とある科学の超電磁砲Ｓ 第１８話

　テレビアニメ「とある科学の超電磁砲（レールガン）Ｓ」、第１８話「お引越し」です。

　前回第１７話で、飾利は時々物思いにふけるような表情をしていました。何があるのだろうと思ったら、「お引越し」だったようです。衿衣はこれまで飾利の部屋で一緒に暮らしてきましたが、絆理が退院するのに合わせて、今度は絆理と一緒に暮らす事にしたのですね。
　もともと飾利は衿衣を保護する意味で同居していたわけですし、同じ施設にいた幼なじみの衿衣と絆理が同じ部屋に住むのは自然とも言えるでしょう。飾利もそのつもりで、衿衣達が一緒にいられるように手続きや荷造りなど様々な作業を手伝っていたみたいです。

　けれど、、、。喜ばしいはずの新しい生活の始まりが、飾利には切なくもありました。
　彼女と衿衣が一緒に暮らしていたのは、夏休みの間のほんの短い時間だけでした（テレビ放送的には何年もたっている気がしちゃいますけれど）。その間に飾利は一生懸命衿衣のお世話をし、また絆理が救い出された事件が解決した後は、２人で協力して生活するようになりました。衿衣が引っ越してきた時よりも、出て行く時の荷物の方がはるかに多くなっていたのは、彼女達がたくさんの思い出を一緒に作っていたからなのでしょう。彼女達のつながりは、時間では計れないぐらい濃密なものだったのではないでしょうか。その日々がもう消えてしまう事が、飾利にはとても寂しかったのですね。

　では衿衣の方は、、、。ずっと探し求めていた絆理が救出され、体も回復してやっとまた前のように一緒にいられるようになったのですから、これはとても嬉しいでしょう。皆と話している時もいつもにこやかにしていました。でも本当は、彼女だって飾利と離れるのはとても寂しい気持ちだったようです。
　お互いに同じ思いだった事に気づいた飾利と衿衣は、もうその感情が抑えきれなくなってしまいます。抱き合う２人を、涙子達は止めませんでした。その場にいた彼女達は皆、飾利と衿衣の間に通う暖かな気持ちを、そっと見守っているようです。

　涙子は昔、飾利のお世話をしてあげた事があったようで、飾利はそれをとてもありがたく思っているらしいです。その時してもらって嬉しかった事を、今度は彼女が衿衣にしてあげました。そして次は衿衣の番。彼女は絆理の新しい生活のお手伝いをしてあげたいと考えているようです。こんな風にして、優しさが次々に受け継がれていくのは素敵な事ですね。

　衿衣や絆理の関係では、飾利は頑張りすぎる場面もあったみたいで、引っ越しの準備にしても、涙子達には何も言わずに進めていました。涙子はそれを寂しく思っていますが、でも衿衣と絆理が一緒に暮らすようになったら、その後はまた飾利と元のようにじゃれ合える(?)ようになるのでは、と思えます。
　涙子には下の兄弟がいるそうで、つい飾利に対してもお姉ちゃんっぽく振る舞ってしまう時があるようです。でも飾利とは同じ学年ですから、もっと同じ目線でふれあえるようになれば、より愛情も深まっていくのでは、とも思ったりします。

　また涙子は、前回もそうでしたけれど、美琴が慌てる姿を微笑ましい表情で見ていますね。「都市伝説ハンター」の彼女なら、美琴の謎にどんどん突っ込んでいきそうな気もするのですけれど、ここではにっこり笑って見守っているだけです。彼女としては、実は美琴が誰の事を隠しているかなんて興味がないのかもしれません。
見ていたいのは、美琴の姿なのかも。
　第１期の第１話で初めて美琴に出会った涙子は、美琴が小さな子を救おうと戦う姿を見て「かっこいい」と感じていました。あれからまだ１ヶ月ぐらいしかたっていませんが、彼女への印象は「かわいい」に変わっています。涙子の中で美琴への気持ちは、憧れから愛しさへと変化しているのでは、とも思えます。

　黒子も、「引っ越し」というキーワードでは思い出があるらしいです。以前からちょこちょこ話題には出てきていますが、彼女はある日美琴に押しかけてきて一緒に暮らすようになったそうです。その時も何か事件（もめ事？）は起きていたでしょう。それに寮の慣習をひっくり返してでも上級生の美琴と相部屋になろうとするぐらい、黒子が美琴に惹かれるようになったきっかけというのも気になります。その辺りがこれから描かれる事はあるでしょうか。

　そんな彼女達の周りで、また少し変化があるようです。光子、絹保、万彬に街で文句をつけてきた（あの言葉は、普段黒子が美琴に言っている小言にそっくりなような。光子が（美琴のような）進んでもめ事に首を突っ込むタイプとは思えませんが、、、絹保と万彬の前でいい格好をしたかった、とか？）眼鏡の青年は、仲間達（砥信も？）と何かをしでかそうとしているらしく。また美琴達の前には新キャラが。今度はどんな事件が起きるのでしょうね。

・「とある科学の超電磁砲」レビューリスト、レビューセンター