ひだまりスケッチ×ハニカム 第7話
パンフレットに自分のデザインが採用されたら、
というのは「もしも」の事。それよりも、去年の経験を
思い返して、ゆのは精一杯今の課題に取り組んでいる
ようです。そして後半では有沢が登場しています。
彼女とゆのが会うのは久しぶりなのですけれど、それ
を感じさせないほど親密な時間を過ごしています。
彼女達はやはりとても気が合うのでしょうね。
テレビアニメ「ひだまりスケッチ×ハニカム」、
第7話「10月5日~6日、 パンフコンペッペ」、
「10月6日~8日、 ひみつのデート」です。
吉野屋先生の授業の課題は、平面構成。今年の
やまぶき祭で配布するパンフレットの表紙をデザイン
せよ、というものだった。課題の紙の下には「採用者
一名」の文字が。提出された作品の中から選ばれた
ものが、実際にパンフレットに使われるのだという。
配布されたら校外の人達の目にも触れるはず、と
ゆのが考えていると、それどころか学校のホーム
ページに載ったら世界デビューだ、と宮子が言う。
それを聞いたゆのは、急にどこかへ電話をし始めた。
前半のエピソードでは、やまぶき祭のパンフレット
の表紙をデザインする、という課題が与えられています。
皆の作品の中から一つだけが選ばれ、それが授業の
枠を超えて実際にイベントで使われる、と思うと、
誰もがちょっと気構えが変わってくるのではないで
しょうか。
ゆのも、「世界デビュー」なんていう、半分冗談で
半分本当のような事を聞かされて、気合いの入り方が
違ってきているみたいです。結果は、、、という所で、
これはゆのだけでなく宮子やひだまり荘の住人達
(それにゆのの両親も?)にとって驚きと喜びを感じる
出来事になっていたようです。
課題を制作している時、ゆのは去年の自分を
振り返っています。やまぶき祭に展示する予定だった
絵は未完成でした(もっとも、その未完成さがかえって
周りから良い評価をもらえる元になっていたみたい
です)。今の自分はあの時と変わらないままなのか、
ゆのは自分に問いかけ、あらためて課題に向き合って
います。
こういう気持ちで制作できるようになったのは、
彼女自身の努力もあるでしょうし、周りの人達との
ふれあいの中で積み重ねた経験も大きかったのでは、
と思えます。彼女は確実に成長しているのでしょう。
なお、去年のやまぶき祭でゆのの絵が完成しなかった
エピソードについては、第1期の第10話で実際に
描かれていますね。なので視聴者としても、あの頃
からゆのが成長してるなって感じる事ができるのでは
ないでしょうか。
前半でちょっと面白いのは、自分のデザインした
イラストがやまぶき祭のパンフレットの表紙に採用
されたら、という話題で、ゆのがけっこうその気に
なっている所とか。すぐに親に電話する彼女をドアの
陰から見守る宮子の表情が「恐ろしい子!」になって
いるのも納得できるかも?
ゆのが、作業をしながら去年の文化祭を思い出している
時に、校長先生の像の事が頭をよぎっています。あれは
吉野屋先生が作ったもので、そのエピソードも確か
以前のアニメでは描かれていましたね。
「カラス口」を「カラスロ」と言ってしまうのは、
「美術あるある」、なのでしょうか、、、? その辺りが
どうかはともかく、宮子はとても恥ずかしい気持ちに
なっているかもです。
そんな彼女が作ったイラストは、3D対応なのだとか。
偶然手元に赤と青の眼鏡があったので(なぜあったのかは
よくわかりませんけど)確かめてみました。宮子の
イラストはあまり浮き出ている感じではありません
けれど、その後のアイキャッチでは、宮子の奥で
ゆのが手を振っている様子が立体的に見えました。
後半にかけては、卒業した有沢から、久しぶりの
メールがゆのに届いています。内容は、合コンの
お誘い? というのは冗談だったようです。
たぶん有沢は、今まで大学生活をしている間に、
自分はしないとしても周りで合コンをするとかした
とかいう話題があったのでしょう。自分がそういう
環境にいるんだなと実感した時に、自分の状況を誰かに
教えたくなったのでは。その「誰か」として、有沢は
ゆのを選んだのかな、という気がします。
有沢は、本当はいつだって、ゆのと話したいと
思っていたのではないでしょうか。でも(ゆのと同じ
ように)なかなかきっかけがつかめない内に、卒業後
半年もたってしまい、、、。このままでは良くないと
