戦姫絶唱シンフォギアG 第13話
テレビアニメ「戦姫絶唱シンフォギアG」、第13話「遥か彼方、星が音楽となった、、、かの日」です。
未来が一時的にまとったギアの力で、響の体はガングニールとの融合から解放されました。この状態ではギアをまとえないはず、だったのですが、彼女はマリアの「黒いガングニール」の力を受けてもう一度戦えるようになっています。これは、「融合」ではなくて「適合」なのですね。融合していた時のような爆発的な力は発揮できないかもしれませんが、するべき事がはっきりわかっている響には、それぐらいは足かせにはならないのでしょう。
ガングニールが響と共鳴してしまったため、マリアは装着していたギアを失います。さんざんウェル博士にさげすまれた上にギアまでなくしてしまった彼女は、プライドをずたずたにされ、もう前に進む気力も失われてしまったようでした。
でも彼女は、もう一度歌う決意をします。彼女に力を与えたのは、ナスターシャと、セレナでした。
(けれど、たぶんセレナはもう命を落としているのですよね。ここで姿を見せるのはちょっと都合がよい気もするのですが、仕方ない所なのでしょうか。(このセレナのビジョンがマリアの思いから生まれているのだとしても、マリアの目に最後に焼き付いたあの血みどろの姿ではなく、きれいな姿のままだというのも少し、、、と思ってしまうのですけれど(この辺りについては別の記事に書いています)、これも仕方がないでしょうか。))
何を失ったとしても、自分には歌がある。しかも世界のすべての人々の思いを束ねられる歌が。その意識と、砕けかけたセレナの聖遺物とが、彼女の力の源になっているようです。
(ところでマリアがギアの力でしたかった事とは、何だったのでしょうね。月の落下から世界を救うために、反逆者にされるのを覚悟で立ち上がったのは、本心ではあるのでしょう。この話数の中でも、「歌で世界を救いたい」、「すべての命は私が守ってみせる」とも言っています。でも、レセプター・チルドレンとして狭い世界に閉じ込められて育ってきた彼女が、どうやって世界の人々の事を知ったのかは気になる所です。人々の方も、困ったり悩んだりはしているでしょうけれど、マリアに救ってもらう以外に道はないと、すべての人が思っているわけではないでしょう。自分達自身の手でどうにかしようともがきながら前へ進む人の努力を、マリアには無視してほしくないようにも思います。全部を1人で背負いきろうとは考えずに、皆(響達装者以外の皆)と同じ視線に立って進んでいってもらいたいような気もします。といってもまあやはりストーリー上はマリア達装者が皆の前に出て世界を救う、という構図なのでしょうね。)
そんな風に、前回の最後ぐらいから、響をはじめとする装者達を縛り付けていたものはほとんど取り払われ、また彼女達の気持ちも同じ一つの方向を向き始めています。こうなるともう彼女達の勢いは止まらなくなるみたいです。
(最初の方の場面で響がマリアに言っていた「待ってて、ちょおっと行ってくるから」も、第1期を考えればフラグの(?)一種と言えそうです(未来が聞いたら嫌がりそうですね)けど、それも響には通用していません。)
フロンティアと融合したネフィリムの攻撃はすさまじいもので、響達は何度も倒されそうになりますが、気持ちの上では全く負けていないのですよね。何があっても絶対目的を果たしてみせるという気合いが見えている感じです。
流れ的に安心して見ていられる所ではあるかもですが、反対に言うとはらはらどきどきがないというか、絶望の中に希望を見つけ出す展開が少ない印象もあったりします。例えば戦いで力を使い果たした響達が砂浜にひざまずいている場面で、自分達にはソロモンの杖を使う力が残っていないのに、響達はやや余裕を見せているようにも感じられます。自分達には他にも希望があると確信していたからなのでしょう。けどここは一つ、いったん絶望しそうになりながら、その向こうに希望の光が見えてくる、みたいな流れになっていると盛り上がるのでは、なんていうのはわがままでしょうか。
戦いの場面では、響達が存分に技を繰り出していますが、調や切歌も新技を出していますね。切歌の「終虐・Ne破aア乱怒」も強力ですけれど、調の「終Ω式
ディストピア」は、、、合体ロボ? そういえば月に飛ばされたナスターシャも、ロボットっぽいスーツをまとっていたような。さりげなく頑丈な装備っぽいです。
他にも、落下してきた巨大な岩を、乗っているジープには全く影響を与えずに拳だけで打ち砕く弦十郎とか、得意の忍術でけっこうおいしい所を持って行った慎次など、やはりこの作品のキャラは「濃い」ですね。こういう時は、キャラ達が真面目に決めるほどちょっと笑えちゃうかもです。
笑えるといえば、放送中に流れているブルーレイ&DVDのCMも何だかコミカルですね。一つは、セレナが自分の出番の少なさを気にしていて、マリアがそれを一生懸命フォローしているパターンがあります。もう一つは、切歌と話している調がひたすら「じー」と言っているもの。「戦姫絶唱シンフォギア」の第2期タイトルに「G」が付いた理由の一つがここに?
