輪廻のラグランジェ season2 第３話

　まどかを危険な目に遭わせたくない、ランの
中ではその思いがとても強いようです。けれど、
まどかを無事でいさせるためにまどかに危険な
実験をさせるのは、やはり正しいとは言えない
気もします。それどころかここでのまどかは、
危ない思いをするのと同時に、恥ずかしい
思いもしちゃってるようですね。

　テレビアニメ「輪廻のラグランジェ season2」、
第３話「鴨川エクスペリメント」です。
　砂浜にうつぶせになっていたまどかは、号砲
とともに起き上がって走り出した。隣のいかつい
男をしのいで、砂の上の旗を手にする。ビーチ
フラッグレースはまどかの１８３連勝中だ。BWHは
海の家を出していてランとムギナミも忙しく
働いている。一方で表情が曇っているのは、
キリウス、イゾ、アレイの３人。海の家の隣に
お化け屋敷を作ったものの、暑い上に客もつかず
さんざんな思いをしていた。

　ポリヘドロンの代表者が集まる会議が鴨川で
開かれるとあって、街はにぎわっています。
海の家も、ランとムギナミが手伝ってくれて
いますから、これまでの夏よりたくさんの
お客をさばけるのでしょうね。

　それぞれレ・ガリテとデ・メトリオから地球へと
亡命してしまった２人は、ちょっと考え込む事も
あるみたいです。ランもムギナミも、故郷や仲間を
おいて１人で身を寄せてきたわけですから、
前にまどかの所に来た時とは立場が違うのでうね。
もう自分から簡単に故郷へ連絡も取れませんし、
相手からも何の知らせもありません。

　多少覚悟はしていたとしても、これはやはり
寂しいのでしょう。大切な「同志」であるまどかと
一緒にいられるのは嬉しいはずですが、それと
これとは別なのかもです。自分の星の事について、
テレビのニュースで初めて知った２人の表情は
曇ってしまいます。

　これを見て、まどかは黙っていられなく
なりました。大事なランとムギナミにはいつも
笑顔でいてもらいたい、そのためなら何だって
する、そういう気持ちになり、その事を素直に
２人に告げています。
　後の方のファロスの場面で、同じように２人を
励ますまどかの言葉を聞いて、ようこは微笑んで
います。第１期の第１話辺りでは、まどかが
ウォクスをうまく操縦できないのを見て、ようこは
「『やってやってる』なんて気持ちだから動かせ
ないんだ」といった事を言っていました。あの頃
から比べたら、まどかはずいぶん変わった、と、
ようこは思っていたのではないでしょうか。
上から目線などではなく、相手の事を一番に考え、
そのために自分ができる精一杯の力でまどかは
尽くそうとしている、と（実際に海の家の場面
ではまどかは２人の前に座り込んで上目遣いに
なってますね、、、ってそれは関係ないかな）。
　まどかをそこまでにしてくれたのは、他の
誰でもない、ランとムギナミなのでしょう。
ようこの目から見ても、３人は固い絆で結ばれて
いるのではないでしょうか。

　その後、実験が始まります。ウォクス粒子を
制御する、というこの実験は、レ・ガリテでも
既に行われていて、しかもあまり良い結果は出て
いません。
　しかも被験者になったのは、今まどかの前に
いるランです。実験がどんなに過酷なものなのか、
ラン本人は自分の体でわかっているはず。

　ランは、まどかを危ない目に遭わせたくない
から、ムギナミともぶつかり合ったし、レ・ガリテ
を離れて地球へ亡命だってしたのですよね。なのに
ここでは、自分が人格崩壊まで起こしかけた危険な
実験に、まどかを送り出そうとしています。これは
なぜなのでしょうね。
　まどかならやりおおせてくれそうだったから、
とか？　確かに第１期の第１２話などではまどかが
「輪廻の解放」をした後も、何とか事態は収拾できて
いたようです。でもそれと「ウォクス粒子の制御」は
ちょっとレベルが違うようにも思えますし。ランが
気持ちのどこかでまどかに依存していて、「彼女
ならどんな事だって実現してくれるのでは」と期待
しすぎているとしたら、少し危険かもですね。
　ファロスのメンバーも言っていたように、まどかは
「想像のはるか斜め上を行く」女の子らしいです
けれど（でも「はるか斜め上」ってあまり良い方向性
ではないような？）、そこに寄りかかりすぎるのも
良くない気がします。どちらかが相手に頼り切りに
なるのではなくて、お互いを支え合えるように
なると良さそうですね。