何となく感じていた時に、何か目が覚めるような
経験をしたのではないでしょうか。
それが合コン、ではなくて、「つながる」という
キーワードを実感する経験だったのかなと思えます。
友達の輪が広がって、誰かとつながっていく、でも
そうなるのは誰かの勝手じゃなく、自分の意志が
働いているからなんだ、とわかったのでしょう。
じゃあ自分が一番につながっていたい相手って
誰なんだろう、と振り返った時、有沢の頭には
すぐにゆのの姿が浮かんだのかもしれません。
時期はちょうど10月。2年生のゆのは進路に
ついて考えてるだろうから、「美大生の生活」という、
自分が一番役に立てる情報を彼女に教えてあげよう、
と思いついたのでしょう。
確かにそれは事実ではありました。けど、何だか
それさえも、ゆのとおしゃべりするための口実
にしかなっていないように見えてしまいますね。
何しろ2人で一緒に入ったレストランでは、もう
ずっとおしゃべりしっぱなし。美大情報もちゃんと
入ってはいますが、料理や雑貨、ゴミの話題まで、
何でもありという感じです。
ゆのの方だって引いてはいません。有沢が見せる
生活感に親しみを覚えつつ、あらゆる話題について
いっています。例えば後でひだまり荘に帰ってきた後、
乃莉やなずなが驚くのを見て初めて、自分達が
食事しながらゴミの事で盛り上がっていたのに気づく
ほどです。
外に出たらもう暗くなっているぐらい、彼女達は
長い間おしゃべりしていたようですね。本当はどこか
ショッピングでもする予定もあったのかもですけど、
それどころではなかったみたいです。
それぐらい、2人はお互いに会いたかったし、
話したかったのでしょう。有沢もゆのも、相手を思う
気持ちは同じぐらい強かった、と言えそうです。
ゆのが有沢を初めて見たのは、寒い日の薄暗い
美術室。一心不乱にキャンバスに向かう相手の姿に、
ゆのは思わず言葉を失うほどでした。
そこですぐに意気投合した彼女達でしたが、有沢は
受験生でしたし、学年が別な事もあって会う機会は
多くはありませんでした。けれど、会えばそれまでの
ブランクなんて忘れてしまうぐらい、2人はすぐに
仲良くおしゃべりできていました(やまぶき祭の準備の
時には、有沢はゆのの姿を見たとたん、「女神よ!」と
叫びながら(脚立をほったらかして)抱きつこう
としてました)。
有沢がやまぶき高校にいた頃も、卒業した今も、
彼女達の気持ちのつながりは少しも変わっていません。
これからも、変わる事はないでしょう。ゆのは、
一生ものの大切な人に巡り会えたのでしょうね。
ひだまり荘に帰る途中、ゆのはヒロと沙英に
メールを送っています。ゆのは、ひだまり荘に住む
先輩である彼女達にも、有沢と同じような親しみを
感じているのでしょう。
(意志さえあればずっとつながっていられる、という
言葉は、第6話で迷っていた時のヒロが聞いたら、
気持ちが晴れるようなものだったかもですね。まあ
あの時は沙英がちゃんとヒロをフォローしてました
から大丈夫、なのでしょう。このエピソードで
ゆのが有沢の言葉を伝えたら、ヒロはさらに心強く
なれるのでは、と思えます。)
有沢に会いに行くためにひだまり荘から出かける
ゆのを、宮子と沙英が見送っていました。すぐ後で、
沙英は、ゆのがデートに行くんじゃないかと気が気
ではない様子。男女の関係にはとてもうぶな彼女
だから、というのもあるかもですけど、でもやっぱり
ゆののあの服装を見たら勘ぐってしまいますよね。
それに対して宮子は落ち着いたものです。朝から
版までゆのと一緒にいるため、ゆのが有沢と食事に
行く事、有沢が美大に行った女性の先輩だという事は
前もって聞かされていたのかもしれません。でも
たとえ何も知らされていなくても、宮子は悠々と
構えていたかな、とも思えます。もしゆのに(男でも
女でも)恋人ができたのだとしたら、少しでも態度に
出るはず。今のゆのにはそういう所が全然ないと
感じられるから、宮子は笑ってゆのを送り出せるの
ではないかと思えます。
それにしてもゆの、あれこれコーディネートを
考えた結果あの服装にしたのですよね。それがあの
かわいらしい格好だったという事は、彼女は有沢に、
自分をそういう風に見せたかったのでしょう。
思わず愛でたくなってしまうようなかわいらしさを
演出しようとしたのかも。
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