ふたりはミルキィホームズ 第10話
テレビアニメ「ふたりはミルキィホームズ」、第10話「いつでもいっしょ」です。
カズミは、「カラー・ザ・ファントム」のリーダーの紫怪盗について行くと宣言しちゃいました。先に誘われたアリスと一緒にいるためにそうしたのかなと思ったのですけれど、ファントムのアジトへ行ったのはカズミだけなんですね。しかも何だか妙に乗り気で、怪盗として強くなるにはどうしたらいいか懸命に尋ねたりしています。
紫怪盗の正体がアリスの兄のシオンだから安心した、とかじゃないですよね。あれほど「探偵になって怪盗をやっつける」夢を抱いていたカズミがいったいどうしちゃったのか心配になります。
カズミとしては、「強くなりたい」という気持ちが大きかったようです。探偵と怪盗、どちらもトイズを持っているのだから、トイズの力を磨くなら、怪盗について行ってもいいはず、と考えたのかもしれません。
ところで彼女が強くなりたいと願ったのは、自分に注目してほしいから、とかじゃないんですよね。カズミは、アリスに見合う実力を身につけたい、自分がアリスと釣り合うようになりたい、と願っていたようです。彼女の中では、いつだってアリスが一番なのでしょう。たとえ探偵でいられなくなったとしてもアリスのそばにいたい、それが彼女の望みなのではないでしょうか。
怪盗としての初仕事をするために連れ出されたカズミは、アリスと再会します。アリスはカズミに、一緒にいたい、2人で探偵になろう、と必死に訴えかけます。
その言葉のどれ一つをとっても、カズミは全く同じ気持ちでした。でもカズミはうなずく事ができません。
探偵からも、怪盗からさえも認められる実力を持ったアリス。そんな彼女に追いつけていない今のカズミにとっては、アリス本人から真心のこもった優しい言葉をかけられるたびに、劣等感が強くなっていくのかもです。
けれど、、、カズミはやがて気づき始めているようです。アリスは、彼女の兄が(そして両親も)怪盗だったと知ってつらくないわけがない。それでも必死に自分を探偵に引き戻してくれようとしている。自分が首を横に振るたびにアリスの中には悲しみが降り積もっていくのに、このまま彼女を振り切ってしまって良いのだろうか、、、。
カズミは、自分がどうしたいのか、ここではっきりわかったのでしょう。アリスを苦しみや悲しみから遠ざけたい、ましてや自分がアリスを悲しませたりなんか絶対にしちゃいけない。その気持ちはもう、探偵とか怪盗なんていうものをはるかに超える感情なのではないでしょうか。
カズミは、アリスに対する自分の思いをはっきり理解したように感じられます。アリスの方はカズミを取り戻すのに精一杯でまだカズミほど気づいていないのかもしれませんけれど、「いつでもいっしょ」になりたい気持ちは、彼女達は同じように抱いているのでは、と思えます。
探偵としての自分達の立場や、「カラー・ザ・ファントム」との対決など、彼女達の周りにある問題はまだまだ解決していません。けれど、彼女達が気持ちを通わせられた今なら、解けない問題ではないと言えそうです。
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