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2012年8月29日 (水)

映画「もしドラ」

 みなみは、野球部のマネージャーになり、
「マネジメント」を行っていく中で様々な人と
ふれあっていきます。けれど、いつでも彼女の
気持ちの中心にいて、彼女が前進する原動力と
なっているのは、やはり夕紀なのですね。また
夕紀も、誰よりみなみの事を心配し思いやって
いるようです。

 「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの
『マネジメント』を読んだら
」(略称「もしドラ」)の
実写映画版を見てみました。

 登場人物や物語の舞台、ストーリーの進み方
などは、原作やアニメ版とだいたい同じになって
います。なのでここでは、映画版での差やポイント、
百合テイストなどの視点を中心に書いてみたいと
思います。
 なお、アニメ版についてはこれまでレビューした
記事があります。次のようなものです。

前半
後半
みなみと夕紀の関係についてもう少し考える

 高校の野球部が描かれているため、部員の
男子生徒はたくさん登場します。試合の場面も
描かれますし、みなみがマネジメントを始めて
からの快進撃でも、部員達は思う存分活躍する
姿を見せています。けれどやはり主役はみなみ
なので、彼女の苦悩や努力、喜びや悲しみが
メインで描かれていきます。彼女の表情が、
部員達よりも大きく映し出される事が多いみたい
です(これは、みなみ役のAKB48前田敦子さんが
フィーチャーされているから、という意味合いも
あるのかもしれません)。

 アニメ版では、部員達は割と大きく取り上げ
られていて、しかもイケメン揃いのような気が
します。アニメ版では、自分の実力を出したい
けれど、そのやり方が見つからなくてくすぶって
いる、とがった人達、という印象もあります。
 実写版では、部員達はややあきらめムードで、
何をやってもうまくいかないから練習にもほとんど
身が入らない、みたいな雰囲気ですね。ふざけて
いるような場面もあります。
 みなみがドラッカーの「マネジメント」の本を
手に入れるいきさつも、コミカルな仕立てに
なっています。こういう要素を盛り込むのが
実写版の演出なのかもですね。

 男子の中で割と女の子達に関わってくるのは、
慶一郎、祐之助、次郎とかでしょうか。次郎は、
みなみと夕紀の幼なじみなので2人の近くにいる
場合があります。慶一郎は病院へ夕紀のお見舞いに
行って、彼女とキャッチボールをする場面が
ありますね。また祐之助は、病室で夕紀のすぐ
そばで話し合っているのをみなみに目撃されて
います。
 こういう場面があると、やっぱり実写版では
男女のふれあいが強調されちゃうのかな、と
思ってしまいます。が、実際にその先にまでは
進まないようで、ちょっと安心しました。

 アニメ版では、文乃がそれなりに百合テイストを
見せていました。夕紀の目の前で「大好き」と
告白したり、夕紀にムードたっぷりに見つめ
られて俄然マネージャーの仕事をやる気に
なったりしています。
 実写版ではそこまでの表現はない感じです。
その代わりというか、最後の場面がちょっと
雰囲気がありますね。
 試合の後、加地監督の所へ慶一郎が走って
きます。やっと打ち解けた気持ちになれた2人は
がっちりと抱き合うのですが、その隣にはちょうど
みなみと文乃がいました。文乃は、加地達を
黙って見つめています。この表情が何というか、
自分も同じような事をやってみたいと考えて
いるように見えるのですよね。それで実際には
どうだったかというと、、、彼女はみなみと
抱き合っています。

 格好としては、まるでラグビーのタックル
みたいな姿勢で、腰にしがみついてるだけの
ようにも見えます。でも、人と接するのが苦手
らしい彼女にしてみれば、かなり思い切った
行動だったのではないでしょうか。
 そうまでして、文乃はみなみに伝えたい
思いがあったのかなという気がします。それは、
たとえ今ここに夕紀がいなくても、自分だけは
みなみを支えるつもりだと言いたかったの
かな、とも思えます。

 そしてやはり、みなみと夕紀、ですね。彼女達
の間には、友情という言葉では片付けられない
強い気持ちがあるようです。
 上に書いたように、夕紀は慶一郎や祐之助と
少し接近する場面がありました。けれどその時
夕紀が話していたのは、夕紀の覚悟をうかがわせる
言葉だったり、小さい頃の思い出だったり
でした。この2つは、後になってみなみの
気持ちに影響を与える伏線になっているみたい
です。

 夕紀には、自分の事よりも、みなみの夢を優先
させようとする気持ちがあったようです。また
みなみの方も、いつだって彼女の思いの中心には
夕紀がいるのですね。

 みなみが、部員達の前で野球に対する自分の
気持ちを叫ぶ場面も感動的になっています。今まで
何も言わなかったけれど、本当は野球が大嫌い
だと彼女は言っています。
 それならなぜ野球部のマネージャーになって、
甲子園を目指そうとしたのか、、、。ここでは
みなみは自分の口からその理由を言っています。
これまで続けてきた事はすべて「夕紀のため」、
と。

 今まで誰にも打ち明けたりしなかったと思われる
この事を声に出して誰かに言う事で、みなみは
はっきりと気づいてしまったのではないでしょうか。
大嫌いな野球を相手に、投げ出したりせずこんなに
努力できたのは、夕紀の喜ぶ顔が見たかったから。
夕紀に感動をあげられるなら自分の苦しみなんて
何でもない、、、自分にとって夕紀は一番大切な人、
かけがえのない人なんだと。
 気づいてしまった後、みなみが夕紀と自分との
関係をどう捉えているのかはあまり描かれて
いません。けれど、彼女はそこに、消える事のない
強い愛を感じているのではないでしょうか。

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