つぼみ Vol.18 その２

　「むすんでひらいて！」では、ともやのどか達の
お互いを思う気持ちがどう伝えられていくかが
ポイントですね。本作らしくラブラブな雰囲気が
多めに出ている感じでしょうか。また「女王蜂の
ジレンマ」では、晴子とあずさの秘めていた思いの
行方が気になるのですけれど、、、この後も描かれて
いく、のかな？

　発行芳文社による百合アンソロジー「つぼみ」の
Vol.18を見てみました。以前に別の記事でも書いて
いますので、よろしければそちらも見てみてください。

・つぼみ Vol.18

　では前に書いたもの以外の作品について一部
ご紹介、、、。

（・作品名（作者名（敬称略）））

・前略、百合の園より（須河篤志）
　教室の中、百合に向かって藤原はささやく。先に
帰らないように、と。教室で２人きりになった時、
百合は自分の漫画のネタ帳を彼女に差し出した。
気恥ずかしかったが約束を破るわけにもいかない。
　百合は忍と共同で漫画を制作しているのですよね。
前回藤原のキャラに着目してストーリーを膨らませて
いったのは忍だと思いますので、あのネタはどちらか
というと忍の願望が反映されているのかも。それを
知ったらどう思うでしょうか。それ以前に、百合と忍が
一緒にいる事についてはどう感じるでしょう。

・魚の見る夢 第５話 ほしをみるよる（小川麻衣子）
　巴と御影は浴衣に着替えていた。２人で連れ立って
祭りの縁日へと出かける。今日は花火大会も行われる
予定だった。テンションが上がり粉物をメインに
食べまくる巴を、御影は呆れ気味に見ていた。
　第１話辺りでは姉の巴にかなり固執していた
感じのある妹の御影ですが、２人の間にあるものが
少しずつ語られ始めているようですね。御影には
巴しか見えていないから、彼女の行動をすぐに
自分に結びつけて考えてしまうのでしょう。２人が
正直に向き合える日は来るのでしょうか。

・むすんでひらいて 第６話（イコール）
　慌ただしく廊下を行くのどか。図書室に入ると
何か書き物を始める。図書委員の引き継ぎは
終わったはずでは、と、ともが聞くと、卒業生の
答辞の原稿を書いているという。
　進学してもずっと一緒にいたい、という気持ちは、
のどかもともも同じのようです。ももみといちかは
学年も違いますから、ももかが卒業したら離ればなれ
になるのは確実、、、。皆悲しくなってしまって
いますけれど、でもそばにいたいという意志を
持ち続ければ、願いは叶うのでしょうね。
　この作品はこの話数までとなります。単行本は
本誌Vol.19と同じ8/10に発行予定です。ちなみに
単行本の表紙では、椅子に座ったのどかの膝の上に
ともが座って顔を寄せている構図になっています。
この場面はこの話数の中にも登場していますね。

・エデンの東戸塚 第９話（袴田めら）
　仕返しのつもりでのぞき込んだひとみの部屋に、
彼女が見知らぬ女性と親しげに写っている写真を
見つけてしまった清香。以来、彼女はひとみの顔を
まとも見られなくなっていた。
　学校の先輩と一緒に撮った写真がある、その
先輩からは、同じ学校へ行こうと言われていた。
ひとみと先輩はどちらも女。よくありそうな事に
やきもきしている清香の感情も、よくあるものだった
と言えるかもしれません。でもそれだけじゃなさそう
なのは、清香が何かを直感していたからでしょうか。

・女王蜂のジレンマ（コバノ）
　蜂谷あずさと布施晴子、２人は、クラスを二分する
派閥を作るほど犬猿の仲で、学校で会えばすぐ
けんか腰になる。が、寮の同じ部屋に戻れば一転、
彼女達は大の仲良しだった。
　学校での立場がある、ぐらいだったらそれを
捨てても良かったのでしょう。けれど、自分達が
下手に振る舞うと、２人以外の大切な人達が傷つく
かもしれない、と彼女達は思うようになったみたい
です。、、、とはいってもラブラブはしたいですし、
悩む所なのでしょうね。
　最後の場面では、晴子もあずさも自分達の
気持ちを隠せなくなりつつある感じです、、、
けど何だかとても続きそうな雰囲気ですよね。
次号にはこの後のエピソードが載ったりする
でしょうか。

・「つぼみ」レビューリスト、レビューセンター