コミック百合姫2013年9月号
発行一迅社、コミック百合姫の2013年9月号を見てみました。
表紙イラストは浜弓場双さんが描かれています。夏、海の中に入ってビーチバレーをしている7、8人の女の子達がいます。ちょっと色がずれたようになっているのは、3Dのイラストだからなのですね。本誌に綴じ込んである赤と青のメガネを使うと、女の子達やボールが浮き上がって見えます。
さてでは百合なカップルは誰と誰なのかというと、ぱっと見ただけでは何とも言えなさそうです。場面としては皆で遊んでいるだけですし。
けれど、前にも書きましたように、これまでの法則(?)を考えると、ハート型の髪飾りをつけた女の子が目印になりそうです。当てはまる子は、、、ちょうど2人いますね。真ん中にいてボールへ同時に手を伸ばしている2人です。
彼女達の間にどんな関係があるかは、表紙をめくればわかるかな、、、と思ったのですけれど、そこには表紙のイラストを2D版にした絵がありました。結局彼女達の恋愛模様があるかどうか、はっきり大きく取り上げられている場面はない?
巻中企画では、これまでに発行された百合姫コミックス全巻の書影(巻数付きのものは第1巻のみ)が掲載されています。最初のコミックスが発行されたのが、2006年1月。それからかなりの数のコミックスが登場しているのですね。在庫のない作品もあるでしょうけれど、これだけラインアップされていれば、自分の好みにぴったり当てはまるものが見つかるのでは、とも思えます。(ちなみに中には、巻数付きでストーリーの区切りがまだついていないものの、続きが発行されていない作品もあります。その辺りについては、何となくごまかして完結巻が出た事にしちゃったりするのかななんて感じていたのですけれど、途中のものについては一応「1巻」または「1~○巻」というように書いてあります。続きがとても気になる作品もけっこうありますし、できれば今から先の物語も見てみたいかもです。)
では掲載作品を部分的にご紹介、、、。
(・作品名(作者名(敬称略)))
・姫さま林檎を召し上がれ(源久也)
小さな国の姫だったマルスが嫁いだ先には、スノウという美しい娘がいました。その美貌はぶっちゃけマルスの好みのど真ん中。王様は放っておいて、できればスノウと結ばれたいと願う彼女に、お供の鏡の精が策を授けます。でも本当は、、、という流れで、おとぎ話の世界観に継母と美しい娘という設定ですが、見事に百合になっていますね。しかもちょっと大人な雰囲気なのもひねりがきいているでしょうか。スノウのせりふがすべてひらがななのは、絵本のおとぎ話のイメージに通じそうですけれど、なんだかかえって迫力があるような。
・くらやみのアスタリスク
後編(百乃モト)
テンこと希美のまっすぐな気持ちを、なかなか受け入れられない紘子。自分が女性を愛する女性である事を、必要以上に負い目に感じているようにも見えます。こんな自分がもう恋なんてしちゃいけない、とまで考えているみたいですが、そこまで思い詰める事はないはず、ですよね。20歳にして初めて恋を知った希美は確かに危なっかしいかもしれませんけれど、悩みながらも前へ進もうとする姿をそばで見る事で、紘子も自分の気持ちにもっと素直になっていけるでしょう。
・キャンディトラップ(ちさこ)
のあは、自分をかわいらしく見せる努力をしているおかげもあって、かっこいい男子とおつきあいできそうな雰囲気になっています。そこに現れたじゅりは、のあの目から見てもとてもかわいらしく、ナチュラルな美しさを持っていました。他人のボーイフレンドを奪っちゃう、と陰では噂されている彼女ですが、本当のお目当ては、、、のあ本人?
最初は、相手の美しさをねたましく思っていたりしたのあですが、その美しさに、だんだん目を奪われるようになっていきます(ターニングポイントは、じゅりが、女の子に恋心を抱いたのは初めて、と打ち明けた辺り、でしょうか?)。女の子に恋するなんて、という戸惑いがのあにはあるかもですけれど、愛したい人、愛されたい人が誰なのかを素直に考えれば、答えはすぐに見つかるのでは、と思えます。
・ゆるゆり(なもり)
74.女子力アップアップ!
京子が、女に磨きをかけようと化粧をしてきます。が、慣れていないせいなのかあまり見られたものではなく、、、。ごらく部のメンバーの中ではこういう事を一番知っていそうなちなつがお手本を示そうとするのですが、結局参考にはならなかった? それにしても大好きな本人が見ている目の前でかわいらしさの演出方法をレクチャーしたら結衣に呆れられちゃいそうな気もしますけれど、ちなつ的には大丈夫なのでしょうか。
あかりはまた練習台みたいになってしまっていますが、あの顔のままで外へ行こうとするのを、他の誰も引き留めないんですよね。以前にも1年生で勉強会をした時、櫻子があかりの髪にいたずらしていても、向日葵やちなつはあかりに教えてあげなかった、という事がありました。まああの時はあかりが気づいていて放置していると思われていたみたいですけれど、あかりって意外と(でもない?)放りっぱなしにされやすい人だったりするのでしょうか。
(ところでこのエピソードのサブタイトルには「女子力」とありますが、5月号に掲載された第69話から第73話も「力」が題名に含まれています(7月号掲載の第74話には入っていませんけれど、、、)。この「力」が、この所のストーリーでのキーワードになっているのかもです。)
・きものなでしこ
二十六着目(八色)
時季は年末、撫子衆の4人はクリスマスパーティを、するはずでしたが、アンジェリカと雀は参加できないと急に言い出し、部屋にはかの子と紗綾だけが残されます。両思いになった女の子達が、クリスマスイブに、部屋で、2人きり、、、。これで何も起きないわけがない、と期待したくなってしまう所ですが、初々しい彼女達にはまだハードルが高すぎたようです。でも少しだけ進展できたようで、これからもこうやって少しずつ愛情を深めていくのかもですね。
というヒロイン達の周りでは、あちらこちらで百合カップルが関係を進展させている様子。いつの間にかうまく4カップルができあがっているようです。かごめの部活の後輩ちゃんは、遠州椿という名前だそうです。またかの子の姉の巴とかごめの姉は、やはりそういう関係だったみたいです。ベッドの向こうの2人並んだシルエット、なんて、とても大人っぽいですね。カップル達それぞれの百合エピソードなどこれからたっぷり描いていってもらいたいものです。
・my sweet clover 2pieces(慎結)
前号に掲載された「my sweet
clover」の続きとなっています。緋衣と江鈴は、七葉を取り合うような格好になっていましたが、恋する気持ちが高まって、緋衣と江鈴がキス、という展開になっていました。
この作品ではその後が描かれていて、3人とも今までと同じような関係を続けているようです。でも緋衣と江鈴はお互いに意識し始めているようで、彼女達が恋仲になる可能性も? という所で七葉も存在感を見せていますね。
緋衣と江鈴は、自分以外の2人に対して恋愛感情を抱いているようですが、七葉はそこまでの気持ちにはなっていない感じもします。もしこの物語が続いていくとしたら、最終的には七葉が抜けて緋衣と江鈴がめでたく、みたいな流れになりそうですけれど、どうなるでしょうか。
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