AKB0048 第12話
初めての研究生公演、しかも凪沙達にとっては
生まれ故郷でのステージです。今の自分達を
せいいっぱい人々に伝えたいと思っていた事
でしょう。けれど周りの情勢は厳しくて、彼女達の
思いは何一つ実を結ばないようで。女の子達の
間にある絆まで失われてしまいそうになります
が、、、この後はどうなるのでしょうね。
テレビアニメ「AKB0048」、第12話「愛をうたう
アイドル」です。
DES軍に狙われ脱出を試みる凪沙達の前に、
相手方のロボットが出現する。織音はその姿を
見て我が目を疑った。機体に小さく刻まれていた
「Sakura」の文字は、工場で働いていた彼女が、
自分の作った部品の一つに刻んだものだった。
自分の手から生まれた機械が、自分の仲間達を
苦しめている、そう思うと、彼女の胸は深い
絶望感に覆われる。一緒にいた凪沙と智恵理は、
彼女を援護して安全な場所へ移そうとした。
最初の場面では、織音が感じた深い絶望に
触れて、智恵理が、今まで隠していた自分の
気持ちを打ち明ける、重要な場面の一つですね。
智恵理は今まで、同期の研究生には溶け込もうと
しないで、自主練習するのも、休みに街へ出る
時も、いつも1人で何でもしようとしていました
(1人になろうとする所を凪沙達が関わっていく、
というパターンはあったみたいです)。
本当は智恵理は優しくて人なつこい子だと
信じている凪沙達には、彼女がそんな風に振る舞う
理由がよくわからなかった事でしょう。彼女が、
気持ちの深い部分を自分から話すこの場面はかなり
重要に思えます。
けどここでは、凪沙は2人とはぐれてしまって
智恵理の言葉を聞けていないのですよね。一応
凪沙は、智恵理、織音、友歌のメインキャラの中
でも主役で、智恵理とは特に仲の良い関係に
なれると思いますので、彼女には智恵理の言葉を
聞いていてほしかったような気もします、かたくな
だった智恵理を少しでも変えたのは凪沙でしょうし。
、、、それとも、この後でこの話数を上回るような、
感動的&百合なエピソードが待っていたりするの
でしょうか?
そこには期待するとしても、ここでは研究生達は
かなり苦しんでいるようです。初めての研究生公演
だったのに、DES軍の激しい攻撃にさらされています。
襲名メンバーが護衛についていて地元の援護が
あってもあれだけの事が起きたのですから、戦いは
かなり激しいものだったのでは。DES軍から見れば、
襲名メンバーだろうが研究生だろうが、アイドル
である事に変わりはないのでしょう。
戦いの中で、友歌は、護との関係が変わって
しまった事を思い知らされたようです。この雰囲気
は、以前にも少し書きましたように、アイドルが
恋愛を禁止されるかどうかという部分を描いている
ような気がします。ファンをファンと割り切れるの
ならどうという事もないのかもですけれど、友歌の
ように、昔から知っている相手で、思いを寄せて
いた人となると、気持ちは簡単には決められなさそう
です。
ところで護、以前は鈴子のファンだと言ってたはず
ですけど、、、フェイクだった? なぜそうする必要が
あったのでしょうね。アイドルとしての友歌が
羽ばたいていくのを邪魔したくなかったとかでしょうか。
友歌をどう思うかについて、第1話で言っていた事と
この話数のせりふが反対になっているのも謎ですね。
なぜそう言うようになったかきっかけがあまり説明
されていない感じですけれど、、、まあ百合とは関係
ない部分ではあるのでしょう。
友歌の場面の最後の方で、織音が彼女を助けている
姿が描かれています。これは、友歌が、普通の十代の
女の子からアイドルへと変わっていくのを示している
気がします。
それに、織音が友歌に体を密着させて支えるような
姿勢になっているのがちょっと意味があるかもですね。
アイドルになったら、同じアイドルの女の子達が
お互いを支え合って生きていく、という事だったり
するのかも。そこには百合な雰囲気も含まれている
でしょうか。
それと、この場面で同時に出てきた「新しいキララ」
も、友歌のアイドルへの変化を表しているっぽい
ですね。形もツインテール風? 友歌を祝福する
存在なのかもしれません。
この場面では、「大声ダイヤモンド」が印象的に
流れていました。友歌と護の関係と重なり合う
ような演出で。
でも、この歌って、この物語では恵のテーマ
なのかなと思っていたんですよね。恵はボクっ娘で、
とても仲が良かった同期のようこが「佐江」を襲名
した後も、何とか彼女に追いつこうと全力で練習に
打ち込んでいました。
以前の話数で、恵が1人でこの曲を練習している
所が印象的でした。歌っている歌詞はちょうど
「君が大好きだ、僕は全力で走る」という部分。また
