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2012年8月30日 (木)

ゆるゆり スピンオフコミック「大室家」の9

 花子にライバルが登場、でしょうか? 彼女が
花子につっかかっていくのにはいろいろ理由が
考えられそうです。けど、このエピソードで、
花子は相手に確実に興味を持ったのでは。彼女達
のグループの中で百合な感情が芽生えて発展する
可能性はあるでしょうか。

 発行一迅社、隔月刊のコミック百合姫に連載中の、
なもりさん作「ゆるゆり」より、なもりさん自身
によるスピンオフコミック大室家」の第9話を
見てみました。

 ここでは花子のクラスが舞台になっています。
クラスメイトの未来とこころは第4話で登場済み
ですが、さらに新しく高崎みさきが姿を見せて
いますね。(これは、、、またキャラの相関図
更新しなきゃです。)

 この前未来が言い始めた「花子様」呼びは、
結局定着してしまったようです。このまま未来
達はずっと花子様と言い続けるのかな? これ
だと、花子的には未来やこころとの間に距離を
感じてしまうのではないかと思うのですけれど
、、、。未来達がそこに気づく、もしくは花子が
はっきり「やめて」と言う事で、状況は変わって
いくのかもしれません。

 少なくとも今はまだ、花子は自分に対する
呼び名を訂正できていません。「様」付けを
やめてくれそうな人は、、、みさきだけ?

 みさきの言う所では、自分こそが「様」付けで
呼ばれるにふさわしいらしいです。仁王立ちに
なって真正面から花子に対抗してますね。
 みさきの態度が気に入らない未来とこころは、
花子がどれだけすごいか一つ一つ挙げています。
みさきも売り言葉に買い言葉で、一つずつ正面
から受け取って反論してます。

 けどその言い返し方が子供らしいというか、
勝っているのか負けているのか、というより
勝負にすらなっていないような。でも花子を
押さえ込もうと必死になっている姿が見えて
きます。

 ここでちょっと気になったのは、こころの行動
だったりします。彼女は花子の偉大さを説明する
ために、未来と同じように次々とポイントを
挙げています。
 こころって、以前登場していた時の雰囲気では、
割とおっとりしていた気がします。それに、自分の
事を差し置いても他人の心配をして、時には
泣き出してしまうほどの感受性を持った女の子の
ように感じられました。
 でもここでは、未来とほとんど同じ行動を見せて
います。前のこころとはちょっと別になっている
ような、、、。ここから考えられるのは、例えば、
泣いてしまうほど強い思い入れを抱いている相手は
未来だけ、というパターンが考えられそうでしょうか。
こころが自分の愛情を前回にするのは未来だけで、
未来が言い始めたから自分も花子を「様」付けで
呼ぶようになった、とか。
 まあこれは想像だけですので実際の所はよく
わかりません。けれど花子のクラスメイト達の間で
百合な関係が展開されるとするならば、こういう
パターンもあるかもですね。

 みさきの方は、花子が気になって仕方がない、と
考える事ができそうです。けど他の場合もあり得る
かな、とも思ったりします。
 例えば純粋にライバルとして花子に勝ちたい、
とか、「みさきち」というあだ名が恥ずかしくて
他の呼び方をしてもらいたい、とか、あるいは
(花子ではなく)未来やこころに慕われたくて自分の
長所をアピールしてる、とか、、、。いろいろ
パターンは考えられそうです。

 そして重要なのは、花子ですね。彼女の場合、
自分の成績の良さは他人にひけらかさず、友達とも
対等な関係で遊びたいと思っているようです。
 ところが、みさきに対してだけは、彼女は別の
気持ちを抱いているように感じられるのですよね。
この話数の最後のコマにあるように、猛烈にみさきを
いじりたい衝動に駆られているような気がします。
全然勝てていないのにそれでも刃向かおうとする
態度をかわいらしく感じているのでは、と思えます。

 花子がみさきに興味を持っているのは確かだと
言えそうです。でもそれが百合な感情かというと
、、、ちょっと微妙かも。
 いじりいじられる関係では、アニメ「ゆるゆり♪♪
第6話で描かれている胡桃と雷香の間柄に近い
かもしれません。あちらでは胡桃が雷香をパシらせて
いるような場面が時折ありますが、2人ともそれを
楽しんでいるような雰囲気もあります。彼女達が
特別な関係にあるのは確かでしょうけれど、その
部分については少なくとも百合的とは言えなさそう
です。
 あちらの記事にも書きましたように、このような
珍しい関係の場合、他の人では代わりはできない
という意味で2人のつながりを強くしていると
考えられます。そこにさらに、女の子同士の恋愛
感情がたっぷり描かれていくと良いのですけれど、
花子達の場合はどうなるでしょうね。

 それと、もし花子がみさきにハマってしまう
としたら、花子と他の女の子達との関係が弱く
なってしまうかも、とも思えます。花子とみさきの
エピソードであれば未来やこころぐらいは登場
できそうですが、他の女の子達は影が薄くなる
場合もあるかも。

 わがままで自堕落だけど妹の花子への思いやりは
いつでも持っている櫻子や、完璧な姉として花子が
尊敬しそうな撫子、歳は2つ下だけれど、家が
近くで時々一緒に遊んでいる楓など。もしかしたら
もう少しで百合の花が咲きそうなこれらの関係は、
これからも描かれるチャンスはあるのでしょうか。
原作コミックはいろいろなキャラが他のたくさんの
キャラと絡んでいく場面は多いですから、こちらでも
期待しても良いですよね? 花子達はまだ幼いです
けれど、できれば百合度の高いエピソードを見て
みたいものです。

 なもりさんがTwitterのアカウントから公開している
イラストの中で、花子とみさきを描いたものが2種類、
カラーで公開されています。一つは2人が向き合って
いる構図で、第9話の最後の場面と似ています。
もう一つは、同じイラストで全体像を収めたもの。
こちらはネタバレの可能性もありますので本編を
見た後に見るのが良いかもです。こんな風にさっと
カラーでフォローのイラストが公開される辺りは
さすがなもりさん、なのでは。

・「ゆるゆり」レビューリストレビューセンター

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