(以前公開されたプロデューサーの方へのインタビューで、「G」にはいろいろな意味があるとおっしゃっていたのも、実はここにかかっている、、、?)
この他にこの作品のテーマとも言える歌もありますね。番組のオープニング曲とエンディング曲は流れませんでしたけれど、オープニングに使われている「Vitalization」は作中で響達が団結するための曲として流れています。また、途中でセレナや翼が「生まれたままの感情を隠さないで」、「惹かれ合う音色に理由なんていらない」と言っているのもこの歌の歌詞です。なので「Vitalization」は作品を代弁する歌でもあるのでしょう。(それだけに、歌の歌詞の一人称が「僕」なのが惜しい気もするのですけれど、これも仕方ない?)
さて百合的には、、、この話数でもあまりない感じでしょうか。マリアと、久しぶりに姿を見せたセレナの間には特に何もなかったようです。
響と未来は抱き合っていましたけれど、愛情のハグというのとはちょっと別な雰囲気にも思えます。未来が響の体を心配して声をかけた時に、響の方も未来の体調を気にかけていたら(実際未来は強制的に操られ、聖遺物と適合させられていた時がありました)、女の子同士のふれあいでもう少し盛り上がったのでは、とも思えるのですけれど、そうなってはいません。
今の2人の仕草を見ていると、前にも書いたかもしれませんけれど、何だか男女のふれあいっぽく感じられちゃうのですよね。せっかく2人とも女の子なのですから、もっと百合な関係を発展させていってもらいたいかもです。
といった感じで、響と未来がこれからもっといちゃつきを深めていくのを見てみたい所ですけれど、作品的にはどうなるでしょうか。たくさんのノイズを始末したといっても、まだ人類の脅威は残ってはいるのでしょう。それに、「ルナ・アタック」を防ぐためとはいえ、月のシステムを再起動させてしまったため、「バラルの呪詛」が再び人類の相互理解を壊す事になりそうです。(、、、ちなみにそうだとすると、今までバラルの呪詛は効いていなかった、という事? 効いていなかった期間が、例えば第1期でフィーネが月を壊してからの3ヶ月だけだったとしても、少なくともその間は人類は相互理解できていた、と言えそうです。その時の世界って、どんな様子だったんでしょうね。)
また、響達はそれぞれに聖遺物を持っていて、今でもギアをまとう事ができます。
彼女達は、人類にピンチが訪れたらまた立ち上がる事でしょう。それは、新たなる戦いと、物語の幕開けになるかもしれません。同時に、未来が切に願った、「もう響が、誰もが戦わなくていい世界」の終わりとも言えます。
この両立しない思いが、次のドラマを生み出していきそうにも思うのですけれど、どうなるでしょうか。今度12/14に行われる「シンフォギアライブ2013」で、何か発表があったりするでしょうか。
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