きんいろモザイク 第12話
テレビアニメ「きんいろモザイク」、第12話「きんいろのとき」です。
全開第11話で、忍とアリス達は1年を一緒に過ごし、新しい春を迎えました。2年生になり新しい気持ちで学校生活を楽しもう、とばかりにうきうきしていたアリスですが、学校に行って彼女はショックを受けてしまいます。クラス分けでA組が忍と綾とカレン、C組がアリスと陽子と発表されていました。アリスは、忍と離ればなれのクラスになっていたんですね。
アリスの落ち込みようは大変なものでした。すっかり自分を見失っていて、言葉もたどたどしく、行動も支離滅裂。かなりの重傷です。
思い出してみると、1年生の時のアリスは、とにかく忍のいる日本へ行きたいという気持ちが強かったのでしょうね。留学先の学校を忍と同じにできたとしても、クラスまで同じになるかどうかはわからなかったのではないでしょうか。案内された教室に忍がいたのは本当に偶然だったと思われます。
けれどその事を考える隙もないほど、2人は寄り添い、この1年間をずっと一緒に過ごしてきました。まるでそうする事が当たり前のように。その最中に、現実の苦さを思い知らされた、という所のようです。
一方で、忍の方はそこまでダメージを受けていない様子です。それは、カレンと同じクラスですぐ後ろの席になり、美しい金髪を眺め放題になったから、ではないのでしょう(いえ、多少はそれもあるかも?)。忍から見れば、アリスが遠いイギリスから会いに来てくれた事がとても嬉しく、同じ学校に通えるだけでも奇跡的な出来事だと思っているからなのでは、と感じられます。教室がちょっと離れているぐらいは問題にならない、と考えているのでしょう。
忍の気持ちに触れて、アリスも少し考え方を改めたようです。彼女達のクラスが別々になってしまった事実は変わっていません。2人が話している事も、クラス分けを見た時に言っていたのと全く同じです。でも、アリスは、忍がくれた言葉のおかげで、落ち着きを取り戻せています。この分なら、これからの2年生の学校生活でも、彼女達の親しさは変わらないのでしょうね。というかもっと親密になっていくのを期待したいものです。(このエピソードのオチの部分では、アリスはまだ平静を取り戻せていないっぽいでしょうか。けれど、いずれはちゃんと、今のクラス分けでも元気に過ごせるようになるのでしょう。)
それにしても忍とアリスって、前にも書いたかもしれませんけれどいつでも寄り添っていますよね。同じ時間に起きて朝ご飯を食べ、連れ立って学校へ行きます。学校でも、休み時間や放課後はお互いを含めた5人でおしゃべりを楽しんでいます。帰ってきて同じ部屋で眠るまで、2人はお互いにそばを離れません(でもなぜかアリスはお風呂だけは忍と入りたがらないそうです。なぜなのでしょう?)。 これだけ長い時間一緒にいるのであれば、授業中に少し離れるぐらいはそんなに大した事ではないようにも思えてしまいます。けど、彼女達、特にアリスにとっては、忍の隣、という位置が重要なのでは、と思えます。
それから、クラス分けでショックを受けていた人はもう1人、綾ですね。理由は当然、陽子と一緒じゃないからなのですが、陽子の方は綾の気持ちには全く気づいていないみたいで。皆のあらゆるボケに気づいてツッコミを入れられるのに、綾の恋心についてだけは鈍感なようです。
アリスが寂しさを埋めるように忍に抱きついているのを見て、綾がうずうずしている時、カレンだって綾が何をしたいか気づいているのに、陽子はよくわかっていない感じです(陽子に抱きつく事を想像して顔を真っ赤にしている綾がいじらしいです)。この2人の関係も、これから進展していくでしょうか。
それと、忍達が2年生になると、忍の姉の勇は高校を卒業する事になるのですよね。場面の中でも、女子大生生活を満喫(?)している彼女の姿が少し出てきました。
それでちょっと気になるのが、彼女の高校時代によく一緒に歩いていた女の子、だったりします。名前は白川湊というそうですが、彼女はどうしているのでしょう。高校を卒業したら勇とは別の道を進むのでしょうか。勇とはその後もおつきあいしている、みたいな展開だと面白そうですけれど、その辺りはどうかな?
といった感じで、忍やアリス達の笑顔とともにエンディング曲「Your Voice」が流れ始め、、、って早すぎますね。いつの間に15分番組になったのかと思ったら、後半は別エピソードになっているのですね。しかも忍達が1年生の時へと時間が少し戻っています。
お話を作る、という話題になって、忍の想像力が冴え渡り始めます。主人公は2人のお姫様。モデルはアリスと、忍本人です。
2人とも「金髪」のお姫様という設定になっています。忍本人が作る物語だけあって、彼女の希望が強く反映されているようです。 そしてなぜかミュージカル調の演出になっていますね。ドレス姿で手を合わせて一緒にダンスする忍とアリスの姿がかわいらしいです。
その後、カレン、綾、陽子(後は烏丸さくら先生や勇)も次々に役を割り当てられていきます。忍はお話作りなんてした事がないみたいに言っていましたけれど、かなり自由自在に物語を操っていますね。最終的にはアリス達だけでなく他の生徒達まで感動させていました(その中には、カレンの隣の席の松原穂乃花もいます)。実は忍には、翻訳者よりも作家の方が向いていたり?
作中では、綾と陽子がお互いに相手を求め合っているというように描かれています。こんな風に言えるという事は、忍は2人の関係というか綾から陽子への思いに気づいている? さすがに小さい頃から一緒にいるとわかっちゃうのかもですね。
最終的に忍とアリスはどうなるのか、という部分は場面としては描かれていません。こういう所は、時々すれ違ってしまう彼女達のやや切ない関係を象徴しているようにも感じられます。でも、後で忍が言っていたように、2人は必ず再会できるのでしょう。そして実際の忍とアリスも、授業が済めばすぐにお互いの所へ飛んでいって、楽しいおしゃべりを始めるのでしょうね。
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