「恋愛ラボ」、「ローゼンメイデン」がアニメ化されるそうです

　「恋愛ラボ」では、莉子と夏緒の間に生まれる
信頼感など、藤女に通う女の子達の関係が一つの
ポイントになるでしょうか。また「ローゼンメイデン」
では、人形達の間にある確執や、契約した人間
とのつながりも見所になりそうです。が、百合度
という点ではどちらもそれほど高くはならない、、、？

　コミック作品２種のアニメ化が発表されています。
一つは芳文社発行、宮原るりさん作の「恋愛（ラブ）ラボ」
です。お嬢様学校として有名な私立校、藤崎女子中学
に通う倉橋莉子は、この学校特有のおっとりした
ノリについていけません。そんな生徒達から「藤姫」と
あだ名され憧れられている生徒会長、真木夏緒に
対してもあまり良い印象がありませんでした。
（そういう莉子も、実は「ワイルドの君」と呼ばれ、
憧れの対象になっちゃってるみたいです。）ところが
ふとしたきっかけで、莉子は夏緒の秘密を知って
しまいます。それは彼女が生徒会室で、密かに
「恋愛」の研究をしている事なのでした。

　お嬢様学校で憧れの的になっている女の子達が
出会い、お互いのギャップに反発しながらも
少しずつ友情を深めていく、という流れの延長線上
には、百合な展開も期待できそうな所。確かに
原作の最初の方では、莉子が夏緒の美しさにときめく
みたいな場面もあります。
　けれど夏緒が研究しているのは、「男の子との」恋愛
なのですよね。原作ではストーリーが進むにつれて
男性の登場場面も多くなってきています（藤崎女子中学
（藤女）は女子校ですけれど、夏緒は塾などで男の子達
と出会っているようです）。今月発売の最新第７巻
でも、彼女達と男の子達との関係は順調に進んで
いるみたいです。

　アニメ化された場合に原作のどの辺りまでが
カバーされるかによって、もしかしたら百合な
テイストのあるエピソードで物語がまとまって
いくかもしれません。けれど彼女達が求めて
いるのは基本的に男女間の恋愛みたいですので、
結果的には女の子同士の関係よりもそちらが優先
されていく事も考えられそうです。

　アニメ版の公式サイトでは、原作の試し読みも
できるようになっています。この辺りからアニメ版の
雰囲気を予想してみる事もできるのかもです。
　ところでアニメ化は発表されたばかりのため、
どなたが声の担当をされるかとかはまだ発表されて
いません。以前発売されたドラマCDでは、莉子役は
釘宮理恵さん、夏緒役は堀江由衣さんが担当された
そうです。ドラマCD版とは変更になる可能性は
ありますけれど、どのような声が聞けるように
なるのでしょうね。

　もう一つの作品は、幻冬舎発行のコミックバーズ
で連載され、今は集英社のヤングジャンプで連載
されている、PEACH-PITさん作の「ローゼンメイデン」
（以前は「Rozen Maiden」とされていました）です。
この作品のアニメ版は、今までシリーズが第２期まで
制作され、また特別編も制作されています。なので
今度のは第３期、という事になりそうでしょうか。
　主人公の中学生、桜田ジュンは、学校へ通わず、
家で通販商品を取り寄せてはクーリングオフ期間
ぎりぎりで返品するといういたずらを繰り返す日々
でした。ところがある日送られてきた荷物の中に、
頼んだ覚えのない人形が入っていた事から物語が
展開していきます。
　契約した人間の生気の一部を借りて動く、意志を
持った人形（ドール）、ローゼンメイデン。ジュンと
契約した真紅の他にも、様々な人形が他の人間達と
契約しています。人形達は「アリスゲーム」と呼ばれる
ゲームを通じて、時や場所を越えて戦い合います。
相手の持つローザミスティカを奪って最後の１体
として生き残り、人形の創り主である「お父様」の
真の娘、アリスになるために。というダークメルヘンな
雰囲気の物語ですね。

　ドールはすべて女の子で、彼女達の間には
いろいろな関係があります。双子のドール、
翠星石と蒼星石がお互いを思いやる気持ちや、
深紅への敵対心をむき出しにし、異様に執着する
水銀燈など、愛憎入り乱れる感情は百合的にも
ポイントが高いのでは。それに、契約する人間が
女性である場合もありますので、ドールと人間
との関係というのもありそうです。
　といってもこれまでの第１期や第２期などの
印象では、百合分が前面に出ているわけではない
ようにも感じられます。想像の余地がある、みたいな
所でしょうか。今度のアニメ化ではどういう表現に
なるのでしょうね。