百合姫コミックス ８月発売分の２冊の表紙画像が公開されています他

　どちらの作品も落ち着いた雰囲気のある表紙に
なっています。「私の世界を構成する塵のような
何か。」では留希と祥が描かれています。この
２人の関係は一つの形になったように思えます
けれど、「第１巻」なのでこれからも彼女達の間に
ドラマがあるのでしょうか。

　発行一迅社、百合姫コミックスより、今月は
２冊が発売予定となっています。その表紙画像が、
公式サイトで公開されています。

　一つは、天野しゅにんたさん作の「私の世界を
構成する塵のような何か。」です（鹿じゃない、、、
っていうのは「ゆるゆり♪♪」のCMネタですね）。
女子大生の留希は、恋愛がどんなものかよく
わからず、周りの女の子達の恋の話題にもなかなか
ついていけないようです。彼女の視点から、女性達
の人間関係が語られていきます。体の関係も
描かれているのが女子大生らしい(?)部分でしょうか。
この作品には、以前シリーズ化前の作品に主人公で
登場した明日菜と笙子も姿を見せています。
　表紙には、留希が座っていて、そのすぐ隣で祥が
横になって電話をかけている様子が描かれています。
この所の展開では彼女達の関係が一つの形になった
感じではあるのですよね。これで物語が一区切り、
とも思えたのですけれど、この本は第１巻とされて
いますから、ストーリーは続いていくのでしょう。
彼女達に何か新たな危機が起きるのでしょうか、
それとも別の女性が主人公になる、とか？

　もう一つは、慎結さん作の「ミズイロ、ソライロ」
です。こちらは短編集になっていますね。表題作
では、高校生活になかなかなじめずにいた杏奈が、
ある冬の日、海に入っていこうとするクラスメイト
の文乃を見かける所から始まります。百合的には
それほどふれあいが多いわけではないですけれど、
切なさのあふれる作品になっていますね。
　表紙は、作品のタイトルのように水色の背景に
なっていて、そこに１人の女の子が描かれて
います。涙を流している、という所が彼女の心情を
表しているのではないでしょうか。

　この他、今月は、コミック百合姫本誌に掲載
されている作品に関係する商品の発売もありますね。
一つは、なもりさん作の「ゆるゆり」のコミック
アンソロジーのVol.7が、8/25にDNAメディアコミックス
から発売となります。今はアニメ第２期「ゆるゆり♪♪」
も放送中ですので、一緒に読めば楽しめるかも
しれません。

　もう一つは、倉田嘘さん作の「百合男子」のドラマCD
とキャラソンです。発売元はメディアファクトリー
です。
　以前発売された単行本第２巻の限定版に付いて
くるドラマCDでは、登場するのは沙織、茜、涼
というように女性だけでした。けれど今度の単品
ドラマCDでは啓介をはじめ百合男子達が熱い
トークを繰り広げて行くみたいです。沙織達の
百合なエピソードは入っているでしょうか？

　「百合男子」がどういう人達にアピールできる
作品なのかは少し気になりますね。NHKの情報番組
「MAGネット」で、「百合マンガ」が少しだけ取り上げ
られた時、ゲストで声優の佐倉綾音さん（ドラマCD
では沙織役を担当されています）がお勧めする
百合コミック作品ベスト５の中で、本作は第４位に
入っていました。百合をよく知らないという
MCの西川貴教さんに、それだったら、と、この
作品を推薦していました。
　読んだ結果は、百合に対する印象はあまり
変わっていなかったようです。物語的には手に
取りやすいけれど、百合に興味を持ってもらう
所まではいかない、という位置づけなのかも
しれません（といっても興味を持つかどうかは
読む人にもよるのでしょう）。

　他の場合だと、例えば、丸善＆ジュンク堂書店
のサイトでは、全国のジュンク堂書店員による
書評がネットで公開されています。ここで例えば
「百合姫」で検索すると、百合姫コミックスなどが
リストアップされます。けれど書評があるのは
今の所「百合男子」の第１巻ぐらいですね。
百合を全く知らない書店員の方が試しに読んで
みた、という位置づけの内容になっています。
その方達も、この作品から百合に興味を持つ
ようにはなっていないみたいです。

　本作は、百合作品を広めるために制作されて
いるわけではないかもですし、反対に実はこの
作品から百合コミックを読むようになった読者も
いるのでしょう。百合作品をより多くの人達が
楽しめるようになったら素敵だと思いますし、
そのためには、この作品を含めていろいろな
作品が魅力をアピールできるようになると良いの
でしょうね。

　なお、ジュンク堂書店の書評はあまり書かれて
いないかもですけれど、全国の書店では百合推しの
店員の方も多いのではないかと思います。ショップ
などに置かれているPOPから百合に対する熱意の
ようなものを感じる時がありますし。そういう
方々の努力が実を結んでいけると良いですね。