ひだまりスケッチ×ハニカム 第6話
朝、同じアパートから一緒に学校へ登校し、同じ
クラスで同じ授業を受け、帰ってからも部屋でずっと
おしゃべり。それでも足りないから、さらに、、、。
ゆのと宮子とても仲の良い関係を続けているようで
素敵ですね。ヒロと沙英も同じ、のはずですが、ヒロ
には気が重くなる事を考えてしまっているみたい
です。
テレビアニメ「ひだまりスケッチ×ハニカム」、
第6話「9月25日、 おしゃべりスケッチ」、
「9月29日~30日、 ヒロさん」です。
宮子に呼ばれ、部屋を出て学校へ向かうゆの。
今日はデッサンの授業があるためスケッチブックを
持ってきている。階段を下りると、前の道を乃莉、
なずな、ヒロ、沙英が先に歩いていた。6人は
明るい声で挨拶を交わす。お互いにふざけて寝癖の
チェックなどしていたが、ヒロだけは、どことなく
元気がなかった。ゆのが彼女に尋ねると、寝不足
だと答えが返ってくるものの、その声もどこか
弱々しかった。
ゆのと宮子が受けた吉野屋先生の授業は、「手と
自分の顔をモチーフに自由にデッサンしなさい」
というもの。自由に、と言われると、美術科の
生徒達は俄然やる気になっちゃうんでしょうね。
自分の得意なやり方で、世界の中にある対象を
切り出し、自在にレイアウトして形に仕上げて
いく。将来自分の生活で役に立つはずの能力を
思う存分発揮できる場なのではないでしょうか。
ゆのと宮子も、おしゃべりがはかどっています
が、デッサンする手も順調みたいです。美術を
やる事について、彼女達に迷いはないのですね。
(ところで、対象を見つめすぎていたおかげで、
宮子はゲシュタルト崩壊を起こしそうになって
しまっています。彼女の頭の中でばらばらに
なったイメージが一瞬描かれていましたけれど、
やはりどこかシュールな感じですね。この監督、
このキャラのデザインでこういう絵柄を見て
しまうと、魔法少女と魔女の出てくる別作品を
つい思い出すような。)
ゆのと宮子はもう1年半一緒にいますから、
お互いをかなり知り合っている事でしょう。
けれどまだまだ話し足りないみたいです。まあ
とりとめのないおしゃべりもありますけれど、
そんな話題だって、お互いが相手だからとても
楽しく感じられるのですよね。
お互いに知らない表情がまだあるはず、という
話題から、宮子はゆのに「嘲笑」してみて、と
お願いします。ゆのは自分なりに考えた表情を
作ってみせるのですが、、、ちょっと違いますね。
何か勝ち誇った笑い、みたいです。彼女には
嘲笑は似合わないのでしょう。
(これで、「色っぽい表情」とかが話題に出て
きたら百合的にもポイントになりそうですけれど、
ここではそうはなっていません。彼女達には
まだ早い?)
できあがったゆのの自画像を見て、宮子は
「似てるね」と言っています。そしてゆの本人に
ついても「かわいいよ」と。
これを聞いたゆのは、顔を真っ赤にしちゃって
ます。もう照れまくってあわあわしてますね。
「かわいい」って言われ慣れてないからこんなに
なっちゃったのでしょうか。それとも、言って
くれた人が宮子だからこそ意識しちゃったのかな?
