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2013年11月26日 (火)

ドキドキ! プリキュア 第41話

 テレビアニメ「ドキドキ! プリキュア」第41話「ありすの夢! 花がつないだともだち」です。

 ありすはお花を育てるのが大好きです。彼女の本当の夢は、お花屋さんになる事でした。けれど、四葉財閥の一人娘である彼女は父親の後を継がなければならず、夢の事はマナ達にも打ち明けずにあきらめていました。

 中学生になった今、そのように淡々と語るありすを見て、マナは俄然やる気を出しています。自分ではなく誰かのために尽くしたいという、マナのスイッチが入っちゃったんでしょうね。
 かといって、さすがに四葉家の娘をやめなさいとは言えません。マナが思いついたのは、フリーマーケットでお花を売る事、でした。1日だけの出店、それも小さなスペースではありますが、皆に手伝ってもらって、確かにありすはお花屋さんになれました。皆が自分の夢を叶えてくれた事を、ありすはとても喜び、感謝しています。

 と、そこへ現れたのは、四葉財閥のライバルとも言える、五星(いつつぼし)財閥のご令嬢、五星麗奈です。彼女は第13話にも登場しています。麗奈は相変わらずのドレス姿に派手な髪型(、、、いえ、髪型で言えばありすも十分派手かな)、高飛車な態度で、同い年ぐらいの取り巻きの女の子達に囲まれています。
 わざわざフリーマーケットにまで来て何をするのかと思ったら、彼女も花を売り始めました。しかも場所はありす達のすぐそば、さらに高価な薔薇を信じられないほどの安い値段で売っています。たちまちお客は麗奈達の方へとられてしまいました。

 麗奈はなぜ、こんな事をするのでしょう。その理由は、後半の場面で本人の口から明らかにされています。

 この場面はちょっと感動的ですね。言いたくても言えない、小さい頃からずっと胸にため込んできた思いを、麗奈がありすにぶつけています。彼女の中では、恥ずかしさや怖さ、後ろめたさなどが混ざり合っていたのかもしれません。ほとんど泣き叫ぶように、でもちゃんと、自分の本当の思いを、ありすに伝えています。思わず「よく言った!」とほめてあげたくなってしまう瞬間なのでは。

 麗奈が今まで素直になれなかったのは、もしかしたら家同士の関係があったのかも、とも思えます。四葉も五星も大きな財閥で、たとえ当家の人間達が意識していなくても、周りはこの2つの家をライバルだと信じていたのでしょう。麗奈も、小さい頃からそういう人達の言葉を耳にしていて、四葉の家に敵対心を持つ事を、いつの間にか疑わなくなっていたのではないでしょうか。
 そんな四葉の家には、ありすがいました。可憐でおしとやか、病弱なためかちょっとおとなしい、同じ年頃の女の子、ありすに、麗奈はすぐに惹かれた事でしょう。
 同じぐらいの規模の家であれば、社交界やパーティ、発表会など、様々な場面で一緒になりそうです。麗奈は何度もありすを見かけ、そのたびに興味を強めていった、とも考えられます。
 ですがそこで、麗奈は方向を見誤ってしまったのではないでしょうか。四葉と五星はライバル、そんな相手と仲良くなんてできるわけがない、大人達の言葉を鵜呑みにした彼女は、それ以来、今の今まで、ずっとありすにけんかをふっかけ続けてきたようです。
 そして同時に、胸のどこかでわずかな希望を感じていたのではないかとも思えます。たとえ友達になれなくても、こうやって絡んでいる間はありすとお話ができる、と。

 まあ実際の所はよくわかりませんけれど、とにかく麗奈はありすをずっと意識してきたようです。ここで本当の願いを口に出す事ができて、彼女は少し安らかな気持ちになれたかもです。

 ところがそれだけではなかったんですね。実はありすも、麗奈とは仲良しになりたいと思っていました、しかも麗奈がありすを意識するよりも先に、です。
 これは、麗奈にとっては、嬉しくて少しくすぐったくなるような告白だったのではないでしょうか。自分が思いを寄せる人が、ずっと前から自分に思いを寄せてくれていたわけですから。
(2人の回想場面では、ガザニアの花が登場しています。この花は勲章菊とも呼ばれ、花言葉は「あなたを誇りに思う」や「身近な愛」だそうです。彼女達の関係を象徴しているかもですね。)

 これで2人は、何の気兼ねもなく、仲良く親密になっていけるでしょう。麗奈の取り巻きの女の子達も、涙を流して感動しているほどですから、自分達よりも2人の将来を祝福してくれるでしょう。それから、マナの機転と言えるでしょうか、彼女達は麗奈に、キュアロゼッタの正体を教えたようです。仲良しの2人の間に隠し事はない方が良いでしょうから、彼女のこの選択は間違いではないように感じられます。プリキュアが誰なのかを知った事で、麗奈はジコチューとの戦いに巻き込まれるかもしれません。けれど、彼女の家の財力と、成層圏まで飛行機械を飛ばせられる彼女自身の腕前があれば、不安はないのではないでしょうか。

 といった感じで、この話数ではありすと麗奈の関係がクローズアップされています。が、それだけではない要素があるような気もします。
 最後の場面で、ありすが言っていた「花のような存在」というのは、誰の事を言っているのでしょう。何となく麗奈以外の人のようにも思えるのですけれど、、、。
 また、ありすはその存在を「守り抜く」とまで言い切っています。そこには相当な覚悟がありそうですよね。彼女が思い浮かべているのは、マナの事だったりするでしょうか。
 もしそうなら、その後のやりとりが意味深に感じられます。ありすの決意を聞いたマナが語ったのは、レジーナへの思いでした。それを受けてありすは、マナを全力でサポートする事を宣言しています。
 ありすはマナを助けたいと思い、実際にその通りの事を相手に伝えています。それなら何の問題もなさそうなのですけど、今マナの胸の中にあるのはレジーナへの気持ちだけ、みたいです。そのためか、ありすからマナへの感情があまり伝わっていないようにも思えてしまいます。
 ありすは、いつもおっとりとした微笑みを浮かべていて、自分が背負い込んだ苦労は決して他人には見せない人のようです。第13話の最初の場面でも、ありすは財閥の跡継ぎとして自分より何倍も年上の部下達に指示を出していました。たくさんの社員やその家族の生活を支えるために間違った決断をせずに会社を運営し続けるのは、彼女には大変な重荷でしょう。でも彼女は、そんな悩みをマナ達には一言も言った事がありません。(お花屋さんになる夢をあきらめた事を黙っていたのもそうでしょう。)
 彼女の内面に優しく触れて、悩みをいやしてくれるような女の子が、彼女の前に現れると良いですね。それがマナなのか麗奈なのか、または別の子なのかはわかりません。けれどありすが胸の底からの笑顔で笑える日が来たら素敵なのでは、という気がします。

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