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2013年1月 3日 (木)

ひだまりスケッチ×ハニカム 第11話

 前半のエピソードでは、ゆのと宮子は吉野屋先生
の家へお手伝いに行きます。そこでいろいろ出来事が
ありますが、何かにつけて2人はふれあう場面が多い
ような。そして後半では夏目が、、、。沙英との距離も
かなり近づいたみたいですし、沙英も夏目を意識する
ようになったのでは。2人でいる場面なんてもう青春、
って感じですね。

 テレビアニメ「ひだまりスケッチ×ハニカム」、
第11話「12月22日、 お姉ちゃんだったの
ですね
」、「12月21日~24日、 うろおぼえ
うた
」です。
 吉野屋先生が、増えすぎた個人所有の美術書を学校の
図書館に寄贈すると聞かされ、ゆの、宮子、中山、真実
の4人は休日に先生の家へとやって来た。が、入り口では
怪しげな誓約書を渡され、エプロンを着けさせられて部屋
へと通される。中はちょっとどころではないほど乱雑に
本が散乱していた。本を運ぶだけかと思っていたゆの達は
思わぬ重労働の予感に多少ひるんだが、ここまで来たの
だからと気合いを入れて本をまとめる事にする。

 前半のエピソードでは、吉野屋先生の家が舞台になって
います。ゆのと宮子は以前に来た事があるためある程度
気持ちの準備(?)はできているようですけれど、他の
2人には驚きの連続だったのかも。
 途中で先生の弟と甥っ子が登場しています。これで
吉野屋先生が「お姉ちゃん」だった事がわかります。
家族が感じる先生の印象は、ゆの達とあまり変わらない
らしく、やはりとても個性的な人のようです。でも家族や
教え子を気遣い心配する気持ちがとても強い、とても
優しい人なのですね。

 そして後半のエピソードでは、夏目がひだまり荘へ
招かれる事に。しかもクリスマスイブのパーティです
、、、!
 思い起こせば第2話で、彼女は沙英からひだまり荘へ
遊びに来ないかと誘われていたのですよね。でもあの時
って、5月。それから半年以上もたってようやく実現
したようです。この分だと、その間、沙英は夏目に
遊びに来る予定とかを全く聞いていなかったんじゃないか
という気がします。そう思うと、第4話の水泳大会の
時(時期は9月です)の、夏目と沙英の会話の雰囲気も
納得できるように感じます。
 あの時は、今日で学校のプール納めだというその日に、
沙英は夏目に「泳ぎを教えようか」と軽く言っています。
実現する可能性が低い約束を簡単にする沙英に向かって
夏目はとうとう怒り出してしまいます、「安請け合い
しないで」と。あの怒りには、何ヶ月も前に誘って
くれたのにまだ実現していない「ひだまり荘への招待」に
対する絶望的な気持ちも含まれていたのでしょうね。

 それがやっと、ここで実現する事になります。でも
また沙英は、最初に軽い調子で、「今から」みたいに
言っているんですよね。この「適当な誘い方」に、夏目は
やはり怒ってしまいます。夏目だって本当は、ひだまり荘
に(というか沙英の住んでいる場所に)行ってみたい
気持ちが強いはず。ですからこんな所でつんけんしたくは
ないと思うのですけれど、やっぱり許せない事だって
ありますよね。

 そこで沙英が出した案は、クリスマスイブのパーティ
へのお誘いでした。さらりと言われたために夏目は一瞬
耳を疑ってしまったようです。でも本当だとわかると、
こだまするぐらい大きな声で叫んでしまいました。

 ここでの反応が、彼女にとって重要なポイントだった
気がします。これまでのような、ライバル(を装って何とか
相手に近づこうとする)という立ち位置だったら、たぶん
彼女は無理して(以前よくしていた、彼女のファイティング
ポーズ
とも言える手を頬に当てる仕草をしながら、
「私にだって用事ぐらいあるわよ」なんて言って)突っぱねて
いたかもしれません。それだと、せっかくのお誘いが
水の泡になる危険性も、、、。
 でも実際の夏目の返事は、首を強く横に振って「全然!」
というものでした。このおかげで、彼女は本当にひだまり荘
に行けるようになったのですね。彼女がちゃんと自分の
考えを伝える事ができて良かったなと思います。

