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2013年7月22日 (月)

きんいろモザイク 第1話

 テレビ放送が始まったアニメ「きんいろモザイク」を見てみました。第1話のサブタイトルは「ふしぎの国の」です。

 前半では、忍が昔イギリスにあるアリスの家にホームステイした時のエピソードが描かれています。確か原作では、単行本を見る限りでは、ホームステイの様子ってほんのちょっと、ほとんど4コマ分ぐらいしか語られていなかったような気がします。でもこのアニメ版でも、忍やアリスらしい雰囲気がとても出ていますし、彼女達がだんだん仲良くなっていく様子が丁寧に描かれていて感動的ですね。

 忍は1人でイギリスに渡ったようです。知らない場所で不安も多いのでは、とも思えるのですけれど、それよりも憧れの場所に来られた喜びの方が何倍も大きいみたいです。それに彼女って、こういう場面では意外と強いんですよね。物怖じしないというか、大好きなものが目の前にあれば、他の些細な心配事などは気にならないようです。
 絵柄的にも、空港、駅、市街地、自動車の窓から見る景色、アリスの住む町などが細やかに描かれていきます。本編前半ではこの風景の中で物語が進み、忍とアリスのふれあいを暖かく見守る印象になっている感じです。

(ところでコミック作品をアニメ化する時って、オリジナルのストーリーを入れる加減が難しいような気がします。原作の物語だけを描いていくとすぐに原作に追いついてしまってちょっともったいないようにも思えますし、かといってアニメ独自の部分が多くなると場合によっては原作のテイストが失われがちになる可能性もありそうで、、、。ですがこの作品については、この第1話では、オリジナルな部分をたくさん取り込みつつ、それでも原作らしさのあるコミカルでほのぼのした雰囲気がキープされているように思います。原作コミックを大切にアニメ化しているように感じられます。
 この分なら、1クール1期だけでなくもっとたくさん制作されても良いような? その辺りはどうなるでしょうね。(そういえば、次回予告で4コマ漫画を使う方法って、芳文社の別作品になりますが「ひだまりスケッチ」のアニメなどでも使われています。だからというわけではないですけれど、あちらは3期、4期と作られていますし、同じようにこちらの作品も長続きすると楽しいかもです。))

 イギリスでの場面の中では、原作に描かれているエピソードにつながるものもところどころ見られます。カレンの家族が旅行好きとか、忍がかんざしは人を刺すものだと思っていたとか、、、。アリスの飼い犬のポピーも出てきていますし、クロスワードパズルの本を買ったアリスが嬉しそうにしているカットもあります。それと、2人が相手の国の言葉をほとんど話せていない状況についても語られています。忍は「ハロー」、アリスは「コンニチハ」と「アリガト」ぐらいです。
 また、忍が日本風にバスタブにお湯を張って準備し、そこへアリスが入ってお湯にのぼせる、という場面もあります。原作では、アリスは日本に来て忍と一緒にお風呂に入りたがらないのですが、もしかしたらこの経験が苦い思い出になっている、とか?

 忍がやって来た最初の頃、アリスはなかなか彼女と親しく話す事ができませんでした。人見知りが激しかったのが原因のようです。(アリスの両親もそれを心配していたから、忍のホームステイを受け入れた、なんて事情もあるのかもですね。)
 アリスは、母親の後ろに隠れたり、ドアの陰に隠れたりしながら、それでも忍の事を見つめていました。同い年ぐらいのキュートな日本人、忍を見た瞬間から、彼女は目が離せなくなっていたのかもです。
 一方で忍も、目の前の可憐な金髪少女にハートを奪われてしまいました。気持ちの赴くままに(?)アリスを追いかけ回して、、、アリスは「日本の女の子って怖い!」というイメージを持ってしまいます。
 忍のあの猪突猛進は、追いかけられる側にとっては確かにちょっと怖いかもしれません。でも忍本人は、おっとりしていて優しくて包容力のある女の子なんだと、アリスはやがて気づいていくようです。

 1週間のホームステイの期限が近づいてくると、2人は離ればなれになるのが寂しくなってきてしまいます。同じベッドに一緒に寝る事で、彼女達はお互いに、相手に対する親密な気持ちを確かめられたのではないでしょうか。
 忍が旅立つ所の流れもなかなか良いですね。2人は離ればなれになるというのに、使っている言葉は「ハロー」と「コニチハ」だけ。コミカルなエピソードではありますけれど、でも彼女達の気持ちはちゃんとつながっています。笑えて、感動できる場面なのでは、と思えます。

 その後忍達は高校生になり、物語の舞台は日本に移ります。ここから、大宮忍、アリス・カータレット、小路綾、猪熊陽子、九条カレンのきらきら輝く日々が始まるのですね。

 忍達の通う学校は一応共学校ではありますが、クラスの場面でもあまり男子は多く出てきていません。忍達が描かれる時は、周りにいるのがほとんど女生徒だったりしていて、作品の雰囲気を支えているように感じます。
 雰囲気で言うと、アリスやカレンの英語も印象深いですね。アリス役の田中真奈美さんとカレン役の東山奈央さんはもともと英語がお上手だそうで、さらに英会話学校の「COCO塾」で指導を受けたりもしているのだとか。英語を話す場面はこれからもいろいろ出てくるでしょうし、忍が喜びそうなシチュエーションが展開されていくかもです。(それから、テレビ放送ではCMにも英語が出てきていますね。芳文社のコミックス紹介をアリスやカレンが英語で行っています(といっても作者名や作品のタイトルはほとんど日本語ですけれど)。字幕付きの芳文社のCMというのもかなり珍しいのでは? それと、忍の通訳の的外れ加減も面白いです。)

 さて百合的には、、、もともと作品的にあまり激しい百合はない感じですし、アニメ版でも女の子達の暖かなふれあいが描かれている印象です。この話数では描かれていませんけれど、忍が烏丸さくら先生に憧れているのを知ってアリスは焼き餅を焼いたりします。忍に会いたくて1人で留学してきたアリスには、今まで忍1人の思い出しかありませんでしたから、忍の住む世界、周りの人々を知るたびに、忍が自分だけのものではないんじゃないかと思わされる事もあるでしょう。でも、アリスに向けられる忍の優しいまなざし(と、金髪を愛する怪しい視線?)は、昔から変わらない、アリスのためだけの愛情なのですよね。迷う事があっても、そのたびに何度でも、忍はアリスへの愛を示し続けるのではないでしょうか。

 後は、綾と陽子の関係にも期待したいですね。原作では、話数が進むにつれて綾から陽子への愛情が強まり、また陽子も綾を一番大切に思っている事をさらりと言ったりもしています。彼女達のやりとりは、アニメ版ではどのように描かれていくでしょうか。
 もう一つ、久世橋先生が出てくるのかどうかも気になります。カレンと久世橋先生が親しくなっていく様子にも、愛があふれていると良いですね。

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