コミック百合姫2012年11月号 その2
新連載の「月と世界とエトワール」では、麗しい世界観が
広がっていますね。この中で女の子同士の恋がどんな風に
実っていくのか気になります。「ゆるゆり」では、ちなつと
綾乃、2人の恋する女の子が活躍してます。読み切りの
「欲望パレード」では、みなみが(そしてミキが)本当に
恋する気持ちを見つけられるかどうかが見所ですね。
発行一迅社、コミック百合姫2012年11月号を
見てみました。以前に別の記事でも書いています
ので、よろしければそちらも見てみてください。
では前に書いたもの以外の作品について一部
ご紹介、、、。
(・作品名(作者名(敬称略)))
・欲望パレード(ちさこ)
服にバッグにネイルに食事、かわいいもの、おいしいもの
が大好きな女子大生の藤井みなみはとにかくお金が欲しい。
そんな時、彼女は学内の変わり者、東郷ミキに出くわす。
みなみもミキも、恋をするのがどういう事なのかあまり
よくわかっていなかったのかもです。みなみは物欲だらけ、
ミキは物には頓着しないという、対局にいるような人間
ですが、こうやってお互いに少しずつでも近づいていける
というのは、やはり物とかは抜きで相手に興味があるから
なのではないでしょうか。人間にまで興味がなさそうな
ミキを振り向かせるのは、みなみの役目なのでしょう。
ちさこさんの作品は、危機的な状況になっても、最後の
一瞬で逆転するようなストーリーの流れが良いですね。
女の子達の甘い生活を期待できる雰囲気もあって、読んだ
後に明るい気持ちになれるのではないでしょうか。
・天使なカノジョ(森島明子)
写真部所属の高校生、根神倉子は、女の子に手を出す
夢を頻繁に見ている。相手は同じ部活の月宮。天使のような
彼女で妄想する事に、倉子は罪悪感を覚えていた。
自分がなぜそんな夢を見るのか、落ち着いて理由を考える
事もできないぐらい、倉子は自分に動揺していると言えそう
です。それほど月宮を愛しているんでしょうね。でも引け目
があるとはいってもあまり自分を卑下しすぎると、せっかく
チャンスがあっても逃がしてしまう可能性もありそう。先へ
進んでいくためには、お互いの思いを隠さずに言えるように
なるのが良いのかもです。
・ロケット☆ガール -Rock it, Girl!!-
track:07 Someday we'll be Saturday Night(田仲みのる)
奏(かなめ)と声楽(せいら)のいがみ合う叫び声が聞こえて
くる。バンド名を決める打ち合わせを4人でするはずだった
が、2人のアイディアは真っ向から対立していた。
奏も声楽も一歩も譲るつもりはないようです。それぐらい、
彼女達にはバンド名へのこだわりがあるのでしょう。、、、
けど、ネーミングセンスはどちらも壊滅的のような? それでも
こうして皆でわいわいやれているのを見ると、けっこう平和
なのかも。奏も自分の意見をメンバー達に言えるようになって
きているみたいですし、順調そうですね。そこへ新キャラは
どう関わっていくのでしょうか。
・ゆるゆり(なもり)
63.くもをつかむ、、、ことができなかった、という話。
64.綾乃のポニテ 京子のリボン
一人暮らしの部屋の整理をしていた結衣は、たたんだ服の
上を蜘蛛が這っているのを見つける。虫が苦手な彼女は電話で
京子を呼ぼうとするが、ふと思いとどまる。
「くも」と言われて別のものを想像するあかりの「ちょっと
勘違い」は健在(?)のようですね。結衣に呼ばれてテンションが
上がり、「チナッツ光」なんて言葉が出てくるちなつの反応も
かわいらしいものかもです。後半では、綾乃が京子の事で失敗し
落ち込んでしまいますが、ここでも千歳がうまくリードできて
います。ところで京子のリボンってどういう構造なのでしょう。
載せてるだけ? 後は、最後のコマの後が気になります。
・あまいゆびさき 第10話
(文:宮木あや子、絵:ロクロイチ)
照乃(あきの)は空港へ向かう列車の中にいた。真淳(まじゅん)
とは結ばれたものの、親の都合で知りもしない男と外国で結婚
させられる事になっている。だが彼女は逃げる算段をしていた。
照乃は何もかも自分1人でやり遂げて、その上で真淳に会おう
としていたようです。それが、これまで孤独に生きてきた彼女
のやり方だったのでしょう。でも彼女は決して孤立しては
いなかったのですね。照乃がユリカや奥井をちょっと下に見て
いなかったかどうかは気になりますが、ともかく2人は、照乃
と真淳に、自分達の希望を託したのでしょう。それを受けて、
彼女達はどういう行動を見せるのでしょうか。
結果的には、逃げるという、消極的と言えなくもない選択
だったかもしれませんけれど、今の彼女達にはこれ以外どう
しようもなかったのかもです。物語としては希望のある
まとまり方になっていますが、、、文章の最後には「続」の
印が。次回は彼女達のラブラブな生活が甘く描かれる、とか?
・月と世界とエトワール op.1 黄昏と月明かりの序奏
(高上優里子)
舞坂よぞらは、月光館学園に高等部から編入した。声楽科
への入学をためらっていた彼女を後押ししたのは、学園の誇る
絶対的歌姫、白凪海百合の存在だった。
今号の新連載作品第2弾、ですね。「歌姫(エトワール)」と
「騎士(シュヴァリエ)」がエンゲージして指輪を交わすと
「恋人たち(ル・クプル)」になるという、麗しく百合な設定が
良い雰囲気ですね。キャラもたくさん出てきていますし、
それぞれにまだ謎がありそうで、これからの展開が興味深い
です。歌姫と騎士の女の子同士の恋愛がここでは王道なのかも
ですけど、歌姫同士の恋とかもあったりすると面白そう?
学園を舞台に描かれる壮大でロマンティックな物語というと、
以前百合姫Sで連載されていた作品がありますね。あちらでは
誌面構成の都合なのか途中から急展開になった気もします
けれど、今度の作品ではどうなっていくのでしょう。
・step by step(竹宮ジン)
良子は友達の木村に、自分とあけみが恋人同士になった事を
教えていた。しかしそれを聞いたあけみは焦る。自分と良子は
教師と生徒の関係だからだ。
もしかしたらあけみは今まで良子への気持ちについて、近所
の妹みたいな子だから、とか、教え子だから、と言い訳をする
事で、深く考えないようにしていたのかも、とも思えます。
でもそうしている内に良子は卒業、もう「教え子だから」なんて
壁を作る必要もないのですね。後半に描かれる、その後の2人の
姿が何かまぶしいです。昔から思い描いていた未来を、彼女達は
手に入れたのかもです。
・私の世界を構成する塵のような何か。 act.7
(天野しゅにんた)
祥とつきあい始めた留希の生活は順調に見えた。しかし
彼女に声をかけたれみあは、笙子の事を気にしている様子。
留希の知らない所で何かが起きているようだった。
前回からの流れで、明日菜と笙子の関係がクローズアップ
されていくのかと思ったのですけれど、メンバーはそれぞれに
悩みを抱えているようです。この中では真麻が、割と理性的
ですし、頭も良くてお金持ちときていますから、彼女が
問題の解決に向けて動く事になる? でもすべてを彼女に
頼ってしまうのもあまり良くない気もしますし、彼女達が
自分自身で答えを見つけられるようになると良いですね。
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