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2012年10月 7日 (日)

ひらり、 Vol.8 その2

 「女の子の設計図」はクライマックスとなって
います。姉妹だけれど離れて暮らしていた花南と青音。
2人の間にある感情はどういうものなのでしょうか。
「やわらかな夜」は、理久の思い出と、今の彼女の
気持ちが重なったキーワードが「やわらかい」なの
ですね。彼女が自分なりの恋愛を見つける事が
できるのか、気になる所です。

 発行新書館による、年3回刊の「ピュア百合
アンソロジー」こと「ひらり、」のVol.8
見てみました。以前に別の記事でも書いています
ので、よろしければそちらも見てみてください。

ひらり、 Vol.8

 では前に書いたもの以外の作品について一部
ご紹介、、、。

(・作品名(作者名(敬称略)))

・ほんとのかのじょ #2、#3(今村陽子)
 ゆーかは、同じグループのもえから告白された
が、あっさり断った。だがもえには、ゆーかの
冷たい態度やののしりの言葉さえ愛しく感じられる
らしい。ゆーかにはもえの真意がつかめなかった。
 自分のきつい性格を素直に周りに見せられない
ゆーかと、奇妙な性癖を持つもえ。2人の立ち位置
は少し違っているようにも見えますし、惚れられた
ゆーかの方が立場が上なのかも、とも思えます。
けれど、でも彼女達はとてもうまいバランスで
通じ合うカップルとも言えそうです。
 前号に掲載されたこの作品は、ここでは2本立て
で掲載されてますね。各エピソードの最初と最後が
ゆーかともえのそれぞれの正面からの表情になって
いるのが面白いかもです。

・放課後ナイフ(佐藤沙緒理)
 教師の菅野諭季子は、ホテルの前で女性と抱き合う
所を、教え子の三日月穂波に見られてしまう。穂波は
その場で、「ばらされたくなかったらつきあって」
と彼女に迫った。
 教師で、大人で、よほどたくさんの経験をしてきた
らしい諭季子。実際に、抱き合っていた相手の女性が
本当に恋人じゃないのかといった人間関係も、大人
っぽい感じがします。その経験から、諭季子はこの
ままでは穂波が傷つく、と思ったようです。でも本当に
そうかどうかは、確かめなきゃなのかもですね。

・やわらかな夜(平尾アウリ)
 背が高く髪も短かった女子校時代、高橋理久は
女の子から告白される事が多かった。卒業して大学に
入り、化粧やおしゃれをするようになった今は、
近づいてくる女の子はいない。
 女の子同士で愛し合うとかつきあうとか、いくら
本気で言っているように見えても、学校を卒業すれば
それっきり。理久は今正にその状況を経験している
ようです。だから自分も一歩引いていたとしても、
やはり寂しさや裏切られた気持ちは残るようで。でも、
もう一度恋心を手に入れるチャンスはあるのでしょう。
 ちょっと気になったのは、理久が女子校時代から
女の子好きの女の子だったのかどうかという事。
もしそうならもっと積極的に恋人を見つけにいっても
良さそうですよね。自分の気持ちの中ではまだ
はっきりと結論が出ていない、のかな? もしかしたら
あの先輩からのキスが、理久が女の子に興味を持つ
きっかけだったりするでしょうか。

・女の子の設計図 #3(紺野キタ)
 朝、青音(あと)が起きてくると姉の花南(かな)は
制服にエプロン姿でキッチンに立っていた。朝食に、
母親と自分達のお弁当を用意している。いつもらしい
花南の様子に、青音はほっとした。
 後半の場面で花南が、自分がどうなってしまったかを
青音に説明する時の感じからすると、彼女はかなり
思い詰めるのと同時に、自分を客観的に批判している
気がします。そういう事ができるのは、青音だけは
傷つけたくないという願いが強いからなのではないで
しょうか。青音が真実に気づけるかどうかが、重要に
なってきそうです。

・ミニスカートよさようなら(吉田丸悠)
 6人組アイドルユニット「平成絶対領域委員会(絶会)」
のメンバー、石渡麻由は、同じく半澤美優にとても
なつかれている。だがその言動はかなりの天然で、
何を考えているのかまるでわからなかった。
 Vol.4にも登場した「絶会」がここでも描かれています。
あちらの作品とは主人公が別ですけれど、アイドルを
続ける女の子達と、彼女達の間に通い合う愛情が
ポイントになっていますね。美優の言葉の何が本当で
何が嘘なのか、麻由は振り回され気味です。けど、
相手が自分だけを見ている事だけは実感できるのでは。
 前に絶会が登場した「きれいなあのこ」でもそうです
けれど、登場する大人達は、主人公の女の子達に割と
理解があるんですよね。アイドルなんて使い捨て、と
麻由は考えているみたいですけれど、そこまでの事も
ないように思えます。
 ちなみに。「きれいなあのこ」は吉田丸さんが本誌の
「GLコミック大賞」を受賞した作品です。そちらにも、
この作品にも出てくるという事は、絶会は吉田丸さんに
とって重要なモチーフなのかもですね。

・ピンクラッシュ(TONO)
 今はアイドルをしているが、サナは昔からきれいな
女の子が大好きで、ライバルのマールのファンでもある。
しかしきれいな女の子の周りには必ず嫌いな男どもが
いるため、サナは男達をぬいぐるみに脳内変換していた。
 なぜこの作品で男性がぬいぐるみやタコの姿で
描かれているのか、その理由が説明されています。
あれはサナの脳内変換だったんですね。サナはマールが
大好きなのですけど、ツルマキをはじめ他の女の子達
にも好意を持っているのですよね。このままでは
マールと恋仲になるのは難しいかな、、、?

・「ひらり、」レビューリストレビューセンター

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