そのすぐ後に、佐江(ようこ)がやって来て会話
をしています。
同じAKB0048にいるのに、襲名している佐江と
まだしていない自分との間に、恵は距離を感じていた
ようです。それが少しずつ前向きに考えられるように
なっていきました。そしてこの藍花星(ランカスター)
の公演では、研究生と襲名メンバー、ステージに
大きな差はあるものの、同じ場所で歌う事ができる
ようになったんですよね。たったそれだけの事でも、
恵には嬉しくて、前回はその気持ちが、佐江との
「間接キス」に表れていたように思います。
けれど、、、非情な戦いの中で、恵の夢はかなわなく
なってしまいます。前にも書きましたように、
こういう、メインじゃない女の子のささやかな
願いは叶えてあげてもらいたいように思います。
恵はけっこう大変な目に遭っていますよね。
DES軍に狙われる場面もほんの一瞬描かれただけ
で、同じ場所にいた他のメンバーはけが一つ
負っていないのに、彼女だけあんな事になって
しまうなんて、、、。
オープニングアニメに登場するのが75期の
2人と77期の7人で恵がいないため、そこに
合わせてステージアウトさせられた、、、? とは
思いたくないですね。
凪沙に緊急事態が起きて、ツバサや牛山や、
メンバーの皆も協力して凪沙をカバーしようと
奮闘しています。けれど、恵が欠けた穴を埋める
手配については、誰も何も言っていません。恵
よりも凪沙の方が公演でメインを張る位置だった
から、なのかもですけれど、恵にも誰か手を
差し伸べてあげてほしいものです。
ステージに立てなくなる事を悲しむ恵に、
美森が「次のチャンスがある」と言って慰めて
います。でもこれも、なかなか恵の気持ちを
癒す事はできないようにも感じられます。
恵はこの時何も言いませんでしたが、こういう
思いを持っていたとも考えられないでしょうか。
「次のチャンスっていったいいつ? その時も
私は研究生で、ようことは別のステージなの?」
と。
ステージが別でも同じ場所で歌えればそれだけで
いい、なんて嘘。恵は、本当は、いつどんな時も
ようこと一緒にいたいと願っているのでは
ないでしょうか。そのわがままな欲望を抑えに
抑えて、この研究生公演でやっと自分を納得
させようと思っていたのに、それさえも許されない
としたら、、、。人には言えない彼女の苦しみは
かなりのものなのでは、と思えます。彼女にも、
この物語の中で何か良い事があるのを期待したい
ですね。
襲名メンバーの方では、みなみに気持ちの整理が
ついてきているみたいです。彼女は優子に自分の
決心を告げています。
これは決して、けがのために気が弱くなって
いるからではないと思いたいですね。「夢は何度も
繰り返す」の歌詞を聴いている間に、今まで
固まっていたみなみの気持ちは変わっていったの
かもしれません。
みなみの言葉を聞いて、優子がどう思うかは
気になる所です。相手に共感して自分も、なんて
考える可能性はあるのでしょうか。
その場合、凪沙の存在が大きくなってくる
ように思ったりもします。凪沙は「優子推し」
だという事が以前描かれていました。それが優子
本人への憧れなのか、それとも00の中での「優子」
というポジションへの執着なのでしょうか。その
考え方によっては、凪沙と優子の関係性が変わって
来る場合も考えられそうです。
その凪沙は、ここではとても追い詰められて
います。自分のせいで皆に迷惑をかけ苦しませて
いる、と、自分を責める気持ちが強くなっています。
そのため凪沙はある決心をしようとするのです
が、彼女の変化には智恵理がいち早く気づいた
ようです。
智恵理は凪沙に、あなたを止めるつもりはない、
と言っています。けどその後に付け加えた言葉を
聞いていると、本当は反対の事を思っているのでは、
と感じられますね。
智恵理が凪沙に向かってつらい言い方をしている
ように聞こえる言葉も、その中には必死に凪沙を
止めようとしている気持ちが含まれている気が
します。こんな事言われて悔しいでしょう、だから
絶対にやめるなんて言わないで、と必死に訴えて
いるように思えます。
智恵理が、自分の気持ちに気づいていてそういう
言い方をしているのかどうかはわかりません。
けど智恵理も凪沙も、お互いを思っているはず。
友歌(と織音?)には新しいキララが生まれつつ
あるようですが、それに負けないほどの輝きを、
2人で生み出してもらいたいです。そして自分達の
間では、お互いの気持ちを隠さず、最初に00の
ステージを見たあの頃と同じ気持ちでふれあって
(いちゃいちゃして)もらいたいものです。
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