きんいろモザイク 第4話
テレビアニメ「きんいろモザイク」、第4話「あめどきどきあや」です。
忍の誕生日がきていたそうなのですが、本人も気づいていなかったほどだったため、アリス達はプレゼントを用意する事ができませんでした。なのでアリスは教室で、気持ちを込めてお祝いの歌を歌っています。日本語が上手な彼女は、忍に思いを伝えようと日本語で歌うのですけれど、、、忍的には英語で歌ってほしかったみたいです。
その後アリスとカレンは、プレゼントを用意して忍にあげています。日本好きのアリスのプレゼントは、自分の目で見て納得して選んだのでしょう、きれいな柄の扇子です。一方カレンは、外国の切手を持ってきました。
イギリスやフランスといった外国に強い興味のある忍にとって嬉しいのは、この場合やはり切手の方なのでしょう。(さらに、カレンに少しライバル心を抱いてしまったアリスは、テストの成績がカレンより良かったと知ってにやにやしていますが、カレンと忍が同じ点数だったと盛り上がっているのを見て切ない気分になっています。)
アリスは忍が大好きで、忍の喜ぶ顔が見たくて、いつも一生懸命考えて行動しているのですが、ここでは忍を楽しい気持ちにさせる事はできなかったようです。自分がしてもらって嬉しいものなら相手にしてあげても同じように感じてくれるはず、という考えは、場合によっては自己中心的になり、的外れな結果になってしまうのかもです。忍の立場や好みを考えて行動できれば、もっとお互いに喜びを分かち合えるのでしょう。後もうちょっとだけ踏み込めれば、アリスもそんな風になれるのでは、という気がします。
そして実は忍の方も、アリスを喜ばせるにはもう少し何かが必要なのかも、と感じられます。忍の姉の勇は、忍への誕生日プレゼントと一緒にアリスにもおみやげをあげています。アリスの趣味をきちんと理解している勇のこの対応に、アリスは大喜びしていて、忍はちょっと寂しくなっています。
「金髪少女」という名目ばかりを追いかけて、時には怪しげなリアクションまでしてしまう忍(その様子は、パソコンのエピソードで綾や陽子が想像していましたけれど、忍にパソコンを触らせたら本当にそうなってしまいそうなぐらいの雰囲気がありますね)。彼女にはアリスという女の子をちゃんと見つめてあげてもらえると良いかもです。
でも、2人はお互いを求める気持ちをいつでも持っているのですね。後半の場面では少しの間一緒にいられなかった彼女達ですが、離れている時はずっと相手を思い続けていたようです。
それに前半の場面では、忍ははっきりと「私にとって、アリスと一緒にいられる事が最高のプレゼント」と言っています。こうやって思いをはっきり言葉に表す事も、お互いの愛情を確かめられる大切な手段なのでは、という気がします。
(ところでカレンはどういう気持ちを持っているのでしょうね。第3話では忍に対して、他の人とは違う何かを感じていました。といってもそれは、アリスが忍に対して抱いている感情とはまたちょっと別のようにも感じられます。忍はとても優しくて、この第4話でも、アリスとカレンの間に挟まれて取り合いをされた時に、愛のある言葉で2人を「浄化」していました(2人の金髪美少女に迫られ、両手に花状態で喜んでもいましたけれど)。カレンは忍に、甘えても受け入れてくれるような懐の広さを感じているのかもです。彼女はA組で、隣の席の子をはじめ、クラスメイトとも仲良くなり始めているようです。またアニメ本編には(まだ)出てきていませんが久世橋先生もいますし、カレンは忍やアリスとは別の意味で親しくなれる女性を見つけられるのかもしれません。)
という忍とアリスの関係もありつつ、後半では綾と陽子の気持ちのやりとりがクローズアップされます。陽子の下駄箱に手紙が入っていた、と聞いただけで、綾はとても焦っています。下駄箱に手紙なんて、ラブレター以外にない。だったら誰が陽子に、というか陽子はどうするつもりなの、と考え始めてしまって、綾はもうその事ばかりが気になって仕方がありません。
いったん自分が持ったその手紙を陽子に返したくなくてささやかな抵抗をしてみたり、いよいよ陽子が手紙を読むという時には思わず涙があふれてきたり、もう何だかいじらしいですね。
それに綾は、陽子がラブレターをもらったと思った時からずっと動揺している自分に気がついているのですよね。彼女は、「この気持ちはいったい何?」と自分に問いかけています。
また、手紙の差出人が女の子かもしれない、と忍達が言っていた時にも、綾は反応しています。陽子は女の子にももてそうだから、と皆は言っていて、陽子自身もその事を強く否定したりしていません。、、、もしかしたら、女の子の自分が陽子にラブレターを出してもおかしくないのでは、と、綾は思ったのかもしれません。それと一緒に、陽子にラブレターを出したいと考えるような気持ちを自分が持っていた事にも、綾は気づいたのでは、なんて思ってしまいます。実際の所はよくわかりませんけれど、綾の表情を見る限り、彼女は陽子だけに特別な感情を抱いていると言えそうです。
それでは陽子の方はというと、、、彼女らしく真正面から、自分の気持ちを綾に伝えています。その表情には何の曇りもなく、彼女の言葉が嘘や気遣いなどではない事がわかるのではないでしょうか。
綾は、陽子の言葉をまともに受けて、何も言えなくなってしまいます。ほしい言葉をくれる陽子に、綾はますます強い愛情を抱いていくのでは、と思えます。(ちなみに忍も、ラブレターでアリスをどきどきさせたい気持ちはあったようですね。ここではちょっとしたいたずらみたいなものでしたけれど、いつかは本当に、愛情のたくさんこもった手紙を送って、アリスをときめかせてしまうかもです。)
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