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2013年6月 3日 (月)

咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A 第14話

 「スペシャルエピソード」としてテレビ放送ネット配信が行われているアニメ「咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A」、第14話「憧憬」です。

 この話数も、第13話と同じように30分番組としての枠をぎりぎりまで使っていますね。エンディング曲が流れる辺りでも物語が展開していて、準決勝の模様がたっぷりと描かれています。

 試合は中堅戦から副将戦、阿知賀女子は憧と灼の出番です。憧の卓では千里山の江口セーラが実力を発揮して、大きな上がりを連発しています。憧は白糸台の渋谷尭深を警戒していますが、セーラの方はおかまいなし、という勢いです。後で大きな上がりがあるとしても、それを上回る点を稼いでいれば問題ない、と考えているのでしょう。でもセーラが言っていたように、もし尭深がラス親になったら、どうなってしまうんでしょうね。白糸台がここを勝ち抜けるなら、決勝戦で何か起きたりするかも?

 試合中、セーラは、憧が小さい手で素早く上がろうとするのを少し見下していたようでもありました。でも配牌からすぐに手をまとめあげられる憧の才能は認めているのでしょう。試合後、「スキンシップ」で親睦を深めようとしていました。
 では憧の方はというと、セーラがやや苦手のようですね。いえ、正確にはセーラが持っている男子っぽさがちょっと怖いみたいです(セーラは普段学ランを着ていますし)。
 憧って、いつも元気があり勝ち気な雰囲気で、穏乃よりもずばっとものを言うタイプのように見えます。試合中も、セーラを「マニッシュ」呼ばわりして(胸の中で、ですが)、ライバル心をむき出しにしています。
 だから麻雀をする時は気迫で押される事はないとしても、本当の彼女はか弱い女の子なのでしょうね。しかも男の子よりは女の子のそばにいる方が気持ちが落ち着くようで、、、。もしセーラがおしとやかな面を見せてくれたら、憧はときめいちゃうかも?

 副将の灼は、千里山の船久保浩子とは2度目の対戦です。前回は浩子が、「研究対象」として灼に興味を抱いていました。その辺りでの浩子の反応を見ていると、単なる研究対象とは思えないほど気持ちが発展して愛情が、といった流れになるのかなと思ったのですけれど、(今の所)そんな雰囲気ではないですね。新道寺の白水哩、白糸台の亦野誠子といったつぶしがいのある(?)相手と戦っていてそちらに集中してしまっているのでしょうか。試合後に2人の間に何かあったりする、かな。

 灼は、「準決勝」には特別な思い入れがあるのですね。晴絵が超えられなかったインターハイ準決勝、そこを自分達の手で突破してみせる事が、幼い頃の自分に夢を与えてくれて、今はチームのコーチとして指導してくれている晴絵への恩返し、のような意味もあるのかもしれません。
 それも、単に勝つだけではありません。晴絵の打牌のスタイルを卓上で再現し、それを使って相手を打ち負かそうとしています。これは、10年前の晴絵のやり方が間違っていなかった事を証明する意味があるのでしょう。そしてもう一つ、晴絵と気持ちを一つに重ねたいという思いもあるのではないでしょうか。

 晴絵から推薦されて、灼は阿知賀女子麻雀部の部長になりました。その時の灼は、理由はともかく、晴絵が自分を選んでくれた事を素直に喜んでいた、とも感じられます。
 やがて、部長ならではの様々な仕事を、彼女はこなしていく事になります。県大会予選の手続きだけでなく、学園側と折衝したり部費を獲得したりする必要もあるでしょう。県大会で優勝すれば様々な所で取り上げられますし、後援会などできたらそちらへの対応も求められます。学園での壮行会では、全校生徒の前で挨拶も、、、。灼も、ここまでいろいろな仕事があるとは思わなかったのでしょう。

 けれどこれは、晴絵が通ってきた道でもあります。小さかった灼には気づけなかったでしょうけれど、10年前には晴絵が同じようにして全国大会へと旅立ち、戦ってきたのですね。
 自分も晴絵と同じ立場に立てた、と実感できて、灼は嬉しくて、胸が温まるような気持ちになったのでは、という気がします。打ち筋を真似するだけではなく、晴絵と一つになれたと思えた事が、彼女に喜びと、試合を勝ち進む勇気を与えているのではないでしょうか。

 一つになる、という点では、新道寺の副将で部長の哩と、大将の鶴田姫子の結びつきも強いですね。哩が上がったのと同じ局に、次の試合で姫子が倍の飜数で上がる、という能力を2人は持っています。これまでこの作品では様々な能力を持つ女の子達が登場していますけれど、2人が連携するというタイプはあまりないでしょう。
 哩は、自分に枷をはめる事で、後に続く姫子に希望をつないでいます。打ち筋に苦しんだとしても、上がれれば後で姫子がもっと稼いでくれる、それが哩の希望にもなっているのでしょう。
 では姫子の方はというと、哩が戦っている間は、待つしかできないのですね。哩が与えてくれる「鍵」を受け取るだけの自分を、彼女はとても情けなく思っているかも、という気がします。それだけに、自分の試合になったら哩の努力に精一杯応えようとするのでしょう。そうやって、彼女達の絆はより深くなっていくのでしょうね。

 全国大会も準決勝となってくると、強い能力を持った選手がたくさん登場します。この能力が卓上で激しくぶつかり合い、なかなかお互いに譲らない展開になっていますね。
 そこには、勝利を目指すだけではなく、大切な女の子のために戦う、という女の子達の決意が表れているように思えます。白熱する試合とともに、女の子同士の絆がヒートアップしてくるのを期待したいです。

・「咲-Saki-」レビューリストレビューセンター

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