きんいろモザイク 第１１話

　テレビアニメ「きんいろモザイク」、第１１話「どんなにきみがすきだかあててごらん」です。（このサブタイトルも、これまでのように絵本のタイトルからとられているようですね。）

　忍の家でクリスマス会が行われる事になりました。アリス、綾、陽子、カレンが集まり、さらに忍の姉の勇も参加しています。
　忍とアリスは協力して家の中や庭を様々に飾り準備をしました。また忍達が住んでいる辺りは、クリスマスの飾り付けが盛んなのだそうで、夜になる頃にはどの家も電飾できらきら輝き始めます。

　近所中が華やかになる様子を見て綾達は感激していますが、それよりも感動しているのはアリスなのでしょうね。憧れていた日本で経験する、見た事もない日本風のクリスマス。故郷のイギリスとはかなり様子が違っていますが、アリスには嬉しいひとときなのでは。

　それに、隣には大好きな忍がいます。「日本ではクリスマスは忍と過ごす」というルールを作っちゃうほど、家族のように、それ以上に、忍と一緒にいる喜びをアリスは感じています。イギリスに里帰りして両親と過ごすのを取りやめるぐらいですから、アリスは忍にとても夢中なのでしょう。

　けれどここでもまだ、彼女達の気持ちがちょっとすれ違っているようです。２人で迎えた２５日の朝、わくわくしながらアリスが開けた忍からのプレゼントは、、、。たぶん忍にとってはとても大切なもので、それをあげちゃおうというほどですから彼女がアリスを思う気持ちは誰よりも強いものだと言えます。でもアリスにとってはかなりありきたりな物なのですね。日本に来てまでイギリスの物を目の前に出されてしまうと、どうしてもテンションは下がってしまうみたいです。（勇からもらう忍のコスプレ写真の方が、アリスにはずっと嬉しい？）

　また、お正月に見た初夢が、アリスにはショックな内容でした。現実に忍がそんな事を言うはずないとわかっていても、アリスは悲しい気持ちになってしまうでしょうね。
　それに最後の場面で彼女が見た夢も、同じように彼女を寂しくさせています。綾や陽子が忍の家族になっているという設定で、それなら自分は忍の妹に違いない、と期待していたのに、妹ポジションは烏丸先生にとられてしまいました。アリスの立ち位置は、確かに忍のすぐそばにはいられますが、時々邪魔者扱いされたりしていて、あまり嬉しいものではないですね。（ちなみに妹の座を烏丸先生と取り合う夢を見るのは、やはりアリスが日頃から、忍を巡って先生をライバル視しているから、なのかもです。）夢から覚めたアリスは号泣していましたけれど、あの後忍はちゃんと彼女を慰めてあげる事ができていたでしょうか？

　さて初夢の内容をとても気にしたアリスは、決心をしてイメージチェンジをします。制服の着こなしを変え、話す言葉は英語だけ。
　アリスの急な変化に、忍は驚いてしまいます。これまで普通にできていた彼女との楽しい会話もできず、つい２人の間に距離を感じるのでした。アリスとの仲を深めるきっかけになった魔法の言葉、「ハロー」でも会話が成り立たない（まあ一般的にそうなのですが）事が、忍にはつらいようです。

　でも、アリスは忍を困らせようとしていたわけではないのでしょう。初夢で言われたような事を忍に言われないために、忍好みの女の子になろうとしたのですよね。

　「忍に愛されたい」、それだけを必死に願ってああいう事をしていたのだと考えると、アリスがいじらしく思えてきますね。忍も最初はおろおろするばかりでしたけれど、後で落ち着いて思い返した時、アリスの気持ちに気づいてとても愛しく感じたのではないでしょうか。

　クリスマス会の夜、忍とアリスは２人きりになった時に、「雪は降っていないけど、愛は降っている」と言って微笑み合っています。偶然見てしまった勇には寒い会話に聞こえてしまったようですが、忍とアリスの間では、甘い愛情を確かめられたひとときなのでは、と思えます。これからも彼女達はすれ違う事があるかもしれません。けれどそれを乗り越えてお互いを求めようとする気持ちは強いでしょうから、やがて息のぴったり合った関係になれるのでしょう。いつでもラブラブな彼女達の未来を期待したいですね。

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