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2012年9月25日 (火)

ゆるゆり♪♪ 第12話

 前半はごらく部の部室でのエピソードになって
います。いろいろネタはありますけれど、4人
だけの親密な空間になっている感じです。それ
とは変わって後半はほぼ全キャラ登場でにぎやかに
動き回っています。百合的には櫻子と向日葵に
期待していた所ですけれど、綾乃、京子、結衣、
ちなつのラインに何か起きそうな雰囲気ですね。

 テレビアニメ「ゆるゆり♪♪」、第12話
さらば主人公、また会う日まで」です。
 ごらく部の部室に来てふすまを開けた結衣の
目の前に何かが落ちた。ちょっと驚いたが、よく
見てみるとそれはおもちゃの蛇。先に来ていた
京子が仕掛けたものだった。結衣のリアクション
の薄さに不満げな京子はもう一度同じ仕掛けを
する。次にやって来たのはちなつ。だが彼女は、
目の前に落ちてきたのがおもちゃだと確認した
上で、か弱い悲鳴を上げて結衣に飛びついた。
あからさまな反応が京子には面白くなかった。

 前半の舞台はごらく部の部室で、あかり達
4人がまったりと遊んでいます。京子の
物持ちの良さのおかげで遊び道具はたっぷり
ありますね。
 結衣にばかり甘えるちなつを見て、さすがの
京子も切ない気分になってしまったようです。
彼女にしては珍しくだだをこねておねだりしてる
感じです。
 ちなつは仕方なく「ぎゅっ」てしてあげようと
するのですが、そのポーズが、、、。原作コミック
でもこの場面は描かれていて、ちなつの振る舞い
が面白いです。けどアニメ版では実際に「ぎゅっ」
てしてあげたらしく、絵には出ていませんが
京子の叫びがこだましています。

 あかりの方は、京子にスライムを触らせて
もらえなかったり(あとでちゃんと貸してもらって
います)、ちなつからは目立っていない事を
指摘されたりと、あまり良い目は見ていない
ようで。第11話の目立ち方からすると、元に
戻った(?)とも言えそうでしょうか。
 京子は、結衣やちなつに仕掛けていた、蛇の
おもちゃのいたずらをあかりにもやっています。
あかりの反応は、、、やはり「天使」かもですね。
京子も少しだけ反省したのではないでしょうか。

 というように前半は、4人だけの水入らずの
部活(と言って良いのか)になっています。
作品の中心にいる彼女達の様子が描かれて
いますね。

 後半は、学校の文化祭でのエピソードです。
「私立七森中学校文化祭2012」と書かれて
います。七森中って私立校だったんですね。
そしてやはり女子校のようで、女の子達が
様々な出し物を展示しています。中には
同人ゲームを売っている子達も、、、って、
あれはもしかしたら、原作のなもりさんが
キャラ☆メルFebri」で描かれている(今は
お休みしているようです)「りせっと!」の
主人公、高岡ひろと石動葵(いするぎアオイ)
では? ひろは、本作の第1期第6話
少しだけ登場していますね。彼女は葵と一緒に
(葵に巻き込まれて?)同人ゲーム作りをするの
ですが、この場面を見るとどうもゲームは
完成したらしいですね。素晴らしいかもです。
どんな雰囲気のゲームなんでしょうか。

 賑やかな学校の中で特に盛り上がっているのは、
生徒会主催の演劇です。が、横に「協力 ごらく部」
とも書いてありますね。ごらく部のメンバーも
登場する、って事なんでしょうけど、これでは
まるで生徒会がごらく部を部活として公認した
みたいな感じが。本当の所はどうなんでしょう。

 演目は「白雪姫」です。京子が白雪姫、結衣が
王子、あかりとちなつは森の妖精、といった
配役になっています。(最初、妖精が6人しか
見えていませんでしたが、あかりはちゃんと(?)
スポットライトの外にいて見切れていました。)
生徒会以外では、奈々(女王)と千鶴(狩人)が
ステージに立っています。(ちなみに会長のりせは
女王との関わりのある鏡の役です。鏡を後ろから
見た時の姿が面白いです。)
 他のキャラはというと、、、客席にいるのですね。
椅子に座って見ているだけなため、舞台に絡んで
いく事ができず、あれこれ茶々を入れるぐらいに
なってしまっています。ちょっともったいない
かも。彼女達にももっと活躍の場をあると良い
ように思います。

