、マニアックな趣味がある、といった感じでしょうか。竹宮さんのこれまでのコミック作品では、こういう雰囲気の(ビジュアル的にラジカルな?)キャラはあまりいなかったような気がします。新しい表現の仕方だったりするのかも。

・ゆるゆり(なもり)
75.オトナノカイダン
76.ゲーセンに行こう!
 前半のエピソードでは、あかりに千歳が妄想のレクチャー、、、? でも改めて考えてみると恥ずかしくなってしまうようで。千歳もやはり、花も恥じらう乙女なのですね。
 後半のエピソードでは、京子が櫻子にゲームのレクチャーをしてます。周りから、「あなた達だけはわかり合わないで!」と言われている彼女達ですけれど、2人きりだと(ツッコむ人がいないせいでしょうか)けっこうテンションが高くなっているような。そんな中でも、京子がお姉さんっぽく振る舞っていますね。この後、櫻子が家に帰った時のエピソードは、ニコニコ百合姫の2013年12月号に掲載されています。

・「百合姫」レビューリストレビューセンター

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