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2013年7月 1日 (月)

ドキドキ! プリキュア 第21話

 テレビアニメ「ドキドキ! プリキュア」第21話「トランプ王国へ! 王女様を救え!」です。

 レジーナは、透明な石に封じ込められたアンジェ王女とともに、ジコチュートリオに連れられてトランプ王国へと行きます。そこにいるのは、街路を埋め尽くす大量のジコチューと、その親玉のキングジコチュー、彼女の父親です。王国の人達はハートを奪われ姿を変えられていますし、王女も身動きがとれません。

 王国は今、完全にジコチューが支配しています。そんな場所でたった1人、キングジコチューに背くような事を言ったらどんな目に遭うか、、、。たとえ娘であったとしても、ただでは済まないはずです。

 大きくて、強くて、怖い父親に、それでもレジーナは食い下がります。怒鳴り散らされて震え上がっても、自分の意見だけは曲げませんでした。
 彼女にそこまでさせたのは、マナへの気持ち、なのですよね。以前の彼女なら、自分が被害に遭わなければ、他の人がどうなっても別に何とも思わなかった所でしょう。けれど今は違います。自分とはもともと無関係だった人間界を救おうとしています。
 学校や町や、そこに住む人々を攻撃しないように、レジーナはキングジコチューに頼んでいますが、それはつまり、マナのいる世界を壊したくないという思いからなのではないかと思えます。学校でも、屋外美術館に行った時も、おいしいアイスを食べた時も、レジーナの目の前にはマナがいました。マナの笑顔が見られなくなる(具体的には、マナがジコチューに変えられてしまうか、それとも命を奪われるかもしれません)のはどうしても嫌、と彼女は胸の底から願っていたのでしょう。

 そしてレジーナは、自分がそんな風に思う理由についても、はっきり言葉にはできなくても、気がついていたのではないでしょうか。キュアハートとレジーナがピンチに陥った時、レジーナはハートに(変身前の名前(=マナ)を使って)尋ねています。「私とマナは、何なのかな」と。自分の胸の中にあるものに、マナの口から名前をつけてほしくて、マナも同じ気持ちを抱いているんだという確証がほしくて、彼女はこういう聞き方をしたのでは、と思えます。

 ていうかもうこの辺りからの一連の流れが、、、! 何というか百合な感情に悩む気持ちが全面に現れている感じなんですよね。
 質問されたマナは、明るい笑顔を浮かべて、レジーナと自分との関係を「友達」だと言い切ります。レジーナの頭の中には、「友達」という言葉を聞いた記憶が駆け巡り、最後に出てきたのは、マナが、自分とだけじゃなく皆と友達になろう、と言う場面。レジーナはわざわざ「私とマナは」と、2人だけの関係について聞いているので、「皆」とのつながりを示す「友達」という言葉は、2人にはふさわしくないと感じたのではないでしょうか。すぐ後に「マナは、変わらないね」とつぶやく言い方が、何だか少しやるせない雰囲気でもあります。

 もっとちゃんとした答えを見つけるため、レジーナは続けます。マナに優しくしてもらうとどきどきする、マナが苦しんでいる時は胸がずきずきする、今まで一度も味わった事のない気持ちが渦巻いているのを、彼女はマナに正直に伝えます。
 すると、マナはその気持ちに名前を与えてくれました。それは「愛」だと。
 マナの言葉を聞いたレジーナは、今度はしっくりきたのでしょうか、納得できたみたいです。表情もとても穏やかになっていますね。

(ここでちょっと気になるのは、マナがどう思っているか、だったりします。自分に愛情を向けてくる相手に向かって、それは「愛」だよ、と言うのは、、、自分が愛されちゃってます、って自分から言っているような雰囲気もあるのですけれど。まあマナとしては別に自慢したいわけではなくて、誰かが誰かを愛するのはとても素敵だと純粋に思っているのかもです。(ちなみに別作品でも似た展開があった気がします。))

 マナへの愛を確信したレジーナ。でも次の瞬間、彼女は自分から自分の命を絶とうとします。この場面も、百合的には意味があるように思えます。
 今までの仲間をすべて敵に回したばかりか、自分の肉親にまでたてついた原因が、女の子同士の愛情だったんだと、レジーナは知ってしまいます。この気持ちは絶対に捨てられない、だから仲間の所へ戻る事はもうできないし、親に保護してもらう事もできない。それだけじゃない、女の子同士で愛し合うなんて、マナが受け入れてくれるわけがない。

 そこまで考えたレジーナは、この気持ちを背負ったまま生き続けられる場所なんてもうどこにもない、と思ってしまったのかもしれません。だから彼女は手を離したのでは。そして、せめて最後に、マナにだけは自分のいつわりのない感情を伝えようと、彼女の耳元でささやいたのでしょう。

 彼女の行動に対してマナは、手がふさがっていたため両足でレジーナの体を挟み込んで支えました。場面的にアップになっているためどんな姿勢なのかはよくわかりませんが、周りから見たらとても不格好に違いないでしょう。それでもマナは、かまわずレジーナを引っ張り上げています。
 マナがしたのは、レジーナの命を助けた事だけではないように思えます。レジーナから見れば、マナは彼女の愛を受け入れた、というようにも受け取れますよね。マナにそこまでの心づもりがあるのかどうかはわかりませんけれど、少なくともレジーナにとってはとても嬉しくて、自分は生きていてもいい、マナを愛してもいいんだ、と感じたのではないでしょうか。
 これをきっかけに、レジーナからマナへのアタックがもっと活発になったりするでしょうか。マナには責任を持って(?)レジーナとの愛あふれるおつきあいを繰り広げてもらいたいようにも思います。

(ところでこの辺りの流れで、マナが、「私は大貝第一中学生徒会長よ!」と意気込む場面があります。根拠はないけど自信はある、だから私を頼って、という意味合いなのかもです。
 確か別の話数でも似た言い回しをしていたように思うのですけれど、これが彼女の決めぜりふの一つ、だったりするでしょうか。でも会長の座を次の代に譲ったらこのせりふは使えなくなっちゃうような? まあそうなったら新しい言葉を考えるのでしょうね。)

 といった感じで、百合的に解釈する余地はかなりある気がします。予告によると次は5人目のプリキュア、「キュアエース」が登場するそうで、プリキュア達の間でも百合な関係を広げていってもらいたいように思います。

・「ふたりはプリキュア」レビューリストレビューセンター

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