 演劇の中で百合っぽい場面というと、挙げると
すれば姫と王子のキス、でしょうか。結衣は顔を
近づけるだけにするつもりでしたが、ハプニングで
京子と本当にキスを、、、。
 でも本人達はとても淡々としています。あたかも
キスなんて自分達の間では日常茶飯事、みたいな
雰囲気で。でも今までそういう場面は作中では
描かれていませんでしたし、実際はどうなの
でしょうか。
 まあ少なくとも2人のこのカットだけでは百合
満載とは言えなさそうです。そこだけでなく周りの
様子を見てみると面白いかも。

 真っ先に反応したのは、綾乃とちなつです。2人
とも、結衣と京子の行為を見て愕然としています。
 こんなに驚いているのは、いつか自分達がしたい
と、ほのかに夢見ていた事を、目の前で他人に
されてしまったから、と言えそうです。しかも
相手は2人とも、その事を全く気にしていない
そぶり。
 だったら自分達が今までずっと悩んだり
狙ったりしてきたキスって、いったい何なの、と、
綾乃とちなつは思ったりしないでしょうか。
自分のときめきが否定されてしまったような
気持ちになりはしないかとちょっと心配です。
(もしくは、2人があんなに簡単にしているなら、
自分達もさりげなくキスしてもらえるんじゃ
ないかな、と期待を持つ可能性もあるかな。)

 何にしても綾乃とちなつの反応をもっと見て
みたかったのですけれど、あまり詳しくは
描かれていないですね。例えば綾乃だったら、
少しの間、がくっとうなだれちゃいそうですね。
それで思わずぶつぶつとだじゃれを言って結衣が
吹き出してしまう、とか。その後は気を取り直し、
公衆の面前で恥知らずな事をしている、とばかりに
京子達を責めちゃうかも。
 ちなつは、我を忘れて2人の間に割って入ろうと
する、とも考えられます。直接結衣とキスをしよう
とするかはわかりませんけれど、とにかく自分を
アピールしようとする可能性もあるのでは。

 後は、京子が差し出したプリンの最後の一口を、
綾乃ではなく櫻子が食べてしまう所もちょっと
百合的ですね。綾乃よりも向日葵が怒ってしまうのは、
櫻子と間接キスとかしていいのは自分だけだと
言いたいからなのかもです。

 といった感じで、以前から言われていたように
クライマックスは第11話で、第12話はお祭り回
のようです。たくさんのキャラが登場してそれぞれに
行動したり語ったりしていますね。

 一方で、百合的にはあまり発展していない感じも
あります。以前別の記事に書きましたように、
アニメの第1期では原作よりも女の子同士のふれあい
が多く表現されていたように思います(千歳や
ちなつの妄想の中で、という場合が多いです
けれど)。それが第2期では少し控えめになって、
千歳もあまり激しい妄想はしなくなっている
雰囲気ですね。
 また、原作では、コミカルな中にふと現れる
女の子同士の切ない雰囲気などが百合的に特徴に
なっていました。アニメ版ではこういった部分も
少なくなっているように感じられます。

 第2期では出番の増えた櫻子と向日葵にも
期待があったのですけれど、百合方面に深く
踏み込んだ表現はそれほどなかったかもです。
(でも「婚姻届」はきちんと押さえられてますね。)
この第12話でも、演劇の上演の後、カーテン
コールでの2人が少し気になりました。一緒に
登場したもののまたつかみ合いのけんかをする
2人だったのですが、客席からの拍手に気づいて
けんかをやめ、にっこりと笑ってお辞儀を
見せています。これだと、2人が劇以外でも
見せているあのけんかは実は演技だった、
みたいな感じもしてしまったり、、、。例えば、
にっこり笑ってお辞儀をしつつ、後ろの方では
お互いをつねっている、みたいな描かれ方に
なっていると、やっぱり彼女達は仲良くけんか
する関係なんだなと思える気がします。まあ
見方はいろいろなのでしょう。
(ちなみに演劇の上演中、撫子は楓の「良い子」
ぶりを気に入って、櫻子と楓を交換しようみたいに
言っています。もしこれが実現したら、古谷家
では櫻子と向日葵が姉妹に、、、? これも面白そう
です。)

 この演劇の場面でも、以前行われた女性限定
イベント「ゆるゆりガールズナイト」で収録された
音声が使われているようですね。こういうのを
聞くと、ファンも一緒にこの作品を盛り上げて
いるのを感じられます。原作とアニメの勢い的
には「ゆるゆりアニメ第3期」があっても良さそうな
雰囲気ですよね。2月にはまたライブイベント
「七森中♪ふぇすてぃばる」が行われるそうで、
そのCMでは「2度ある事は3度ある!?」と
紹介されています。アニメ本編の方もそんな風に
続いていくと素敵ですね。今度はまた百合度を
アップしてもらえたら良いかもです。

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