ゆゆ式 第９話

　テレビアニメ「ゆゆ式」、第９話「まじゃりんこ」です。

　これまで唯と縁が幼なじみパワーを見せつけても、ゆずこは割と平気な顔をしていましたし、そこにギャグをかぶせたりもしていました。けれどここではついに、寂しさを口に出していますね（ギャグもきっちりかぶせてきてますけど）。
　ラーメン、餃子、天津飯、、、そんなごくありふれた単語でも、唯と縁は「あー、あれね」とすぐにピンときてしまいます。２人の間には彼女達しかわからない思い出がある、そう感じて、ゆずこは胸の中では切なくなっているのでしょう。

　けど昔は確かに唯と縁の２人だったとしても、今は３人なんですよね。唯も縁も、言葉には出さなくてもゆずこを大切な仲間だと思っているはず。３人の思い出は、これから作っていけば問題ないでしょう。（その３人の関係は、ゆずこによれば「ちょっとねっちょりする」らしいです。単におしゃべりしたり一緒に行動したりするだけでなく、もっと近く、お互いの肌を感じるぐらい密接につながりたいと思っているのかも。）

　その後教室の中を振り返ったゆずこは、クラスメイトの皆がそれぞれにおしゃべりをしている事に気づきます。何十人もいるクラスの中で、自分達３人が一緒にいる事を感じて、お互いを特別な存在だと改めて認識しているようです。ゆずこと唯と縁、この３人だから今が楽しいんだと思っているのかもです。
　彼女達は、クラスメイトが自分達をどう見ているか少し気にしています。まあでもそこは安心していいのでは。第５話にも描かれているように、周りの人達は、彼女達が「やっぱり」百合な関係だと感じているみたいです。

　そんな風に「まじゃりんこ」している彼女達ですから、情報処理部にはやはり新人勧誘するつもりはあまりないらしく。でもこの回には、千穂が部室へ遊びに来ました。

　早速気を利かせて(?)ゆずこと縁は退散。少しの間、部室には唯と千穂の２人きりになります。
　最初は２人とも緊張していたみたいですが、すぐに打ち解けて、笑いながら話し合ったりし始めます。そして千穂は、唯の写真がほしいとおねだり、、、。この際、ゆずこや縁の写真はもう持ってるから、というのは、ハードルを下げるための理由付けだったりするでしょうか。もしかしたら、千穂は唯の写真をゲットするためにあれこれ言い方を考えてきたのかもですね。
　それでも本人を目の前にすると、もう耳たぶまで赤くして恥ずかしくなってしまいます。その結果撮れた写真を見てさらに真っ赤に。

　こうして、緊張したりどきどきしたり笑い合ったりできるのは、素敵な事なのではないでしょうか。もし唯達がそんな経験をもっとしてみたいと思うなら、どんどん部活の勧誘をして、新しい女の子達との出会いを増やしていったら良いのでは、とも思えます。彼女達の高校生活の間に、そういうエピソードは生まれたりするかな。

　ところでこの場面の最後でゆずこ達が戻ってきた時、縁はガムをかんでいました。これは、前に唯達と話していた時に、「高校に入ってからガムをかんだ事がない」と話題にしていたものです。
　それがなぜ今、ガムをかもうと思ったのでしょう。これって唯の注意が千穂の方へ向きそうになるのを、自分の方へ戻そうとする縁の作戦だったり、なんて？　もしそうだとしたら、縁の百合な心情もなかなか強いのかもしれません。

　以前は、ゆずこ達３人と千穂達３人の結びつきはあまり強くない感じがしていました。文字で書いてみると、「ゆずこ＆縁→唯←千穂←佳←ふみ」みたいな。千穂が唯を追っている点だけが唯一のつながりとも言えそうなほどです。
　でもこの話数では、佳やふみは縁のきれいな髪や「いいとこのお嬢さん」ぶりに興味を持ち始め、おかげで縁の方も２人を気にしています。また千穂がゆずこを「赤ちゃんみたいでかわいい」と言った事で、ゆずこは今まで以上に千穂に親しみを感じています。
　この雰囲気が続けば、彼女達はもっと仲良くなっていけそうです。皆で「まじゃりんこ」できる日も遠くはないかもですね。

（千穂がゆずこを「赤ちゃんみたい」と表現したのは、ゆずこ達３人が普段から頼子を「お母さん」と呼んでいるため、そこからイメージしたのかも、という気もします。他の場面でも、佳やふみが「どんな子供がほしいか」という話題で話し合っていて、千穂の事が挙がっていたりします。この作品では、母親と娘、という構図も一つのテーマになっているのかもしれません。）

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