とある科学の超電磁砲S 第24話
テレビアニメ「とある科学の超電磁砲(レールガン)S」、第24話「Eternal Party」です。
美琴、黒子、飾利、涙子、光子、絹保、万彬、美偉、彼女達は団結して「STUDY」に立ち向かっていきます。フェブリの小さな命を救うため、さらに今は、学園都市の崩壊を防ぐという使命もかかっています。
とはいっても、2万体にも及ぶ無人操縦のパワードスーツを倒して先へ進むなんてとてもできそうにありません。、、、でしたが、彼女達には頼りになる味方が次々に現れていますね。
学園都市の秩序を維持する風紀委員(ジャッジメント)が、支部の違いを超えて集結しています。しかも腕章を見せながらの決めぜりふ、、、。真似された黒子は、突然の事に驚いて言葉が出なかったみたいです。けどこれで、皆の気持ちが一つになっているのを確かめられた事でしょう。
対する「STUDY」の側はこの程度の抵抗は想定していたようで、対抗策を投入してきます。有人操作の大型ロボット、それに強制的な通信妨害。もともと多勢に無勢だった上に、連携を断ち切られ勢力を分散させられて、風紀委員は次第に追い詰められていきます。
けれど、誰もこれぐらいであきらめるつもりはありません。それに皆は、それぞれの力を持ち寄ってお互いを助け合っています。
直接出動する事ができない警備員(アンチスキル)の愛穂は、戦う手段を運んできています。それは光子の家の会社が作った「エカテリーナ2世号・改」、建設作業用の機能しか備えていませんが、かなりパワフルです。また通信妨害をされてもテレパスの学生達が即席のネットワークを構築して連絡を取っています。衿衣と絆理も、自分達の関係が生み出す能力を、皆のために使う事ができてとても嬉しそうですね。
能力者の学生達は、自分達の力をうまく活用して場に対応しています。例えば絹保と万彬がうまくガードロボをおびき出し、光子が仕留める、といった連携もできています。後半で光子が大技を決める時も、2人は彼女の体を支えてあげるなどサポートもしていますね。(エカテリーナを飛ばす事は最初の作戦にはない筋書きでしたが、これだけすぐに対応できる臨機応変さを皆が持ち合わせているのでしょう。)
「item」のメンバーは、美琴に頼まれたわけではなく自分達を利用した連中に落とし前をつけさせるためにこの場に乗り込んできています。けれど目指す相手が同じだった事もあって、美琴達に協力するような形になっています。(後は、第1話に登場していた食蜂操折はどうするのかなと思っていたのですけれど、後の場面で美琴の手助けをした、という事らしいです。この2人はお互いに割と毛嫌いしている関係のようにも思えますし、どうして操折が美琴を手伝う気になったのか、そのいきさつはちょっと気になります。)
フェブリも、助けられているだけではないのですね。姉のジャーニーと自分の呼び合う力が、美琴を正しい場所へと導いています。
また能力者ばかりではありません。レベル0の涙子も自分にできる事を精一杯やってのけています。飾利とタンデムでエカテリーナを操縦しています。巨大な機体をスピーディに操るなど、かなり乗りこなせていますね。飾利の気合いを見せてもらったおかげもあって(?)、「勝負パンツィ!」が決まっています。
そして砥信も、、、。彼女はずっと自分の無力さを嘆いてきましたが、何も成し遂げられなかったわけではありません。罪を償うため1人でもがき苦しみながら一つずつ出してきた答えは、ちゃんとミサカやフェブリに届いていました。彼女のしてきた事は決して無駄ではなかったのですね。
というようにキャラ達がたくさん登場して活躍する展開で、この話数らしく盛り上がるエピソードになっています。背景に流れる音楽も、「sister's noise」、「eternal reality」、「future gazer」、「LEVEL5-judgelight-」、「リンクス」と、第1期や第2期、OVAの曲が次々に流れていて、美琴達の戦う姿を際立たせています。
さて女の子同士の関係では、最小の方の場面の絹保と万彬が良い雰囲気です。万彬が絹保をお姫様だっこ、なんてこれはサービスショットなのかもですね。
とはいえ彼女達のコンビネーションは素晴らしいもので、操られたガードロボを見事に攪乱しおびき寄せています。周りでともに戦っていた学生達も、絹保の水流操作系能力と万彬の浮力操作系能力の合わせ技に目を見張っています。生徒全員がレベル3以上という常盤台中学のお嬢様2人の息の合った動きは、見目麗しいものなのでしょう。
1人の学生には1個の能力だけが宿っている、というのが学園都市では前提とされています。中には、1人が2個以上の能力を持つ「デュアルスキル」の存在も都市伝説めいて語られたりしています。けれど、1人が2個の能力を使うよりも、2人が気持ちを重ねてそれぞれの能力を発揮する方が、実はとても強く、何ものにも負けない力になれるのでは、という気がします。
気持ちを重ねる、という意味では、ジャーニーを目覚めさせるためにフェブリが呼びかける、というのもそうなのでしょうね。涙子は「愛は通じる」と誇らしげにまとめていましたが、砥信は否定していませんでしたので、彼女も愛を信じているのでしょう。
後は美琴と黒子の関係も描かれています。美琴が抱えていた秘密を教えてもらい、一緒に戦う事になった黒子は、無数のパワードスーツを前に、素晴らしい技の切れを見せています。苦しみも喜びもお姉様とともに分かち合える事が、彼女にとってはこの上ない喜びなのだと思えます。
美琴も、黒子を一番身近な相手として感じているのではないでしょうか。「最終フェーズ」を止めるためのミッションに、自分のパートナーとして黒子を選んだのは、彼女の能力がちょうど要求に見合っていたから、ではなく、黒子だから、なのでしょう。黒子とだったら、どんな困難な事でも成し遂げられる、そんな気持ちが、美琴の中にはあるように感じられます。
皆の期待を受けて飛び立った後は、彼女達は2人だけで危険に立ち向かっていきます。さすがにここまでくると、黒子はいつものちょっとふざけたような行動は見せていませんね。美琴のサポートに徹していて、その後帰ってきた美琴を、とても優しい表情で柔らかく抱き留めています。
エンディングの映像の中、美琴達7人が寝ている場面でも、美琴と黒子は隣り合い手を触れあって眠っています。穏やかな空気の中で見せるこの近さが、普段の彼女達の関係を表しているように感じられます。
この時、美琴の手のひらには四つ葉のクローバーがあり、次の場面では黒子がジャーニーに四つ葉のクローバーを手渡しています。ジャーニーとフェブリの姉妹には、美琴「お姉様」と自分のような親密な関係になってもらいたいという願いも込められているのでしょう。
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