 夏目の小さな勇気が押し開いた扉の先にあったのは、
夢のような世界でした。皆にこにこしていて、ちょっと
したゲームやおしゃべりをしているだけでも嬉しくなって
しまう、とても暖かな空間。人見知りが激しいと思い込んで
いた夏目も、ついついゆの達後輩とのふれあいを楽しんで
います。
(乃莉となずなが目隠ししてケーキを切る時は、うまく
サポートもしていました。あの後はもしかしたら、前に
智花が来た時のように、ケーキを7等分したのかもですね。
それにしても、寄り添って座った乃莉となずなが、一緒に
ナイフを持って「ケーキ入刀!」って、、、。意味がわかって
やっている、のでしょうね、たぶん。)

 そしてパーティの後、7人の中でこの場所を離れるのは、
夏目だけです。さりげなく沙英が立ち上がり、彼女を
送っていく事に。
 クリスマスのイルミネーションが輝く通りの様子は
ロマンティックで、そこを歩く彼女達の姿は、恋人同士と
言ってもかまわないですよね。ぽつりぽつりと言葉を
交わす感じからも、(少なくとも夏目は)この時間を
大切にしているんだなと思えます。
 最初で最後のひだまり荘でのクリスマスイブ。夏目は、
6人の輪の中に入るのは初めてでしたが、その雰囲気は
既に知っていました。なぜなら去年沙英が書いた短編
小説の中で似たような世界観が、、、。

 という所で、夏目が沙英だけにはずっと隠してきた
秘密がばれてしまうのですね。そこからは夏目も沙英も
真っ赤になってしまって、本人達は何を言っているのか
わからないほどだったのではないでしょうか。
 夏目の「しまった!」もかわいらしくて良いですし、
2人が去り際に交わす挨拶も、何か青春、って感じです。
それぞれの家へ戻った後の反応も見物かもですね。

 ひだまり荘の住人の中では、乃莉とヒロが、何かに
気づいているようです。彼女達の間に、クリスマス
らしい素敵な事があったのではないか、と。
 でもここでは、ヒロにはもう少しだけ控えめでいて
もらいたかった気もします。そりゃあもうヒロは
気遣いもできますし、うぶな夏目や沙英に比べれば
恋愛的な心情についてはずっと詳しいでしょう。
それに沙英の隣にいるべきなのは彼女だという事は、
わかりきっているぐらいはっきりしていると言えそう
です。
 ですがこのエピソードについてだけは、夏目と沙英
に花を持たせてもらいたかったように思えます。
演出として、ヒロは画面内でもあまり前に出すぎない
位置にいて、夏目と沙英がお互いをつい思ってしまう
場面をたっぷりと描いてもらいたかったかも。とは
いってもまあこの話数では、この2人の関係については
きちんと取り上げられていると言えるのでしょうね。

 これまで夏目が挑発的な態度(本当は彼女はそう
したくはないのでしょうけれど)をとる事もあり、沙英
は彼女に対してけんか腰になったり軽くあしらったり
する事が多かったようです。けれどこうなれば、もう
意識せずにはいられないですよね。お互いに強く意識
し始めた夏目と沙英。卒業までは少ししかありません
けれど、その間にだって何か進展があっても良さそうな
気がします。

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コメント

夏目が可愛くて紗英は男前で最高のエピソードでした。

投稿: ジョーンズ卿 | 2013年1月 9日 (水) 22時21分

2人で街を歩いている場面とか特に良いですね。
夏目が沙英のファンだとわかってからの彼女達の
やりとりなどももうかわいらしくて。素晴らしい
エピソードです。

投稿: ギンガム | 2013年1月 9日 (水) 23時53分

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