　実験ではまどかに心理的に負荷をかける事で
制御のための力を引き出そうとしているみたい
です。が、まどかの（主人公っぽい？）特質の
ためになかなかうまくいかないようで。
　そこでアステリアはまどかと話し合うのですが、
これがとても効果があったみたいです。まどかには
見事に強いストレスを与えられていました。
（アステリアは、「これならトラウマを残す事も
ない」と言ってましたけど、どうなんでしょうね。
思いっきり恥ずかしい事を言われた上に、ランや
ムギナミとのキスの経験も皆にばれてしまいました
から、しばらくは皆と顔を合わせづらいかも？）

　この辺りの場面では、まどかやアステリアが
女の子同士の関係についてどう考えているかが
少し見えてくる気がします。アステリアは、
「そんなに女３人が楽しいのかしら」と、まどか
達３人に当てつけるように言っています。これは、
彼女達３人が仲良くしている今の状況から、
もっと別の世界へ目を向けさせるための誘導、
ともとれそうです。アステリアが百合の世界を
あまり知らないなら、自分の得意なフィールドに
持ち込もうとするでしょうし（といってアステリア
が男女関係に詳しいのかどうかはよくわかりません
けれど、、、）。それと、まどか達が既に女の子同士で
大人な関係に到達している可能性も考えて、
まどかには未知の領域と思われる男女関係を
提言した、とも考えられるかもです（実際には
（まだ）キス止まりらしいです）。

　とまあいろいろ想像はできそうですけれど、
どもかくアステリアの言葉に、まどかはとても
取り乱しています。それはもう、「ミリティア・
ゾデアの惨劇」を繰り返しそうなほどに、、、。
　周りは急激な変化に緊張していますが、まどか
本人は何だか頭の中がピンク色、って感じですね。
自分もいつか大人な経験をする日が来るのでは、
と想像（具体的なイメージはまだできていない
みたいですけど）を膨らませています。（この場面
でのまどかの話し方は、女子高生というよりは
何となく思春期に成り立ての男子中学生、って
感じもします。）

　ここでまどかが想像していたのは、男女間の
関係のようです。たぶんアステリアが、そういう
例を話したからそちらに想像が引っ張られた、
みたいな所なのでしょう。それに、今まで彼女が
暮らしてきた中では、大人の関係と言えば男女の仲、
という、決まり切ったようなイメージばかりが
あふれていたのかもしれません。だからそういう
想像しかできない、とも考えられます。

　まどかの反応の感じでは、彼女は男性と大人な
関係になった経験はなく、また、そうなりそうな
相手が今いるわけでもなさそうです。友達以上に
親しい人と言えば、ランとムギナミなのでしょう。
　じゃあ彼女達とそういう関係になる可能性を、
まどかは考えないのでしょうか、、、。その点に
ついては、今のまどかはまだそこまで想像できずに
いるのかも、と思えます。

　いつでもそばに寄り添いたくて、会えなくなったら
寂しくて、一緒にお風呂に入ったり、裸で海へ
飛び込んだり。相手を笑顔にできるなら、どんな
事でもこなしちゃう。まどかとラン、ムギナミは
お互いをそんな風に思っているのでしょう。
親友よりも肉親よりも大切な存在。そんな人と
愛を紡げたらとても素敵なはず。

　例えばまどかとランは、そういう関係になっても
別に変ではないほど、お互いを求め合っている
ように見えます。彼女達が身も心も結ばれるには、
実は後少しきっかけが必要なだけなのでは、という
気がします。作中では、そのものの表現ではない
にしても、彼女達がよりいっそう深くつながって
いくのを想像させるようなエピソードとか見てみたい
ですね。

　ところで、ストーリーとは関係ないのですけれど、
まどかが実験をする時に、頭にウサ耳みたいな
ものをつけていました。何かのセンサーとからしいの
ですけど、まどかの心理状態に反応してぱたぱた
動くようですね。
　こういうタイプのグッズって、実際にある気が
します。ヘッドホン型のセンサーに猫耳がついていて、
装着した人の脳波を読み取って耳の動き方が変わる、
というものです。別作品になりますけれど、「ゆるゆり」
関係のニコ生の番組で、キャストの方が使ってました。
意外と未来は近くにあるのかも？

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