ドキドキ! プリキュア 第7話
テレビアニメ「ドキドキ! プリキュア」第7話「ギリギリの戦い!
さらば、プリキュア!!」です。
ベールの策略でこの世界からはじき飛ばされたキュアハート達。たどり着いたのは、キュアソードの故郷、トランプ王国でした。 かつては平和に包まれ、国民の顔にも笑顔が満ちていたこの国も、今は荒れ果ててしまっています。人影はなく、いえ、それどころか王国の人々のハートはジコチューに変えられてしまい、マナ達を襲ってくるほどです。そして王国のそばには、ジコチュー達の親玉、キングジコチューの巨大な姿がそびえ立っています。今は動きを封じられているため攻撃される危険はありませんが、マナも感じていたように、このシチュエーションはとても恐ろしくて、重々しい風景と言えそうです。
これが、キュアソード、剣崎真琴のいた世界の今の姿です。マナ達でさえ愕然とするような雰囲気ですから、この国が平和だった頃を知っている真琴はなおさら、今のこの状態を嘆いているのでは、と思えます。
このビジョンが描き出された事で、物語の展開は一挙にシリアスな暗めの方向に行ってしまうのかなとちょっと心配になったのですけれど、必ずしもそうではないようですね。マナ達も、ジコチューに征服されたら地球がどうなってしまうか知った上で、明るく振る舞っています。
ベールと向かい合った時も、自分達を絶望させようとする相手の言葉を、マナは大声で笑い飛ばしています。この時は、確かにマナの推測は、六花の観察眼を超えるほど鋭いものでした。でもマナの予想が正解だったとしても、実際にうまくやり過ごして自分達の世界に戻るのは至難の業のように思えます(実際、マナ達は他の方法で地球に戻っています)。それでもあきらめず、自分を励まし、同時に仲間にも勇気を与えられるのが、マナらしい所なのかもです。
百合的には、真琴が語っていく中で描かれる、アンジェ王女とのエピソードがなかなかですね。トランプ王国では、キュアソードは歌姫としてステージに立っていたようです。大勢の観衆と、主賓席に着いた王女に見守られて、彼女は国の平和を喜ぶ歌を歌っていたりしたのでしょう。
王族と、その臣下の者。彼女達を見る人々は誰も、2人がそんな関係だと信じて疑わなかったと思います。でも本当はちょっと違うのですよね。
主賓席から小さく手を振るのが、王女からの合図。キュアソードはそれを見ただけで、うれしさに頬を赤く染めています。 あの合図は、後で2人だけで会いましょう、という意味なのでしょう。キュアソードは、ステージが終わると早速、(ダビィを連れてではありますが)花の咲き乱れる王宮の庭園へと向かいます。
彼女達が2人だけでいる時は、特別な時間らしいです。身分の違いなど関係なく、彼女達は親しく話し合っています。 キュアソードの方はまだかしこまっているようで、自分を「アン」と呼んでほしいと王女から言われていても、なかなか実行できずにいます。これは、国民の1人として王族を敬う気持ちの表れとも言えそうです。またもう一つ考えられるのは、そんなにすごい女性と自分は仲良しなんだという事を確認するための行動だったりするのかも、とも思えます。
ちょっと大事なのは、アンジェが「女王」じゃなくて「王女」だという事ですね。見た所でも、真琴やマナ達より少し年上ぐらいでしょうか。この位置づけなら、キュアソードとアンジェは気兼ねなく気持ちを伝えあえる親しい関係になれそうです。百合的に考えれば、当然その関係には恋愛感情も含まれるでしょう。
アンジェは、普段は優しい物腰でおとなしく振る舞っているようですが、戦いになれば自分から鎧を身にまとい先陣を切るような勇ましさを持っています。鎧姿がまた様になってますよね。こんな風に、美しいだけではなくりりしさを持っている所に、真琴は惹かれているのかもです。アンジェにまた会う事ができた時、アンジェとキュアソードはどんな表情を見せ、どんな言葉を交わすのでしょう。その辺りも見所になるのでは。
(やや気になっているのは、次回に赤ちゃんのキャラが登場するみたいなのですよね。この子はアイキャッチにも既に登場していて、重要な役割を持つように思えるのですけれど、、、これがアンジェの変化した姿だったりすると、百合なテイストは出しづらい、かな?)
そう、今はアンジェと真琴は離ればなれになっています。一緒に逃げる途中、ジコチューの軍勢を食い止めるためにアンジェが残り、キュアソードを送り出してからというもの、2人はまだ再会できていません。
そして今度は、マナ達と真琴が離れてしまいそうになる場面が描かれています。崩れた回廊から落ちそうになった真琴の手を、マナが握って支えます。真琴はマナに、手を離してマナだけ先に逃げるように言います。
この瞬間、真琴は思ったのではないでしょうか。自分はまた、大切な人とつないだ手を離そうとしている、もしそうしたら、今度もまた相手と離ればなれになってしまうのではないか、と。そんな絶望的な気持ちが、真琴の胸をよぎったのかも、という気がします。
ですが、そういう事態にはなりませんでした。マナは真琴が何と言おうと決して手を離しませんでしたし、さらに六花とありすも手を添えて、ついには真琴を助け上げます。
これが、彼女達の絆の強さなのでしょう。4人は口には出さなくても、同じようにお互いを大切な人だと思っているように感じます。
と同時に、真琴は、アンジェの手を離さなければ良かった、と痛切に思ったかもしれません。アンジェが何と言おうと決して手を離さなければ、少なくとも相手を見失う事はなかったのではないか、、、。真琴にとってこれは、マナ達に近づけた喜びを感じるのとともに、アンジェに会えない悲しみを改めて思い知らされる場面だったと言えそうです。
前回第6話では邪魔されてしまった真琴とマナ達が、ここでついに手を触れあう事ができました。前にも書きましたように、「プリキュア」シリーズのシンボルとも言える手のふれあいが、このような形で感動的に描かれているのは素敵ですね。
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