ともかく宮子が自分をそんな風に思っていてくれた
事が、ゆのにはとても嬉しくてときめいたの
でしょう。
その流れで、ゆのも宮子に「かわいい」、「美人」
と言っています。これはお世辞のつもり、じゃない
ですよね。ゆのも日頃から宮子の美しさに憧れて
いたから、こうやってすぐに反応できたのでは
ないでしょうか。また、今の空気なら、いつも
思っている事を言っちゃえる、と思ったのかも
しれません。
本当はいつだって教えてあげたいけど、口に
出したら恥ずかしいし、もし相手に変な顔を
されたらそれこそ落ち込んじゃうかもしれない、
相手に対する自分の愛情がたっぷり詰まった一言。
それをゆのは、このチャンスに言ってのけたの
かなと思えます。
宮子がどう反応したかはここではあまりはっきり
描かれていません。けれど相当効いているみたい
です。これをきっかけに、彼女達がより親密に
なっていくと良いですね。そういう場面も本編で
見てみたいかもです。
というかこの回だけを見ても2人の距離は近い
ですね。ほとんど起きてからずっと一緒にいたのに、
それでも何だかまだ足りなくて、2人はゆのの
部屋で遅くまでおしゃべりをしています。それ
だけじゃなく、一緒にお風呂にまで? 彼女達の
間にある親密さは、他の誰にも邪魔できないほど
強いものなのですね。
ゆのと宮子は、これからもひだまり荘で仲良く
暮らし、おつきあいしていくのでしょう。その
生活はずっと続くもの、と思いたいのですが、
考えなければならない事もあるようです。
ゆの達の未来にもあり得る出来事が、ヒロと
沙英の間で起きています。
この作品では、3年生の進路については
ほとんど語られる事がなかったように思います。
それがついにここで、はっきり見えてきて
いますね。(3年生の9月というとタイミング
的にはかなり遅い方のような気がします。が、
皆今の生活が楽しくて考えるのを先延ばし
にしていたのかもしれません。)
この所ヒロに元気がなかったのは、進路で
考え込んでいたからなんですね。いえ、たぶん、
この先どうしたいかについては、彼女もある程度
想像はしていたのでしょう。でもそれよりも
はるかに重要な事で悩んでいたようです。
今が一番素晴らしくて、ここ以外どこにも
行きたくない、少しも変わりたくない、という
気持ちが、ヒロの中では強かったみたいです。
学校、クラスメイトや先生、同じアパートに
住むかわいらしい後輩達、そして沙英。この
中のどの一つも失いたくない、と彼女は思って
いたのでしょうね。でも自分が卒業したら
何もかも消えてしまうと感じたのかも。
保健室に運び込まれるほど落ち込んでいた
彼女に、吉野屋先生は、問題の核心を突いた上で
アドバイスしています。教師としてはこういう
風に言うしかないのかもですね(といっても
後で、言い過ぎたんじゃないかと焦っていました
けれど)。
自分の考えが前向きでない事は、ヒロ本人も
何となくわかってはいるのでしょう。でも彼女は
なかなか思いを切り替える事ができないでいます。
そこで手を差し伸べるのが、沙英なのですね。
彼女がヒロに言った言葉は、ヒロをとても安心
させるものだったようです。ずっと一緒にいる
間柄だから、こうやって相手の悩みを取り除き、
元気をあげる事ができるのでしょう。
この辺りは、ビジュアル的にはかなり百合な
感じです。暗い部屋、抱き合う2人の女の子、
背中に回した手がさらにきつく相手を抱き寄せる
、、、みたいな雰囲気で。
でも心情的にはそこまで百合っぽくないかな
という気もしないでもなかったり。沙英は、
不安がっているヒロを安心させています。それは
つまり、少なくとも自分達の関係は変わらないと、
沙英がヒロに確信させた、という意味だとは
思われます。その辺りを言葉ではっきり言って
もらえたらより素敵かなという気もします。
自分とヒロの関係は変わらない、なぜならば
自分はヒロを何よりも大切に思っている、
愛しているから、といった表現が具体的に
あると良さそうですけれど、そこまでは難しい
でしょうか、、、。
後は、ここでは落ち込んでいるヒロを沙英が
助けていますので、次は反対にヒロが救いになる
エピソードとかも見てみたいですね。そうするいう
場面が描かれると、彼女達は対等な位置づけで
お互いを支え合える関係なんだなと感じられる
ように思います。
この先、ゆのと宮子、乃莉となずなの間でも、
同じように悩みを分かち合う事があるのでしょう。
その時は、さらに百合たっぷりなエピソードに
なっていると良さそうです。
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