きんいろモザイク 第１０話

　テレビアニメ「きんいろモザイク」、第１０話「すてきな五にんぐみ」です。（前回と同じように、今度のサブタイトルも絵本から取り上げられているみたいです。「すてきな三にんぐみ」というものがあるそうです、、、が、今度もこの本と本編との関係はなさそう？）

　将来翻訳者になりたいという夢を持っている忍。英語の烏丸さくら先生も彼女を応援していますが、学力がついていっていません、、、。
　さくらにとっては忍は大切なかわいらしい生徒の１人ですし、彼女が夢を実現できたらさくらも嬉しいでしょう。忍が、（少なくとも英語で）成績を上げられるかどうかについて、これからアニメ本編で描かれたりするでしょうか。

　そんな風に、さくらは教師として忍を見守っているわけですが、アリスからはどうしても違って見えてしまうようです。先生が忍に「努力賞」をあげたり、忍をどう思っているか先生に聞いてみたら「好き」という答えが返ってきたり、、、。アリスとしては、やっぱり先生は恋のライバル！？　と思えてしまうのでしょう。
　そうなるともう、さくらと忍が一緒にいるだけで気になって仕方なくて、ついガン見しちゃってます。２人が変な事を始めないか見張るのと同時に、さくらに対するプレッシャーの意味もあるのかも。

　といってもさくらには悪気があるわけではないですし、アリスも自分が見せている態度があまり良くないとはわかっているようです。忍が他の女性と楽しそうに話す事にはまだちょっと抵抗があるものの、さくらには素直に謝っておきたいと考えたみたいです。
　ところが、、、。先生の意外な趣味(?)にアリスは引いてしまいます。この２人が安心してふれあえるようになるには、まだちょっと時間がかかりそうでしょうか。

　アリスは、テレビでやっていた星占いの結果が良くなかったためちょっと落ち込み気味でした。一方の忍は、ランキング１位ではあったのですが、学校へ向かう途中はあまり良い事が起こりません。それでもちょっとした発見をして「いい事ありましたね」と喜ぶ彼女のポジティブさは、顔を上げて前を向く気持ちをアリスに与えたようです。その後カレンが持ってきた野球道具でバッティングをしていた時も、忍の応援を受け、自分にも何かできるはず、と考えを切り替える事ができていますね。結果は、、、でしたけれど、アリスは自信を持つ事ができたのではないでしょうか。そして自分を応援してくれて高めてくれる忍と、もっと寄り添っていきたいと感じたのでは。

　皆で本屋に行った時、アリスは日本のコミックの単行本を買っていました。田中りり作の「ふたりCUTE」第３巻。この作品は、アリスが留学してくる前に、日本語の勉強にも役立てていたそうです。
　よく見ると、表紙には２人の女の子が描かれています。裏表紙では２人がつないでいる手がアップになっていて、あおり文句には「やっぱりふたりじゃないと　ダメなんだ　気持ちを伝えられたえりは、、、」と書かれています。何だかとても百合っぽいですね。

　アリスが百合好きなのかどうかは気になる所ですけれど、それとは別に、アリスはこの「ふたり」に、忍と自分を重ねているのかな、とも思えます。親しい２人の女の子が語り合う言葉を忍と自分に当てはめると、とてもすんなり憶える事ができた、とか。
　漫画と現実とは別ですから、忍とアリスは、「ふたりCUTE」に描かれているような経験はしないのでしょう。でもアリスにとっては、目の前にいる忍との甘くて親密な毎日が、何よりも楽しいのではという気がします。

　さてもう１組(?)の綾と陽子は、まだちょっとたどたどしい雰囲気もありますね。綾の方は、陽子との血液型の相性が良いと知っただけで真っ赤になってしまったり、暇だから一緒に遊ぼうと誘うのに緊張しまくったり、ちょっとした事でも陽子と自分の間柄を意識しちゃってます。
　でも陽子の方はそこまで気づけていない感じです。忍の姉の勇が載っているファッション雑誌を２人で見ていても、着るものにあまり興味のない陽子の返事は、どこか気持ちのこもらないものになっています。

　後半の場面で陽子は、自分の弟や妹と綾を比べた感想を言っていますが、その言葉は綾を何だか悲しくさせています。綾の胸の中では、「かわいい」って言われた、でも「妹」としてだって、、、と、様々な思いが駆け巡っているようです。
　この時も陽子は、綾の考えにはあまり気づいていないっぽいです。彼女には、ちゃんと綾の乙女な(?)気持ちを理解して愛情を分け合ってもらいたいように思います。

　ところで綾って、「妹」として陽子にかわいがられるのは嫌なのですね。彼女がなりたいと願っているのは、姉妹よりもっと親密な、「恋人」なのかもです。

・「きんいろモザイク」レビューリスト